桜木紫乃の直木賞受賞作『ホテルローヤル』映画化、監督は『全裸監督』の武正晴
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©桜木紫乃/集英社 ©2020映画「ホテルローヤル」製作委員会
桜木紫乃の小説『ホテルローヤル』の実写映画化が発表。今冬に東京・TOHOシネマズ 日比谷ほか全国で公開される。
2013年に『第149回直木三十五賞』を受賞し、累計発行部数85万部を突破した『ホテルローヤル』。映画版では、ホテルの経営者家族の1人娘・雅代を主軸に、閉塞感のある日常を離れて「ホテルローヤル」の扉を開く男性と女性、問題を抱える経営者家族や従業員らの人生模様が描かれる。
監督を務めるのは、映画『百円の恋』『嘘八百 京町ロワイヤル』、Netflixオリジナルシリーズ『全裸監督』などの武正晴。脚本をNHK朝の連続テレビ小説『エール』の清水友佳子が手掛ける。
出演者やそのほかの詳細は後日発表。
武正晴のコメント
桜木紫乃さんの名作を映画化できるとお話しをいただき5年。ようやく映画が完成でき、ホッとしている。原作を読んで「ホテルローヤル」というホテルそのものを主人公にできないかと妄想した。どうしても釧路で撮らなくてはと考えた。釧路という土地が我々撮影隊に力を与えてくれた。桜木さんが我々のシナリオに自由を与えてくれた。この原作に惚れ込んだ素晴らしいキャストとスタッフが集結して挑んでくれた。僕の敬愛する啄木が、さいはてと呼んだ土地での仕事を僕は一生忘れないだろう。釧路、札幌、北海道の土地のおかげで、唯一無二の映画が創れたと自画自賛している。
桜木紫乃のコメント
あの日あの場所にいたかもしれない人を、小説というかたちで裸にしたと傲慢にも信じていたので、映像化のお話をいただいたときは「遠慮なく好きに作ってくださいね」などと言っていた。
しかし新たな姿で目の前に現れた「ホテルローヤル」は、あの日あの場所にいたかもしれない経営者やホテルに集う「家族」の物語となっていた。
正直に言うと映画という表現に書き手の内面を素っ裸にされたような気持ちになった。
脱がせたつもりが脱がされていた――エンドロールで泣いてしまうという失態。悔しかった。