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『エール』仲里依紗の小芝居に注目 恵の素性は回を重ねるごとに明らかに?

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 曲をいくつ作っても、大衆に求められる音楽とかけ離れていき、なかなか認められない古山裕一(窪田正孝)は、家に帰るのが遅くなり部屋も荒らしていた。今までにないほどに追い込まれている。そんな裕一の姿に、音(二階堂ふみ)も心配していた。

【写真】恵を演じる仲里依紗

 『エール』(NHK総合)第38回では、厳しい状況に拍車がかかる古山家と裕一の曲を待ち望みながら焦りを隠せない早稲田大学応援部が描かれる。帰りが遅くなった裕一は、自らの才能を披露するために作曲した渾身の曲である「反逆の詩」を、小山田耕三(志村けん)に見せるが、それすらも認められることなく憔悴していた。音が勝手に裕一の部屋に入っていても、もう怒る元気はそこにはない。

 その頃、喫茶・バンブーには早稲田大学応援部の一員が、裕一の作る曲を待っていた。ミルクセーキを作ってもらい、テンションが上がる応援部は、裕一が36曲全て没になっていることを知り、裕一に任せていることに疑問を呈す。

 そこに慶應義塾大学応援団長の御園生新之助(橋本淳)がやってきて、場は一触即発となり、言い争いに発展していった。後がない早稲田大学応援部は、古山家に駆け寄って裕一に曲の進捗を聞くも、裕一は全く曲ができていないだけでなく、応援団に「応援歌って勝ち負けに関係ありますか。早稲田が負けるのは、ただ弱いからです」と心無い言葉を投げかけた。その言葉に今まで応援を先導してきた団長・田中(三浦貴大)が、自分たちの存在意義に思い悩まされることになった。

 第38回では、「ミルクセーキ」と恵を演じる仲里依紗の小芝居に注目が集まり、SNSでもトレンド入りを果たした。恵はこれまでの放送でも、夫である保(野間口徹)をも置いてけぼりになるくらいに自分の世界に入り、真偽不明の過去を語ってきた。それにより「幼なじみと同じ男を取り合い、それがきっかけでその男と別れたこと」や「昔の彼氏が網走刑務所の囚人で、みそ饅頭を届けに行ったこと」などが明かされてきた。

 今回は「オックスフォード大学出身であり、正義を語る馬鹿が現れてその人に負けたこと」が語られる。それに対してSNSでは「自分の世界に入っていく一連の演技が仲里依紗の十八番」などの盛り上がりを見せた。

 それでも物語に関しては、自らの音楽が認められずに、つい他人を慮ることなく心無い発言をしてしまう裕一や応援の存在意義に思い悩んでしまう応援団長と、ついには古山家から出て実家に帰ってしまう音。問題は広がっていくばかりだ。

 ここへ来て、裕一が主観で物事を考え、自分を曲げずに行動してしまうことで、相手を傷つけ溝を深めてしまっている。なかなか好転していかないこの状況を、裕一や応援団員たちはどのように変えようと奮闘していくのか。ピンチは自らを変えて成長していくことができるチャンスとも捉えることができるだろう。

(岡田拓朗)