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m-flo VERBALと☆Taku Takahashiが語る、chelmicoとのコラボ 今後の“loves”シリーズの展望も

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 m-floが、6月12日にchelmicoを迎えた“loves”シリーズの新曲「RUN AWAYS/m-flo♡chelmico」をリリースした。“loves”プロジェクトは今年3月に約12年ぶりに再始動したコラボ企画で、第1弾ではSik-K、eill、向井太一の3人がフィーチャーされ、今回が第2弾となる。2組のコラボレーションが実現した「RUN AWAYS」は、高速のドラムンベース調のトラックに、m-floのLISAとVERBAL、chelmicoのRachelとMamikoの4人がマイクリレーをするヒップホップチューンに仕上がっている。インタビューでは、VERBALと☆Taku Takahashiにchelmicoとのコラボに至った経緯や、途中から遠隔作業に切り替わっていった楽曲制作の話を聞き、変化に順応して音楽を作り上げてきたm-floのスタイルの根幹を改めて感じることができた。(編集部)

「自然体であればあるほど、コラボしている時にお互いを引き出しあえる」

ーー「RUN AWAYS/m-flo loves chelmico」は、前作「tell me tell me / m-flo♡Sik-K & eill & 向井太⼀」から続く新生“loves”シリーズ第2弾です。今作でchelmicoさんとのコラボレーションに至った経緯を教えてください。

☆Taku Takahashi:chelmicoさんは僕たちがもともと好きだったし、ライブやイベントでも一緒になるうちに仲良くなっていきました。VERBALとchelmicoの二人と飲みながら話したりもするし、僕はライブも観に行かせてもらったりもします。元から好きなアーティストだったので、今回lovesアーティストとして参加してほしいとお願いしました。

ーーchelmicoさんのアーティストとしての魅力はどんなところだと感じますか。

☆Taku Takahashi:表現がとても自由で、ライブが面白いです。MCや曲を披露している時の二人の掛け合いも好きです。楽曲も、“今”らしさもあっていい感じに力が抜けていて、二人とも等身大なところがすごく好きです。

ーーchelmicoさんは、いわゆるヒップホップシーンにどっぷり浸かっているラッパーではないし、本人たちもあまりシーンを意識していないところにユニークさがあるのかなと思います。

☆Taku Takahashi:いい意味で周りとかを気にしていないんですよね。僕もそこがすごく素敵だと思います。

ーー今回のm-floとchelmicoのコラボは、お互い相思相愛な感じがすごく出ている気がします。キャラクター性という意味でも、相性が良いと感じました。

VERBAL:Takuがさっき言ったみたいに、chelmicoはいい意味で肩の力が抜けていて、自然体ですよね。アーティストが自然体であればあるほど、コラボしている時にお互いを引き出しあえるので、chelmicoとのコラボではいいグルーブ感が生まれたと思います。僕たちの世代のヒップホップアーティストの方や先輩のラッパーたちは、“リアル不良”な人たちもたくさんいて、ゆるさもあるけれど、一方で悪さのイメージもついてきてしまうところがあると思うんです。だけど彼女たちはラッパーだからといって無理に不良のイメージを作ろうとはせず、むしろナチュラルな姿勢をアーティスト性にしている。だけど、Rachelさんとセッションしている時に感じたのは、サビのテーマや掛け合いの言葉の中に「今の日本の良くないところに物申したい」みたいな要素もあって、ラッパーらしいトンがった部分も感じさせます。考えていることが哲学的で、真面目で、いい意味で毒っ気があって魅力的だなと思います。

ーー「RUN AWAYS」はどういうテーマで作られたのでしょうか。

☆Taku Takahashi:VERBALとRachelとMamikoが3人で色々とリリックのイメージを固めていってくれたんだよね。

VERBAL:サビ部分の「BAIL!」は「逃げ出そう」「ここからエスケープしよう」という意味で、今のこの現状から明るく理想的な未来に駆け出そうとか、エスケープしていこうという意味を込めています。スタジオに入った時は、ワードの共有をしあったり、歌詞の方向性を相談して、自分たちのバースを仕上げて練っていきました。

ーー今回は、LISAさんがラップしているのもポイントですよね。

VERBAL:LISAが「書いて」と言うので、最初に自分のバースを書いて、そのあとLISAのバースも僕がリリックを書きました。LISAのバースに全力投球しすぎてしまって、正直いうと今回はLISAのバースが一番オイシイ感じがしています(笑)。逆に、自分の部分でそれが書けなかったのが悔しいぐらいなんですが、やっぱりLISAのキャラクターってすごくリリックやストーリーを書きやすいんですよね。はちゃめちゃなことを言ってもハマるし、正統派なことを言ってもハマるし。なので、彼女のキャラクターをこのテンポとビートで表現するには、と考えながら作りました。

ーー「RUN AWAYS」のトラックは、ドラムンベースが間に入っていたり、多彩なアプローチでブレイクビーツを現代風に再解釈している部分が面白いと思いました。

☆Taku Takahashi:実は、皆さんがこの曲を聞いてどう感じるのか謎だったんです。普段、僕がドラムンベースを作る時のルールがあるんですが、今回はそのルールも無視してビートを作っていて。ブレイクビーツを組み込んで、四つ打ちも入れてみたりして、自分の型にはまらずに作っていったので、皆さんにどんな印象を持ってもらえるのか楽しみでもありました。

ーーところどころ懐かしさも感じられるビートでしたが、ポイントはありますか。

☆Taku Takahashi:ドラムンベースの部分に感じる懐かしさは、もしかしたらビッグビートとか、90年代から2000年代にかけてのクラブミュージックに感じる懐かしさに近いのかもしれません。

ーーchelmicoのお二人からすると、新鮮なトラックだったのではと思います。どんな反応でしたか?

☆Taku Takahashi:LINEでみんなのグループを作っているんですが、トラックを送ったら、意外にみんなの反応が良かったんです。「おもしろーい、すぐ書ける」って言われて。本当は、曲調をアッパーにするかしっとり系にするか悩んだんです。僕が一番好きなchelmicoの曲が割としっとりしている曲だというのもあって。だけど、chelmicoと言えばやっぱりアッパーなのかな、と思っていたら最初のベースラインが頭にふと浮かんできて、そこからは一気に作ることができました。

 chelmicoはやっぱりキャラが印象深いと思うんですが、実は彼女たちってスキルもすごくて、うまいんですよね。今回の曲もすごくテクニカルで、フリーキングもするし、言葉選びもうまいし、そういうテクニックがあるんだけど自然体で楽しく歌うし。エンターテイナーなchelmicoを目の当たりにすることができて嬉しかったです。

「“loves”にしかできないことの一つは、音楽性の幅が広がること」

ーー歌入れや、制作についてはいかがでしたか。

VERBAL:始めはみんなで集まって制作していたんですが、緊急事態宣言が出てからは人数も極力減らして、レコーディングしていきました。まだ皆でスタジオに入れていた時、RachelさんとMamikoさんと僕で歌詞のこと話している時に、僕は大体スマホにためてるネタ帳を見ながら歌詞を書き始めるんですが、二人はパッとノートを取り出して、そのままペンをずっと動かしながらアイデアを書いていて。みんなが書けたなというところで「せーの」で歌詞を見せ合ったりしていましたね。途中からは遠隔作業になりましたが、最初のうちに一緒に制作できていたのは、方向性を定めるうえでもよかったですね。

ーー制作の途中で遠隔でのやり方に移行していったんですね。

☆Taku Takahashi:そうです。

ーー奇しくも“loves”シリーズは「つながり」がすごく重要なプロジェクトだと思います。コロナ禍の状況で、改めてその価値を見つめ直すこともあったのでは。

☆Taku Takahashi:制作しているときは必死だから、そこまで深くは考えられていませんでした(笑)。会えない状況の中で、どうコミュニケーションを取っていくのか、どう1曲を完成させればいいのかということに対して、きっとみんなが同じ気持ちだったから自然とスムーズに制作が進んだんだと思います。だけど、これはVERBALも同じように感じているかわからないけど、m-floってもともとリモートでの制作も多かったよね。

VERBAL:そうだね。ある意味、昔と変わらない感じだったよね。

☆Taku Takahashi:一つの場所に集まれなくなった時に、「それならそれでできるよね」という感じはあったよね。

VERBAL:たとえば、Takuがトラックを作っていて「どうしても聴いてもらいたい」と思った時に、LINEの電話を繋いでその場で色々と意見を交換したりもしていたし、前からオンラインのツールなんかは常に活用していましたね。

☆Taku Takahashi:もちろん同じ部屋で一緒に制作できるのが一番いいというのはいつも実感しますが、それができないならできないなりに方法を模索して、違う場所にいても頑張ろうと切り替えることはできます。

ーー“loves”シリーズは特に象徴的ですが、テクノロジーを活用してつながりを作っていくのは、もともとm-floの活動スタイルに合っていたわけですね。

☆Taku Takahashi:あと、今回がchelmicoとの制作で本当に良かったと思います。これまでにも“loves”作品はたくさんありますが、必ずしもすべての曲がスムーズに制作できたわけではないし、もし初めましての人だったら、ノリやバイブスを合わせて行くまでに時間をかけなければいけなかったかもしれない。chelmicoはもともとグルーブが合っていたのと、彼女たちの感覚がいいのと、1回目のセッションができたことが大きかったと思います。

ーー“loves”シリーズの展望を教えてください。

☆Taku Takahashi:m-floとして表現したい音楽や世界観はもちろんありますが、“loves”にしかできないことの一つは、音楽性の幅が広がることだと思います。再始動してからはまたその広がりを実感できているので、“loves”によって生まれる新たなm-floも楽しみにしていただきたいです。

VERBAL:初めて“loves”がスタートした時に、レーベルの垣根を越えたコラボレーションが実現したり、当時はあまり市民権を得られていなかった“フィーチャリング”というものを知ってもらえた実感もありましたし、音楽シーンでそれまで誰もしてこなかったことを色々と提案できた手応えもありました。今後は、音楽的に新しいことを提案するのももちろんですが、もっと立体的に、“loves”とはどういうことなのかを知ってもらうために、多角的にワクワクできる企画が提案できたらいいなと思います。

【6月19日21:00よりプレミア公開】RUN AWAYS / m-flo♡chelmico Music Video
m-flo♡chelmico「RUN AWAYS」

■リリース情報
デジタルシングル「RUN AWAYS」m-flo♡chelmico
配信中

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