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横浜流星を救った清野菜名の存在 『シロクロ』最終話で示した“白黒つけること”

ニュース

 ついにミスパンダと直輝(横浜流星)の関係に決着がつく。『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。』(読売テレビ・日本テレビ系、以下『シロクロ』)の第10話では、直輝が、シロクロつけてきたことが正しかったのか苦悩する。

 直輝の突いたナイフを受けたリコ(レン、清野菜名)はそのまま入院し、1カ月目覚めなかった。そして直輝は、これまでに出会ってきた人物と再度会い、関係に“シロクロ”つけるのであった。だが、結局はミスパンダと飼育員の活動で幸せになれた者はいなかった。現実を目の当たりにし、自分の行動を悔やんだ直輝は自殺を図ろうとする。その時、ミスパンダが「自由になる」と言って勝手にパンダちゃんねるの配信を始めたのだ。それは直輝を救うためのたくらみだった。驚いた直輝は、ミスパンダ(リコ)に会いにいく。一方のリコは、母親の麻衣子(山口紗弥加)と話をし、「私の娘でいてくれてありがとう」という言葉をもらう。これこそがリコの夢だった。リコは直輝に夢を叶えたことを伝え、リコの人格を消してレンを呼び戻してほしいと頼む。この要求を飲んだ直輝は、リコに別れのキスをする。そして直輝もまた、自身に催眠をかけてレン、リコ、そしてミスパンダのことを忘れるように仕向けた……。

 直輝が復讐と同時に行ってきたシロクロつける活動が、果たして正しかったのか。父親のために突き進んできた直輝が、復讐を終え、いざ立ち止まった場所に幸福はなかった。関わってきた人に会い、それぞれから話を聞く姿は、ひとつひとつの事柄に真っ直ぐ向き合ってしまう直輝らしさが描かれる。しかし、最後には神代(要潤)に“佐島家の死神”とまで言われてしまった。結局直輝は、復讐が最良の判断ではなかったことを知る。絶望して死のうとした直輝を救ったのは、今まで利用してきたミスパンダ/リコであった。

【写真】血を流す横浜流星

 リコもまた、レンに戻る前に“シロクロ”つけるべきことがあった。まずは囲碁喫茶・GOBANで春男(升毅)と話をし、春男と佳恵(椿鬼奴)からレンのことを聞く。そして今までのことへの感謝を述べた。そして麻衣子の元へ行き、向き合って話をする。リコにとって気がかりだったことは晴れ、全てすっきりと“シロクロ”ついたのだ。そしてリコは、レンに戻ることを決意する。

 直輝にとって利用していただけのレン(リコ)の存在は、誰よりもグレーな存在だった。1人の中に2人の人格が存在し、母親との関係やそれぞれの価値観などがせめぎ合う。門田(山崎樹範)から利用され、麻衣子には虐待され、レンとリコという2人の人物が同じ世界で共存するのは難しかったのだ。直輝とミスパンダは世間にシロクロつけてきたが、それは誰のことも幸せにしなかった。誰もが自分の罪に苦しみ、何人もが命を落とした。だが、ただ2人、レンとリコだけはお互いの存在に“シロクロ”つけることで、前に進むことができたのだ。直輝の活動は、結果的にグレーな存在として生きてしまったレンとリコに“シロクロ”つけることとなった。

 こうして『シロクロ』は幕を閉じる。直輝とレンがラストに見つめ合った時、2人はこの強い結びつきを思い出すのだろうか。2人の過ごしてきた思い出は誰にも“シロクロ”つけることはできない。

(Nana Numoto)