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DISH//「猫 ~THE FIRST TAKE ver.~」バイラルチャート上昇中 表現者として成長し続ける北村匠海の歌声

音楽

ニュース

リアルサウンド

参考:https://spotifycharts.com/viral/jp/weekly/latest

 Spotifyの「バイラルトップ50(日本)」は、最もストリーミング再生された曲をランク付けした「Spotify Top 50チャート」とは異なり、純粋にファンが聴いて共感共有した音楽のデータを示す指標を元に作られたプレイリスト。同チャートを1週間分集計した数値の今週分(5月28日公開:5月21日~5月27日集計分)のTOP10は以下の通り。

1位:yama「春を告げる」
2位:瑛人「香水」
3位:YOASOBI「夜に駆ける」
4位:優里「かくれんぼ」
5位:DISH//「猫 ~THE FIRST TAKE ver.~」
6位:Meland×Hauken「Chernobyl 2017」
7位:神はサイコロを振らない「夜永唄」
8位:ブライアン・イーノ「1/1 Remastered 2004」
9位:Shuta Sueyoshi「HACK」
10位:レイ・パーカー Jr.「Ghostbusters」

 順位変動はあったものの、yama、瑛人、YOASOBIが先週に続いてトップ3をキープし、不動の強さを見せている。8位のブライアン・イーノや10位のレイ・パーカー Jr.をはじめ、トップ50全体で洋楽が多数ランクインしているのは、5月24日に公開されて話題を呼んだ嵐のプレイリスト「Listening Together」の影響だろう。そんななか、今週は5位のDISH//「猫 ~THE FIRST TAKE ver.~」に注目したい。

(関連:DISH//「猫」に見る、“表現者”北村匠海の成長

 原曲となっている「猫」は、2017年にリリースされたDISH//のシングル『僕たちがやりました』収録のカップリング曲。作詞作曲を務めたのはあいみょんだ。ゆったりしたメロディ、美しいストリングスのアレンジ、語りかけるような北村匠海の歌声、後悔も切なさもユーモアも入り混じり合った歌詞など、印象に残る要素を多数含んだ名曲として、ファンの間で高い人気を誇っている。

 まず、オリジナルバージョンの「猫」が今年バイラルチャートを駆け上がったのは、3月20日の『THE FIRST TAKE』(アーティストの自宅やプライベートスタジオから、一発撮りによる楽曲を届けるYouTubeコンテンツ)出演直後で、4月9日公開分では33位にランクインしている。さらに、4月7日にはDISH//のOfficial YouTube Channelで「猫」を披露した昨年のライブ映像がアップされたことも相まって、バイラルチャートのランキングも急上昇。4月30日公開分では13位を記録し、5月中も30位圏内に残り続けている。

 そして今週見事5位にランクインしたのは、原曲と異なるアコースティックアレンジが新鮮な「猫 ~THE FIRST TAKE ver.~」だ。リリースされたのは『THE FIRST TAKE』の動画公開から1カ月後の4月29日。まさに3月から3カ月に渡って、途切れることない「猫」フィーバーが続いているわけだ。

 もともと人気の高いコンテンツであるとはいえ、『THE FIRST TAKE』はステイホーム期間中にますます大きな反響を呼んでいるように思う。オンライン上でしか人の動きを確認できない異様な生活の中で、一発録りの映像というのは、まるでライブを見ているかのような手に汗握る緊張感を思い出させてくれる。こちらも思わず背筋を正して見入ってしまうパフォーマンスが魅力的だ。

 歌う前、「楽しく歌えたらいいかな」と語りながらも、「震えてます(笑)」とコメントした北村匠海。しかし、ひとたび歌い始めると、DISH//にしか作り出せないライブ空間が一面に広がった。アコースティックだからこそ歌が際立ち、特にサビでのエモーショナルかつ透明感溢れる高音ボーカルがとても美しい。3年前と比べて、ボーカリストとしての鮮やかな成長を「猫 ~THE FIRST TAKE ver.~」1曲で十分に感じ取ることができる。俳優としての高い表現力と優れた歌声を合わせ持つからこそ、これほどまでに胸に響く歌を歌えるのだろう。それは上白石萌音などにも通ずる素晴らしさだが、北村匠海はまさしく“表現者”としてのボーカリストの最前線にいると言っていい。

 優しく温度感のある楽曲でステイホームに寄り添い続けたDISH//。「何気ない毎日をDISH//色に染められた」人も多いだろう。6月5日放送の『ミュージックステーション』では北村匠海が同曲をテレビ地上波初披露する。どんな歌唱を見せてくれるのか、楽しみでならない。(信太卓実)