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香取慎吾がプロデュースする“歌手”としての自分 初のソロコンサートは進化を見届ける場に

音楽

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リアルサウンド

 2020年は、歌手・香取慎吾の進化から目が離せない。1月1日に初のソロアルバム『20200101』をリリース。そして、4月29日には初のソロコンサート『20200429 PARTY!』を埼玉・さいたまスーパーアリーナで開催予定だ。果たして、彼がどんなパーティーを開いてくれるのか、その期待は高まる一方だ。

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 冒頭で“歌手“としたのは、彼の才能は実に多面的だからだ。コントをすれば有名人のパロディをはじめ様々な姿を披露して笑いを誘い、「慎吾ママ」など老若男女を虜にした名物キャラクターも誕生させた。一方で、10代のころから『沙粧妙子 – 最後の事件 -』(フジテレビ系)で猟奇的な殺人犯、『未成年』(TBS系)では知的障がいを持つ青年、『ドク』(フジテレビ系)でベトナム人青年を、繊細に演じた実力も。

 また、SMAPのコンサート演出を長年手がけ、裏方としての活躍ぶりも知られている香取。ステージに立てば歌って踊るスーパースター、仕掛ける側としても敏腕な演出家。そんなエンターテインメントの全方位的才能を持ち合わせている彼が、満を持して歌手・香取慎吾をプロデュースするということ。『20200101』の細部に渡るまでのこだわりっぷりを見るに、どんなステージになるのかワクワクせずにはいられないのだ。

 ご存知の通り、2017年に香取は「ゼロからのスタート」と稲垣吾郎、草なぎ剛と共に新しい地図を広げる。そこでも彼の順応性の高さと発展させていく行動力に私たちは驚かされた。それまで全く進出していなかったSNSを、あっという間に使いこなし、ファンと交流を重ねていく。前例のない挑戦を「新しいおもちゃや遊び場」と言うように楽しんでしまうのは、きっと幼いころからエンタメの世界で育ってきたからこそだろう。

 そして2018年には、それまでコツコツと描き続けてきた画家としての才能を一気に開花させていく。パリ・ルーブル美術館地下のカルーゼル・デュ・ルーブル内にあるシャルル5世ホールで初の個展を開催。さらに日本での初個展は、360度客席が回転するアートミュージアムという、実にチャレンジングな内容になった。足を運ぶたびに成長していくライブアート、展示された絵画がARアプリで動き出すなど、見る者にいつも発見と驚きもくれる個展だった。

 さらに、2019年には公式ブログ『空想ファンテジー』を開設し、今度はイラストとテキストとで独自の世界観を繰り広げる。自らのプライベートを発信するのではなく、フィクションの世界で私たちに癒やしを与えるという新しい試み。そして、2020年にスタートしたYouTubeチャンネルでは、アルバムに収録された1曲1曲に対するこだわりを、じっくり語ったコメンタリー動画も配信していくなど、毎度「その手があったか」という取り組みで、私たちを楽しませてくれるのだ。

 「アイデアが浮かばなくてどうしようってことはないんですよ。でも……」先日、雑誌『JUNON』(5月号、3月21日発売)に登場した香取は、絶賛準備中のソロコンサートについて語っている。「今まで自分が見たり聞いたりしてきたものがヒントになっている」という香取は、そのアイデアの引き出しが尽きることはないというが、「でも、ひとりがひとりじゃないかってめちゃくちゃ大きくて」と率直な思いを吐露していた。

 これまで、2人、3人、4人、5人と人数を活かして構成してきたからこそ、自分ひとりのコンサートを考えても、瞬間移動できる超能力者でなければできないような演出になってしまうのだそうだ。さらに、ソロアルバムに収録された12曲(およそ44分ほど)という限定された曲数に対して、さいたまスーパーアリーナという巨大なステージを埋める難しさにも直面しているという。

 だが、きっと彼ならそんな数々の課題をも楽しんで「その手があったか」という形に昇華して見せてくれるのではないだろうか。いつも私たちの想像のちょっぴり先を走り、楽しそうに披露する香取。そんな彼の進化を見届けるのは、実に刺激的だ。(佐藤結衣)