斎藤嘉樹や一ノ瀬ワタルなど 『エール』三浦貴大率いる熱血応援団メンバーに注目!
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曲作りに苦悩するも、早稲田大学応援団の応援歌を書き上げ、音楽に再び向き合う活力を得た裕一(窪田正孝)は久しぶりに鉄男(中村蒼)と会い、さらにその場に東京で再会した久志(山崎育三郎)も呼び出す。木枯(野田洋次郎)に対して「今できること」をやってみると言って飛び出した裕一には考えがあるようだ。『エール』(NHK総合)第8週は「紺碧の空」、裕一が書き上げた早稲田の応援歌のタイトルをなぞっている。
裕一の曲作りに対する苦しみ、音(二階堂ふみ)の家出など波乱万丈であった今週の古山家に“エール”を送り続けたのは、なんと言っても早稲田大学応援団の面々だろう。ある日突然、裕一の家にゾロゾロと入ってきたかと思うと、作曲を依頼。度々集まっては曲の完成にやきもきしたり、慶應の応援団長・御園生新之助(橋本淳)と一触即発のピリピリムードを見せたかと思えば喫茶・バンブーのミルクセーキを美味しそうに飲んだりと、印象的な姿を見せてきた。
5月20日には新型コロナウイルスの影響で「第102回全国高等学校野球選手権大会」を中止するという苦渋の決断が発表されたばかりだが、応援団長の田中(三浦貴大)の過去のエピソードは現代の高校球児たちの悔しさにリンクするものとなった。そんな時流もあり、本作の応援団による「紺碧の空」の力強い歌声と全力のエールは、裕一だけでなく日本中の人々の心に響き渡ったことだろう。今回は、今週大活躍した応援団のメンバーについて紹介したい。
・応援団長・田中隆(三浦貴大)
慶應大学応援団の応援歌に「若き血」が使われてから、早慶戦で早稲田は11連敗。当時応援歌は試合の勝敗を左右するほどの大きな力を持っていた。そんな早稲田の応援団を率いるのがこの男、田中隆である。裕一が曲作りのスランプに陥る中、田中は自身が“応援”をしようと思ったきっかけになる出来事を吐露する。在学中最後の応援となる今回の試合にかける胸中を漏らすシーンには、思わず目頭が熱くなる。いつも一生懸命でまっすぐな田中は熱い九州男児で、博多弁が特徴だ。そんなひたむきさが魅力の田中を演じるのは三浦貴大。現在36歳でありながら現役の大学生役を熱演する。さらに、かなり体力を要する応援団の団長という役を力強い“振り付け”で表現し、パワーと熱い魂のある田中という役を全うした。父は三浦友和、母は山口百恵と芸能一家の三浦だが、この先には公開待機作も多数控えており、本作での活躍をバネにこれからさらに羽ばたいていくことだろう。
・佐藤幸太郎(斎藤嘉樹)
久志(山崎育三郎)の従兄弟。久志を通して良い作曲家を紹介してもらおうと、応援団員と共に音楽学校を訪ね、裕一を紹介してもらう。裕一が「紺碧の空」を引き受けてからは「言い出しっぺ」として裕一の見張り役を務め、カフェーバンブーで裕一が曲を書き上げるのを何日も待機していた。しかし、「先生が頑張ってるときに、何か口に入れるなんて失礼だ」と梶取夫妻の好意の差し入れを断ったため、カフェーバンブーの恵(仲里依紗)から「お店にきて、何も注文しないで何日も居座る方が失礼だと思うけど」と煙たがられてしまう一幕も。映画『ひゃくはち』(2008年)では『エール』で鉄男を演じる中村蒼と共演していた過去がある。
・小熊(一ノ瀬ワタル)
応援団の中でもひときわ体格が良く目を引くため、テレビを観ていて一番気になった視聴者も多いのではないだろうか。五輪頭で立ち位置は団長の右後ろが多く、いつもニコニコと可愛らしい表情を見せる。カフェーバンブーでは団長差し入れのミルクセーキをちゃっかりお代わりし、グラスにガポガポ注いでいたお茶目な姿も。田中をリスペクトしており、慶應義塾大学応援団長の御園(橋本淳)と田中が口論になると御園に真っ先にかかっていくも一瞬で負ける。意外にもケンカは強くないようであった。小熊を演じた一ノ瀬は、過去に格闘技を経験しておりプロのキックボクサー。そんなパワフルな肉体とキリッとした顔つきで強面俳優として不良や暴力団員を演じたことも。『獣になれない私たち』(日本テレビ系)では岡持三郎役を演じ、劇中で預かっていたうさぎの「たっちん」を実際に引き取り一緒に暮らすこととなる。SNSではたっちんの誕生日をお祝いする様子をアップするなど、今でも大切に可愛がっている。
・村田(菅原健)
髭の応援団員。立ち位置は団長の左後ろが多い。裕一に作曲を任せることを心配して団長に進言するなど、応援団を想う気持ちは人一倍。村田を演じる菅原は過去に『ギャングース』(2018年)や『チア男子!!』(2019年)に出演していた。
・寺門(大門崇)
眼鏡の応援団員。力勝負の応援団には珍しいメガネキャラ。知的な印象の通り、いろいろなことに詳しく、何故か慶應応援団長の名前や留学していた過去まで知っている。寺門を演じる大門は過去に『デザイナー渋井直人の休日』(テレビ東京系)や『コンフィデンスマンJP』(フジテレビ系)に出演していた。
今週は裕一も、そして視聴者も、彼らの“エール”で勇気付けられた人が多かったのではないだろうか。まっすぐな思いと熱いエネルギーは、裕一の創作に関わる考え方にさえ影響を与えた。今後もこの熱い男たちの活躍に期待したい。
(Nana Numoto)