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渡辺謙の『ピサロ』で新生PARCO劇場が本格発進

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PARCOプロデュース/パルコ劇場オープニング・シリーズ『ピサロ』

3年余りの休館期間を経て、今年1月24日に装い新たに開場、すでにふたつのこけら落とし公演『志の輔らくご ~PARCO劇場こけら落とし~』『ラヴ・レターズ ~こけら落としスペシャル~』を成功裏に終えたPARCO劇場。今月から2021年5月まで続くオープニング・シリーズには、魅力的な演目が数多くラインナップされており、その第一弾となるのが3月13日(金)に開幕する『ピサロ』だ。1985年に旧PARCO劇場にて上演され、アタワルパ役に抜擢された無名の渡辺謙が、タイトルロールの山崎努に引けを取らない演技を見せたことが今も語り継がれる“伝説の作品”。35年の時を経て、その渡辺がピサロ役に挑む。

物語の舞台は16世紀のスペイン。齢60を超えた成り上がりの将軍ピサロは、人生最後の遠征としてインカ征服をもくろみ準備を始める。一攫千金を夢見て集まった170名の傭兵を率い、過酷な行軍の末に、自らを太陽の子と謡うインカ王アタワルパ(宮沢氷魚)を生け捕りにするピサロ。彼は次第にアタワルパに心を開くようになり、アタワルパもまたピサロを信頼し始めるのだが……。壮大な歴史物語でありながら、人類にとって普遍的なテーマをも内包する、ピーター・シェーファー(『エクウス』『アマデウス』)による傑作だ。

演出を手がけるのは、25年以上にわたって英国ロイヤル・バレエ団のダンサー/振付家として活躍し、日本で演出した『良い子はみんなご褒美がもらえる』でも高い評価を得たウィル・タケット。彼が渡辺と宮沢、そして入念なワークショップとオーディションによって選び抜いた総勢約30名の実力派キャストともに、傑作戯曲に新たな命を吹き込む。オープニング・シリーズの幕開けを飾るに相応しい、新たな“伝説”を生む公演となりそうだ。4月20日(月)まで。

文:町田麻子