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日向坂46 金村美玖は、“アイドルの醍醐味”を体現した存在に? 今、注目を集める理由

音楽

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リアルサウンド

 4thシングル『ソンナコトナイヨ』で初フロント入りを果たした金村美玖。先日発売した『BUBKA』や『blt graph.』などで表紙を飾り、今まで見えてこなかった新たな魅力も出てきた。今、金村はアイドルとして変化の時期を迎えているといえるだろう。ではなぜ、彼女に注目が集まっているのだろうか。これまでの彼女の動きを振り返りながら、考えていきたい。

(関連:日向坂46、「青春の馬」で発揮されたメンバーの表現力

 日向坂46の二期生である金村は、小坂菜緒、濱岸ひよりと同じ17歳。メンバーのモノマネを得意としていて、バラエティなどでの様子はまさにピュアな女子高生そのもの。一方で、ステージではあらゆる表情を見せて感情を訴えてくる。等身大に歌詞のメッセージを伝えようとする姿は、見ているこちらにまで熱いものを感じさせ、実に魅力的だ。

 そんな金村だが、後列ポジションになることも何度かあった。負けず嫌いな彼女は、フォーメーション発表で悔し涙を流したこともある。ただそこで挫折することなく、前向きな姿勢を貫くところが彼女の良さだ。『セルフ Documentary of 日向坂46』(TBS CS)では、小坂が金村について「一番かっこいいなと思うのは、マイナスになった時に、その倍プラスになること」と話しているように、与えられたポジションを一生懸命全うするのだ。後列ポジションになったことで、観察眼の鋭さや感受性の豊かさがさらに磨かれていき、彼女の表現力にも繋がっているのではないかと思う。

 金村の成長を感じたのは、「ドレミソラシド」や「こんなに好きになっちゃっていいの?」で、センターである小坂の真後ろのポジションに選ばれたときのこと。裏センターと呼ばれているこのポジションによって、金村は音楽番組のステージでカメラに映る機会が増えた。それによって“見せること”への意識は高まったのだ。『BUBKA』4月号では、カメラに映ることによるグループへの影響について話し「細かいところまで意識を高めて歌番組に挑んでました」(『BUBKA』4月号)とコメントしている。

 二・三期のユニット曲「Dash&Rush」(『ドレミソラシド』収録)ではセンターに抜擢。小坂と渡邉美穂という頼もしいメンバーに両脇で支えられながら、自分の殻を破るかのようにこれまで培ったものを一気に爆発させた。信頼する同期に囲まれ、「私が何かしでかしても大丈夫」(『BUBKA』4月号)という気持ちになれたことで、彼女は自分らしいパフォーマンスを見せることができたのかもしれない。

 また金村を成長させたターニングポイントとして、『HINABINGO!2』(日本テレビ系)での出来事もふれておきたい。同番組でのオリジナルギャグを披露する企画でのこと。金村はギャグがうまくいかず「ファンの人にいつも空回りって言われて悔しいです」と泣き出してしまった。そんな金村に対して、番組MCの小籔千豊が「空回りをメリットとして、長所としてやっていただけたらと思います。(実際は)空回ってませんしね、大丈夫ですよ」と優しい言葉をかけたのだ。それ以降、金村の言動からはすっかり吹っ切れた印象を受ける。小藪の言葉は、彼女に大きな影響を与えているように思う。

 そして、「ソンナコトナイヨ」でついにフロントを務めることに。この1年の実績を考えると、金村が抜擢されるのも納得だ。さらに小坂が欠席した『日向坂46×DASADA LIVE&FASHION SHOW』でも、ライブの1曲目である「青春の馬」のセンターに選ばれた。同イベントは“『DASADA』の世界観が楽しめるエンターテイメント溢れるファッションショー&コンサート”と銘打っているだけに、主題歌である「青春の馬」のセンターを務めたことは、この日一番の大役だったといえるだろう。東村は、金村が抜擢されたことについて「感情を訴えかけてくるタイプの曲だし、実際に美玖ちゃんの感情の込め方がとても力強くて『やっぱり合ってる!』と思いました」(『月刊エンタメ』4月号)と話している。また、同イベントは活動休止していた濱岸の復帰のステージでもあった。「青春の馬」のハイライトである濱岸と金村のペアダンスでは、金村が涙を流している濱岸を和やかにサポートする姿が頼もしかった。また、「自分に個性がない」と悩んでいた金村が、横浜アリーナという大舞台で大役を任されていることもとても感慨深い(「青春の馬」の歌詞を見ると、金村の無我夢中に走ってきたアイドル人生と重なるからこそなおさらだ)。

 いわゆる“普通の女の子”がプロとして成長していくーーそれは「アイドル」を楽しむ上での醍醐味でもある。そして、常に等身大でひたむきな金村は、まさにそれを体現している1人だ。だからこそ、彼女から目が離せないのかもしれない。(本 手)