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ACE COLLECTIONが語る、YouTubeで得た力と曲作りの軸 「客観視しながら高いハードルに向かっている」

音楽

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リアルサウンド

 YouTubeにアップしたエド・シーランのトラックにさまざまな名曲を乗せたマッシュアップカバー動画が話題を呼び、一躍注目を集めた4人組ロックバンド・ACE COLLECTION。彼らがいよいよメジャーデビューを果たす。「愛」というテーマのもと、アッパーなロックチューンから王道バラードまで幅広い楽曲が束ねられた本作は、このバンドのこれからの可能性を予感させるに充分だ。

 YouTubeでのバズからいきなり1000人規模の初ワンマン、そしてメジャーデビュー。要点だけ抜き出すといかにも令和のサクセスストーリーだが、その裏には冷静で真面目なバンドの意志と姿勢があった。4人に改めて、ここまでの歩みを振り返ってもらった。(小川智宏)【最終ページに読者プレゼントあり】

YouTubeをやっていた時期が力になっている(たつや◎) 

ーー結成して2年少しですが、その期間を振り返ってどう感じますか?

たつや◎:波乱万丈ですね。すごくいろんなことがあったなって思います。台風で家がなくなっちゃったりだとか、決心してYouTubeに踏み込んでみたりとか、初ライブを1000人キャパで成功させたりとか、節目となるポイントが多かったなっていう。記憶にたくさん残ってる2年ですね。

ーー台風で家がなくなったんですか?

たつや◎:そうなんですよ。そんなバンドいるかって感じですよね(笑)。(※2019年台風19号により床上浸水)

ーーすごいなあ。今の話にもありましたけど、ACE COLLECTIONはまずYouTubeの動画で火がついて。最初のエド・シーランのマッシュアップ動画がバズったときはどう感じました?

LIKI:最初はTwitterで誰かがその動画を引用してつぶやいて、そこから火が着いたんですよね。全然気づかなくて、数字がバグちゃったのかなって思いました(笑)。「バグってない?」ってメンバーで数字見せ合って。びっくりしました。

RIKU:「これは絶対いけるわ」っていうよりは、なんか新しくて面白そうだっていうので考えてやったので。あのタイミングでああやってバズるとは思ってなかったですね。

たつや◎:でも、YouTubeでやるっていうところは完全に意識的に選んで始めました。自分たち、ACE COLLECTIONの前はそれぞれが別のバンドをやってたんですけど、そこで集客の面で各々すごく悩んでいて。それで新たにバンドをやるって時に、全部フラットに見てどれが一番自分たちがやるべきことなのかを考えて。今はYouTubeだろってみんなで決めました。

ーーそれぞれバンド経験があるだけに、逆に迷いもあったんじゃないですか?バンドのセオリーとは違う方法論だし。

たつや◎:だから決断するまではすごく話し合いましたね。ロックバンドとしての活動だったので、当時はやっぱ、ネット発というところになんとなく偏見があったりしたので。でも「俺たちはステージに戻ってきたら絶対かっこよくなれるから」って、自分たちを信じ合って「よし、やろう」って。

ーーでも、毎日ライブをするよりも毎日動画を作るほうがきっと大変ですよね。

RIKU:大変だったね……。

たつや◎:4人とも根っからのライブ好きなんですよ。だから毎日動画と毎日ライブ、どっちをやりたいかって言ったらそれは当然ライブなわけで。でもそれを完全に我慢して、僕がマッシュアップを作ってLIKIがミックスしてRIKUと奏くんが動画編集して、って役割を割り振ってずっとやっていて。すごくフラストレーションが溜まっていたし、堪えながら毎日投稿するっていう……すごくギスギスしていた時期もありましたね。

RIKU:発散する場所がないんですよ。ライブがしたくてもできないし、音源も作れないし。

ーーでも、いろいろな曲をカバーしていくことがバンドの筋肉になっていったところは絶対ありますよね。

たつや◎:ありますね。楽曲を作っていく中でも、絶対あのYouTubeをやっていた時期がすごい力になっていると思います。僕は、その時期にメンバーが好きな楽曲に影響を受けたところもたくさんあるし。僕たち、バックボーンが4人バラバラなんですよ。だからそれぞれに刺激を受けて、4人が4人とも新しい音楽を知るきっかけになったと思う。

ーー印象に残っている動画というと?

LIKI:全部印象的ですけど、個人的にはディズニーのマッシュアップかな。撮影も衣装をクリスマス仕様にしたりとか、そういうのもあって印象に残ってますね。

奏:僕はWANIMAさんの「ともに」ですね。この曲がきっかけで家を追い出されたんです。たつや◎の歌がうるさすぎるって。そういう意味でも印象的です。

ーーさっきから家エピソードがヤバいですね(笑)。

奏:いいほうでは何だろう……ONE OK ROCKさんの「CHANGE」かな。まだリリースされて間もない時で、フルのMVもYouTubeにはない段階で、速攻でコピーして公開したらハマって。タイミングも曲調も全部がかみ合ってハネたのを覚えてる。

RIKU:僕もディズニーマッシュアップですね。作る時は基本たつや◎が弾き語りで作って、そこにドラムでいったん肉付けしてっていう感じでやってたんですけど、後半の『美女と野獣』の曲で一気にテンポチェンジしたり、「あ、こう来るんだ」って思ったのをすごく覚えています。でも出来上がってみたらスムーズに聴けるし、面白いなと思って。

ーーたつや◎さんはどうですか?

たつや◎:僕はL’Arc~en~Cielさんの「HONEY」かもしれないです。僕はそこまで沢山ラルクを聴いてこなかったんですけど、RIKUとLIKIが「やらない?」って確か言ったんです。それでカバーをきっかけに聴くようになったら、いい曲ばかりで。そこから自分の作る曲にも新たな色が加わった感じがするというか、自分の大きな引き出しの1個になった。そういう意味で分岐点になった曲ですね。

ーー面白い。単に好きな曲をやろうっていうんじゃなくて、ライブに集客する、そのために動画を作る、っていう逆算で考えるから、もともと自分になかったものにもどんどん挑戦していくっていうことになるんですね。

たつや◎:そうですね。だからもうムチャなんですよ、ほぼ(笑)。僕からしたらムチャを歌い続けるみたいな。だから全然合わないのもあれば、「合うじゃん、これ」っていうのもあって。THE RAMPAGE from EXILE TRIBEさんの「Dirty Disco」はすごく合うなって思ったし、RIKUのドラムもハマるなって思った。そういう新しい発見は多かったですね。

ーーそうやって自分がアップデートされていくというか。

たつや◎:アップデートだらけだったと思いますよ、みんな。できないことだらけに挑戦しまくった動画たちだから。じゃあ次はこの曲来た、また新しい挑戦だ、よし頑張ろう! みたいな感じだったと思います。

ーー普通はなかなかそんなに挑戦し続けられないですよ。

たつや◎:でも、YouTubeをやった理由も、1000人キャパで初ライブを成功させようっていうことだったので。それは普通じゃ叶わないぐらいの大きい挑戦だったし、だからこそ全力で何か大きな成功を残してからライブに戻らないとダメだって思っていました。毎日投稿してライブも我慢して……そこまで極端なことをしたから、実現できたんだなって思います。

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たつや◎
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ーーそうして実現したマイナビBLITZ赤坂での初ワンマンライブ。その模様のBlu-rayも今回のアルバムの初回生産限定盤に付いていますが、どうでしたか?

RIKU:自分たちとしては「日本で一番いいライブをした」と思いましたね、あの日(笑)。

たつや◎:間違いない(笑)。

RIKU:もちろん完成度的なところで出来上がっていないところはあるけど、いくら演奏がよくてもいいライブにならない場合もあるじゃないですか。でもあの日はいろんな人たちからよかったって言ってもらえたし、僕たち自身もよかったと思えたし。1年溜まっていたぶんーー。

奏:今日ぐらいいいだろう、思い切りやっちゃおうっていう心境でしたね。

ーーそこからライブを重ねてきて、今はどんな感じ?

奏:2回目のライブが大阪のメトロック(『METROPOLITAN ROCK FESTIVAL』)で。その時はあんまりいいライブができなくて。それで速攻でヘコんで「ああすればよかった」って反省している感じが「ああ、ACE COLLECTIONだなあ」って思いました(笑)。

たつや◎:根は真面目っていう(笑)。

ーー逆にいえば1回目はいろいろな意味でブーストがかかっていたっていう。

たつや◎:うん、みんなスーパーサイヤ人だったもんね(笑)。

RIKU:でも2回目からはシビアに現実を見て戦っている感じですね。YouTubeでやってきたことが直接ライブにプラスの影響を与えているかというと、僕はそうは感じていないんです。むしろ、1年間ライブをやらずにやってきて、急にステージが上がって。そこに追いつく実力がまだないし、それをつけて、他のバンドに追いつかなきゃいけないっていう。そのプレッシャーがあって、頑張らなきゃっていう方が大きいですね。

ACE COLLECTIONらしさを追求するようなアルバムにできた(LIKI) 

ーーそうやってライブも経験するなかで新しいアルバムが作られたわけですけど。今回はどんな作品を目指していたんですか?

たつや◎:コンセプトは決めず、自分の経験とか境遇をもとにたくさん曲を書いている中で、自分が書いている曲って、恋愛だけじゃなくて、曲ごとにいろんな色の愛がコーティングされている感じの曲が多いなって思ったんですよね。それで今回のアルバムタイトルは『L.O.V.E.』でいこうって。

ーーなんで「愛」にまつわる曲が多くなったんだろう。

たつや◎:大恋愛じゃないけど、自分的にそういうことを経験したっていうのもあって、そのことを書いた曲が入ってるんです。たぶんその出来事はひとつ大きいですね。この時期の自分はいろいろな意味で愛に困り、愛に溢れてたなっていう。

ーー今回、愛というテーマは貫かれつつも、ロックからダンスチューン、バラードまで曲ごとの振り幅がすごくて。これだけ幅の広い曲をやるってなると、レコーディングも苦労したんじゃないですか?

奏:そうですね。ベースの演奏っていう部分でも、今までやってきたこととは違う、こんなベースラインを将来自分が弾くとは思ってなかったぐらいの感じだったので、苦労しました。でも、しんどかったけど、これが完成したことを起点に、こういうフレーズがACE COLLECTIONの「らしさ」として残るんじゃないかなっていう想像ができたので。自分がACE COLLECTIONのベーシストとしてどうあるべきかっていうのを見つけられた作品かなって思います。

RIKU:「WaVe」って曲とか、柴崎浩(WANDS)さんにアレンジしてもらったんですけど、最初明らかに打ち込みの状態で届いて。そのドラムが細かすぎて何をやってるのか分からなかったんですよね。それで1回最初から最後まで譜面に書いてそれを見ながらやったりとか。そうやって、普通のロックバンドじゃやらないようなことまでできたので、自信っていうか、「叩けるもんなら叩いてみ」みたいな感じで叩けたと思います。前作とは全然違う意識で作れたかな。

ーーLIKIさんはどうですか?

LIKI:前回のアルバムの時は、YouTubeで自分のプレースタイルをどんどん更新して、自分にないものを取り込んでいろいろなパターンを作っていたので、途中で分からなくなっちゃったんですよ。自分が何が好きなのかとか、ACE COLLECTIONには何が合うんだっけとか。でもライブをやって、それを映像で見るじゃないですか。そこで客観的にACE COLLECTIONを見ることができて、そこからの今回の制作だったので、自分たちに似合うのはこういう感じだというのがちょっと分かって、ACE COLLECTIONらしさを追求するようなアルバムにできたかなって思います。たつや◎の哀愁ある感じの古き良きメロディに、それぞれがもともと好きだったプレースタイルが混ざって……全員の化学反応で作れたかなと思います。

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たつや◎
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ーー歌の部分では今回どういうことを考えていました?

たつや◎:今回は、哀愁がちょっと漂うような、抑揚が付いたドラマチックなメロディっていうのを意識しました。でもそういう古き良きメロディをそのまま歌うと、古くなっちゃんですよ。だからそこにR&Bの要素を入れたり、リズムの取り方とか語尾の抜き方を変えたり、音の最初の立ち上がりをあえて遅くしたり早くしたり、そういうところを調節して今の子達が聞いても「かっこいいじゃん」ってなるように考えてましたね。

ーーちょっと話は逸れるけど、たつや◎さんの歌は、なんていうのか、リズムで歌う感じが珍しいですよね。

たつや◎:僕は小さい頃から元々ドラマーになりたかったんですよ。ビートボックスも好きだったりするし。あと中学校ぐらいの頃は高い声のシャウトとかにも憧れてたんですけど、そういう声は出なかったんですよ。それでどうやって他と差をつけようかってなった時に、グルーヴ感とリズムでいかに気持ちよく乗らせるかでしょって思ったんですね。だからずっとそこは意識してきました。自分の中で「音楽はリズムでしょ」っていうのは、核となっている部分があるかもしれないですね。

ーーそうですよね。今作の曲がバラエティ豊かなのにまとまって聞こえるのは、その歌の個性がはっきりとあるからだとも思います。

たつや◎:『HELLO WORLD』は4人の好きなところとか個性が重なってできていた感じだけど、『L.O.V.E.』はどちらかというと僕の歌にフォーカスが当たっているアルバムなのかなっていう気はするんです。

ーーああ、そうかもしれないです。

たつや◎:それがひとつの軸となった感じがする。だからこれからも、その軸を保ちつついろんなジャンルに挑戦していけば、今回みたいに自分達のやりたい楽曲とかをやりながら、まとまりのあるものを作れるのかなって思っています。

ーーちなみに、今作には「70億にただ1つの奇跡」という、超王道バラードも入っていますけど、たつや◎さんとしてはアッパーチューンとバラード、どっちが得意だと思っていますか?

たつや◎:アッパーですかね。バラードは、いいバラードしか出したくないんです。アッパーな曲はカッコいいメロでキャッチーでありさえすれば、あとはメンバーに「かっこいいの頼むわ」っていう感じで投げてしまえるんですけど、バラードは軸がほぼ自分というか、自分で決まるじゃないですか。だから気が張りますね。曲作りって自分のハードル次第じゃないですか。バラードに対しては自分のハードルがめちゃめちゃ高いので、なかなか納得ができないんですよね。常に自分で客観視しながら超高いハードルに向かってます。

ーーここまでとことん王道を追求するというのも、その表れなのかな。

たつや◎:うん、なかなかバンドでやらないですよね。

RIKU:今後、何年も大事にしていく曲だと思います。

【リアルサウンド ONE of Recommend】ACE COLLECTION たつや◎がレコメンド! 

ACE COLLECTION たつや◎がレコメンド!【リアルサウンド ONE of Recommend】

■リリース情報
『L.O.V.E.』
発売:2020年4月8日(水)

初回生産限定盤 【CD+Blu-ray】 ¥5,000(税抜)

<CD>全8曲
1. 拝啓、君は…
2. WaVe
3. ワインレッドのラビリンス
4. 二人フタ色
5. Treasure
6. リアピックアップ
7. 約束のしおり
8. 70億にただ1つの奇跡

<Blu-ray>
「FIRST ONE-MAN SHOW “HELLO,WORLD”」2019.4.29@マイナビBLITZ赤坂全曲収録
December 9 / LIFEメーカー / 鬱憤 / シェルレイ / 君と花したい / OH MY GOD!! / LOVE YOU / BLACK HOLE / Butterfly / FIRE / BLUE / ROCK STAR / 拝啓、君は… / Lady / シンデレラ (Enc) / December 9 (Double Enc)
※収録はオリジナル楽曲のみでカバー音源は収録なし。

<歌詞ページ>12P
※透明サーモグラフ・スリーブケース付 デカジャケ(7inch)特別仕様
※プレイパスⓇ対応(有効期限:2021年4月30日)

通常盤 【CD Only】 ¥2,000(税抜)

<CD>全8曲
1. 拝啓、君は…
2. WaVe
3. ワインレッドのラビリンス
4. 二人フタ色
5. Treasure
6. リアピックアップ
7. 約束のしおり
8. 70億にただ1つの奇跡
※プレイパスⓇ対応(有効期限:2021年4月30日)

■ツアー情報
『ACE COLLECTION ZEPP TOUR 2020 “L.O.V.E.”』
4月19日(日)KT Zepp Yokohama
4月25日(土)Zepp Fukuoka
5月4日(月)Zepp Osaka Bayside
5月6日(水)Zepp Nagoya
5月15日(金)Zepp Tokyo

オフィシャルサイト

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<応募締切>
2020年4月19日(日)