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朝ドラ『エール』裕一が故郷・福島に凱旋 川俣銀行の同僚たちの“その後”も判明

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 『エール』(NHK総合)第52話では懐かしい人々との再会が描かれた。恩師の藤堂(森山直太朗)に招かれて郷里の福島に帰ってきた裕一(窪田正孝)と音(二階堂ふみ)は、校歌を作曲した小学校で歓待を受ける。

参考:森山直太朗、柴崎コウ、古川雄大 朝ドラ『エール』における師としての在り方

 家出同然で上京した裕一は、家族との対面に複雑な思いを抱いている。そんな裕一を三郎(唐沢寿明)は昔と変わらない笑顔で迎えた。裕一の結婚に反対していたまさ(菊池桃子)も初孫の華を抱いて目を細め、家族のわだかまりは解消したように見えた。

 一方で、裕一が家を飛び出したことは古山家や権藤家にも少なからず影響を与えていた。実家の呉服屋「喜多一」は半年前に店をたたんでおり、弟の浩二(佐久本宝)は役場勤めに。川俣銀行も人手に渡り、行員たちは信用組合で働いていた。それぞれが浮き沈みを経験したが、にもかかわらず裕一の成功を我がことのように喜ぶ福島の人々の温かさが胸に沁みた。

 川俣銀行の同僚たちの近況も判明。抜群のチ-ムワークで裕一の身辺をにぎわした落合支店長(相島一之)、鈴木(松尾諭)、松坂(望月歩)は信用組合に移籍。裕一をダンスホールに連れて行った鈴木は妻に逃げられてしまったが、昌子(堀内敬子)は4度目の結婚を成就した。昌子の結婚相手はなんと藤堂。第20話で裕一が会食をセッティングした際、昌子の押しの強さに藤堂は明らかに引いていたので、その後2人がどんな経過をたどったか気になるところだ。

 その他に番頭の大河原(菅原大吉)やハーモニカ倶楽部で一緒だった同級生の楠田(大津尋葵)も元気な顔を見せ、再会を喜び合ったが、心配な描写もあった。台所に立った三郎が突然、音の前で苦しそうに胸を押さえたのだ。また、家族で唯一姿を見せていない浩二のことも気にかかる。次男でありながら喜多一の看板を背負ってきた浩二は、裕一にどんな言葉をかけるだろうか? 娘も生まれ家庭の幸福を享受する裕一にとって、福島滞在は置いてきた家族と向き合う時間になりそうだ。

 悲喜こもごもの人生模様が描かれた第52話で、宴会の「船頭可愛いや」をかけるシーンは文句なしに良い場面だった。郷愁を誘うおおらかなメロディーは時間や心の距離を一瞬にして飛び越える。あらためて音楽の力を感じさせる回だった。

■石河コウヘイ
エンタメライター、「じっちゃんの名にかけて」。東京辺境で音楽やドラマについての文章を書いています。