佐藤健主演×瀬々敬久監督で『護られなかった者たちへ』映画化 共演に阿部寛、清原果耶、林遣都
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中山七里の小説『護られなかった者たちへ』が佐藤健主演、瀬々敬久監督のタッグで映画化されることが発表された。
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原作は、2009年『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し48歳でデビュー、今年作家生活10周年を迎える中山の同名小説。東日本大震災から9年後、宮城県内の都市部で、全身を縛られたまま放置され餓死させられるという凄惨な連続殺人事件が発生する。捜査線上に浮かび上がった容疑者は利根という男。彼は、知人を助けるために放火、傷害事件を起こした後、刑期を終えて出所したばかりだった。宮城県警の刑事・笘篠は、殺された2人の被害者から一つの共通項を見つけ出し、利根を追い詰める。
主演を務めるのは、シリアスからアクションまで多種多様な役を演じ、常に挑戦を続ける佐藤。本作では、連続殺人事件の容疑者・利根泰久役を演じる。対する利根を追う刑事・笘篠誠一郎役には、『新参者』シリーズ、『テルマエ・ロマエ』シリーズの阿部寛が決定。2人の顔合わせは、2010年公開の『劇場版TRICK 霊能力者バトルロイヤル』以来となる。
さらに、清原果耶、倍賞美津子、吉岡秀隆、林遣都が共演に名を連ねた。
メガホンを取るのは、『64-ロクヨン-前編/後編』の瀬々監督。佐藤とは、『8年越しの花嫁 奇跡の実話』以来の再タッグとなる。脚本は『永遠の0』や『空飛ぶタイヤ』を手掛けた林民夫が担当する。
■コメント
●佐藤健(利根泰久役)
生活保護というシステムの裏に潜む人々の様々な思い、その中でも途方もないやるせなさ、悲しみ、どこへ向ければいいかわからぬ憤り、怒りをぶつけていくことがこの作品での自分の役割だと思っています。魅力的なキャストの皆様、そして再び瀬々監督とご一緒できることを大変嬉しく思います。
監督とは前回2ヶ月の岡山ロケを共にしましたが、今回の舞台は宮城です。またしばらく瀬々組の濃厚な映画の世界に浸ってきます。
●阿部寛(笘篠誠一郎役)
瀬々監督と数年ぶりにご一緒しますが、監督ならではの、リアリティと素朴な人間の感情が入り混じる現場に身をゆだねようと思います。不可解な連続殺人事件を追いかける刑事役となりますが、今までとは一味違う刑事像となる予感と期待があり、撮影現場に入る事が今から楽しみです。
今回の物語の舞台は宮城県を中心とした東北地方になりますが、東日本大震災のみならず、日本各地で発生している天災を風化させないためにも、物語を通して記憶と想いを繋げていければと思います。
●清原果耶(円山幹子役)
この度、円山幹子役で出演することになりました、清原果耶です。
脚本や現地で感じたものを
出来る限り沢山胸に抱き留めて
彼女を生きたいと思っています。
この映画が誰かの心を温め、
これからに繋がる灯火のようなものになれば幸いです。
撮影はまだ始まっていないのですが
監督、スタッフ・キャストの皆様と
全身全霊で臨めればと思います。
●吉岡秀隆(上崎岳大役)
今という時代だからこそ生まれるべき映画になればと思います。
『64-ロクヨン-』以来の瀬々組、緊張感を持ってワンカットワンカット大事に演じられればと思います。
●林遣都(蓮田智彦役)
東日本大震災から9年、今もなお、この脚本の中の登場人物たちのように長きにわたって
やりきれない叫びを抱え続けている人々が沢山いると思うと、自然災害とはどれだけ惨く恐ろしいものかを改めて痛感させられました。自分の役どころがこの映画の持つメッセージを受け取らなければならない対象にあると感じています。
自分の目で見て感じ、抱いた気持ちを大切に、撮影に臨んでいきたいと思います。
●瀬々敬久監督
今、立ち向かわないといけない問題は様々です。新型コロナウイルスへの対応だけでなく、多くの問題の中で僕たちは生きている。今回は中山七里さんの原作を得て、貧困問題や格差社会について考えながら映画を作っていくこととなりました。そこには一緒の仕事は二度目となる佐藤健さんがいます。しなやかな感性と身体で新しい場所へと映画を運んでくれると信じています。清原果耶さんは世界に立ち向かうヒロインとして、今を生きる我々の代弁者として、気持ちと覚悟をさらけ出してくれると思います。十年ぶりにご一緒する阿部寛さんとは本当に現場でお会いするのが楽しみです。未だゴールは見えていませんが、キャスト、スタッフ共にこの大変な状況の中で、映画を作る意味を考えながら粛々と突き詰めていきたいと思っています。それが僕らの仕事であり、生きていくことだと思っています。
●原作者・中山七里
以前、某映画監督と話をしていた時、こんなことを聞いた。
「実はエキセントリックな役というのは演じるのが割と簡単なんです。本当に難しいのは普通の人を演じることでしてね」
当初、出版社からのオーダーは「仙台を舞台にした物語を書け」という内容だった。仙台という場所からテーマはすぐに決まったが、難航したのはキャラクター設定だった。僕の小説には天才ピアニストやドーベルマンのような刑事や悪徳弁護士など特異な人物が登場することが多いが、この物語は市井の人々の絶望と喜びを描く必要があった。従って登場するキャラクターは全員普通の人であり、普通の生活をし、普通に泣き、普通に憤る。
今回『護られなかった者たちへ』映画化に際して、佐藤健さんや阿部寛さんといった演技派・実力派と称される方々がずらり揃い踏みしたと聞き、原作者として幸せを噛み締めているところである。
(リアルサウンド編集部)