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向井理、最終回目前に見せた“父親”としての成長 『10の秘密』全ての黒幕がついに明らかに

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 圭太(向井理)と菜七子(仲里依紗)の目の前で、由貴子(仲間由紀恵)の乗った小型船が突然爆発。それから1週間が経っても由貴子の行方はわからず、結局捜索も打ち切られてしまう。そんな中、母親の死の真相を追って宇都宮(渡部篤郎)と対面を果たした翼(松村北斗)から連絡を受けた圭太は、ふたたび宇都宮を問い詰めることに。3月10日に放送されたカンテレ・フジテレビ系列火曜ドラマ『10の秘密』第9話は、ついに10年前の謎がひとつ解明すると同時に新たな疑問が生じ、そしてすべての“黒幕”と思しき人物が浮き彫りになるエピソードとなった。

参考:【写真】何かを企む渡部篤郎

 10年前の火事が起きた日、沖縄にいたという証拠の写真を翼に送る宇都宮。しかし彼は、ある人のアリバイ作りを協力していたことを明かす。その人物とは、帝東建設の社長・長沼(佐野史郎)。翼の母・夏子(中島亜梨沙)と不倫関係にあった彼は、別れ話を持ちかけるも逆に夏子から会社の秘密を公表すると脅されていたというのだ。そこで当時の資料を調べた宇都宮は、長沼が関わっていたマンション建設プロジェクトで、偽装建築が行われていたことを突き止めるのである。

 本ドラマの前半で、瞳(山田杏奈)が誘拐された理由が、由貴子が帝東建設に揺さぶりをかけて大金を得るために偽装建築の設計データを読み解くことができる圭太を関わらせようとしたことが明るみになったが、ここでもまた“偽装建築”というのが大きなキーワードとなったわけだ。その後圭太たちは巧妙な連携プレーによって、長沼が夏子を突き飛ばして死なせてしまい、火事の炎が近付いてくるのをいいことに見殺しにしたという告白を録音することに成功。その音声データをマスコミに渡すことを決める。

 そこで圭太のもとに、長沼から新たな取引が持ちかけられる。大金と帝東建設への就職を斡旋する代わりに音声データを引き渡せというものだ。けれども圭太は「ここで自分を売ったら娘に父親として見せられる顔が何ひとつなくなる」と、取引に応じないこと、すなわち長沼の持つ圧倒的な権力に屈しないことを宣言するのだ。たしかに、瞳のためにと由貴子から3億円を奪ったことがきっかけで、瞳を傷つけることとなった圭太。その選択は、これまであらゆる面でかなり無鉄砲だった圭太が、父親としても人間としても大きく変化したことの何よりのあらわれであろう。

 そして大方の予想通り、由貴子が生きていたことが発覚するラスト。長沼でさえも「恐ろしい女」だと語る由貴子こそ、このドラマの最大の“黒幕”というわけか。圭太が瞳からの電話を受ける直前に長沼が語っていた言葉からは、単なる失火だと思われていた10年前の火事そのものにまだ何らかの秘密が隠されているような気がしてならない。まだ明るみにされていないのは、由貴子の真の目的のみといったところだ。それがわかれば、この複雑に絡み合ったいくつもの事件がしっかりと繋がることになるのだろう。 (文=久保田和馬)