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『アントマン&ワスプ』監督が解説! 他のマーベル映画にはない魅力とは?

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ペイトン・リード監督

マーベルの最新作『アントマン&ワスプ』が公開されている。本作はマーベル最小ヒーローのアントマンと、彼の新たな相棒ワスプの活躍を描いた作品で、前作に続いて監督を務めたペイトン・リードは「他のマーベル映画には描かれていない関係」を描くことに力を注いだと語る。

本作の主人公スコット・ラングは、ピム博士が開発した特殊なスーツを着ることで体長1.5センチになることができるヒーロー“アントマン”として活動中。3年ぶりのシリーズ最新作では、ピム博士の娘ホープが同じく特殊スーツを着て“ワスプ”としてアントマンと新コンビを結成する。

リード監督は、スポ根ドラマを現代的に描いたガールズムービー『チアーズ!』や、1950年代のコメディのテイストを巧みに盛り込んだ『恋は邪魔者』などで知られる才人で「軽快なトーンとコメディの要素を盛り込んで、観客が感情移入できるドラマをテンポよく描いていきたい」と語る人物だ。マーベル映画は重厚なドラマや、ファンタジー色の強いものなど様々なタッチの作品をリリースしているが、『アントマン』は監督の語る通り、コミカルな要素をたっぷりと盛り込んで、語りのリズムを重視して描かれた。「ですから、最新作ではそれらの要素をすべて拡大して描きたいと思いました」

そこでリード監督が新作で最も力を注いだのが、タイトルにもなっているアントマンとワスプのコンビネーションだ。ふたりはお互いに惹かれあっているが“恋人”と呼べる関係ではなく、軽口を叩き合ったり、イヤミを言い合ったりするが、お互いに助け合うパートナーだ。「この映画はラブコメではないのですが、1930~40年代のロマンティック・コメディの要素があるんですよ」と笑顔を見せるリード監督は、当時の作品を参考にふたりの関係を演出したという。

「往年のロマンティック・コメディ映画は、スコットとホープの関係を演出する上で参考にしました。ハワード・ホークス監督の『ヒズ・ガール・フライデー』に出てくるケーリー・グラントとロザリンド・ラッセル、ジョージ・キューカー監督の『フィラデルフィア物語』、フランク・キャプラ監督の『或る夜の出来事』のクラーク・ゲーブルとクローデット・コルベールも! ストーリー全体を構成する上で最も参考になったのは『ミッドナイト・ラン』です。あの映画は構成が面白くて、途中に様々な出来事が起こりはしますけど、要はロバート・デ・ニーロがチャールズ・グローディンを連れて、地点Aから地点Bに行くだけの話。映画のゴールがとてもシンプルなんです」

まるで漫才の“掛け合い”のようにセリフの応酬があり、キャラクターが目まぐるしくリアクションしていくのが、ロマンティック・コメディの魅力だが、本作ではそのメソッドをアクション・シーンにも活用している。「その通りです。まず大前提として、それぞれのキャラクターに基づいたアクションにしたいと思いました。何かが起こった瞬間ではなく、それに対して登場人物がどう“リアクション”するのかを大事にアクションを組んでいますし、スコットとホープの関係が変化していく中で、それぞれがどんな反応をするのかを重視しました。その上で、バスター・キートンのようなサイレント映画的な要素も盛り込みたかったので、ビジュアルだけで笑えるアクションがあるかも気を配りました」

リード監督がアクションやサスペンス的な要素が多いマーベル映画に、これらのテイストを盛り込んだのは「アントマンとワスプのような男女の関係は、他のマーベル映画では描かれていないから」だ。「ですから本作でふたりの関係を描けることは大きなチャンスでしたし、監督する上で最も重要なポイントでした。実は前作を手がけるまで私はマーベル映画に偏見を持っていて“ヒットしているけど、制作の現場はどうせ工場のようなところなんだろ?”と思っていました。でも実際に仕事をしてみると、マーベルはフィルムメイカーの個性をすごく尊重してくれるんですよ。私がマーベル映画にもたらすことができるのは、リズムのよい語りとコメディのトーン、そして観客が親密だと思えるドラマです。だから新作では前作以上に家族的で、みなさんに共感してもらえる作品を目指しました」

『アントマン&ワスプ』
公開中

(C)Marvel Studios 2018

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