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清原果耶&森七菜、高校卒業でさらなる飛躍に期待 追随するのは平手友梨奈?

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リアルサウンド

 次代の映画界を担うツートップといっても過言ではない清原果耶と森七菜が、高校を卒業。これまでにもすでに数多くの作品で、そのフレッシュな魅力を個々の作品に焼き付けてきた二人だが、今後はそれらがうんと増えることだろう。本格的に、彼女たちの時代がやってくるのである。

 清原果耶と森七菜。彼女たちの名を、その存在を、ここ1、2年で認識したという方は多いだろう。特に昨年は、彼女らにとって重要な年だったのではないかと思う。その裏付けとなる、二人のまだ短くも豊かなキャリアに言及してみたい。

【写真】平手友梨奈、出演予定作ビジュアル

 清原の存在が一気に世に知れ渡ったのは、やはり朝ドラ『なつぞら』(NHK総合)で重要なポジションを担ったことは大きいはずだ。ヒロイン・なつ(広瀬すず)の生き別れた妹という役どころで、作品の太い幹ともなっていたし、清原本人の実年齢がまだ十代ながら、“母親”という役まで演じきっていた。明らかにまだ十代の見た目ながら、人生のいくつもの荒波を乗り越えてきたかのような落ち着いた雰囲気と、あの表情で、彼女は演者としての力量を見せつけた。親愛なる姉との再会を素直に喜ぶことができない自身の中に渦巻く苛立ち、悲しみ、不安、驚き、安堵……それらの感情を微かな頬の痙攣などによって複雑に表現していたように思う。清原の表情を長い時間、カメラが大きく捉え続けていたのは、作り手サイドの彼女への信頼度の高さなのではないだろうか。

 そして昨年公開の映画では、『愛唄 ー約束のナクヒトー』『デイアンドナイト』『いちごの唄』の3作品で主要な役どころをまっとう。これらでは彼女の年相応のフレッシュさが魅力的だった。今後は満を持しての初主演映画『宇宙でいちばんあかるい屋根』に加え、成田凌とW主演を務める映画『まともじゃないのは君も一緒』の公開も控えている。まだキャリアは短いながらも、ジャンルや規模を問わず、出演作の豊富さに裏打ちされた経験値の高さがますます彼女の強みになっていくだろう。

 対する森は、やはりヒロイン役の声優を務めた『天気の子』(2019年)での、好演における功績が大きい。そもそもの演技経験が浅い中で、“声だけで演じる”という制限を課された演技の大変さは想像に難くない。しかし彼女の成功は、同作が2019年の興行成績トップを飾っている事実が一つの証でもあるように思える。森は声だけでも十二分に、キャラクターを表現してしまえるのだ。

 振り返れば昨年は、『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』(日本テレビ系)で、並み居る同世代の俳優たちの中で独自の立ち位置を築き上げ、『東京喰種トーキョーグール【S】』『最初の晩餐』と立て続けに実写映画にも顔を見せた。さらに、『地獄少女』の実質の主役は、森ではなかったのかとも思う。物語を展開させる役どころなのだから、この見方は間違いではないはずだろう。

 そして今年に入り、森が清原と並んでこの世代のトップ俳優であることを完全に証明したのが『ラストレター』だ。一人二役でうら若い天真爛漫な少女を演じ、彼女のその姿は多くの観客の記憶に刻まれのではないだろうか。まだまだあどけなさの残る顔立ちに、どこかおぼつかなさを感じさせる台詞回し。だがこれが転じて、彼女のフレッシュさに繋がっている。そんな瑞々しさこそが森の魅力だが、まもなく始まるNHKの朝ドラ『エール』の出演をはじめ、これからより場数を踏むことによって、彼女の俳優としての印象は大きく変わりそうである。

 さて、そんな二人に追随する巨頭的な存在がもう一人この世代にはいる。清原や森とはまた違う、独自の路線を歩んできた平手友梨奈である。

 世間的に「脱退」と呼ばれるかたちで、欅坂46を離れることになった平手。唯一の映画出演作である『響 -HIBIKI-』(2018年)での彼女の俳優としての姿を思い返してみると、あのたった一作で、彼女は十分に俳優としての実力を示した。これは、周囲を囲んでいた先輩俳優陣の並びからしても明らかだ。アイドル出身者だからこそのパフォーマンス力の高さからは、俳優としての底しれぬポテンシャルをも垣間見せている。すでに、映画『さんかく窓の外側は夜』への出演も発表されており、彼女がこれからどのような影響を映画界に及ぼすのか、早くから楽しみで仕方がない。

 2019年に高校を卒業した者のトップには浜辺美波がいるが、卒業以降、出演作がぐんと増えたのは確かだ。さまざまな制約が外れることで、挑戦できる役どころも変化し、増えていくのだろう。時間に拘束されることがないというのもあるのだから、ぜひとも舞台上を駆け回る彼女たちも見たいものだ。そして同時に、彼女らと並ぶ存在が次々に誕生してくる日もそう遠くはないはずである。

(折田侑駿)