ばってん少女隊が語る、<BATTEN Records>設立と新たな音楽活動 「私たちの言葉をしっかり聞いてほしい」
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スターダストプロモーションに所属し、九州を拠点に活動するばってん少女隊が、プライベートレーベル<BATTEN Records>を立ち上げ、新たな音楽活動をスタートする。ばってん少女隊は、グループ結成5周年目になる6月21日から、5週連続でデジタルシングルを配信。同日には『結成5周年!!!Specialオンラインライブ』を生配信する。そのほかにもレーベル立ち上げを機に、YouTubeやSNSでの発信、オンラインストア『BATTEN Store』のオープンなど、様々なコンテンツを生み出していく。
今回リアルサウンドでは、<BATTEN Records>設立の経緯から、配信シングルへの思い、今後の活動計画まで話を聞いた。(編集部)
メンバー同士でアイデアを出し合うのは楽しかった
ーー結成5周年を機に、ばってん少女隊はプライベートレーベル<BATTEN Records>を設立しました。
上田理子(以下、上田):私たちには九州を応援するために、積極的にいろんな活動をしていきたいという思いがあって、それをすべて自分たちでやれないかということで、このプライベートレーベルを立ち上げました。タイミング的にもこういう世の中になってしまって、ライブも思うようにできなくなってしまったので、YouTubeとかSNSを今まで以上に積極的に使って、自分たちからもっと発信することで、今まで私たちのことを知る機会がなかった方々にも知っていただけるための、基盤にしていきたいと考えています。
ーーなるほど。確かにここ最近はYouTubeにかなり力を入れていますよね。
星野蒼良(以下、星野):はい、めっちゃ頑張っています(笑)。
上田:企画にはメンバー発信のものも含まれていて、私たちが普段メンバー同士でしている遊びとかを届けられているのかなと思います。
ーーワードウルフだとか、あのへんはまさに?
上田:はい。ライブに行く途中の車の中でよくやってます(笑)。
ーー新しいキャッチフレーズを発表する動画もありましたよね。
星野:私は「小さな怪獣」というキャッチフレーズを使っていたんですけど、結成されて5年経ったらメンバーの中で一番身長が高くなってしまったので(笑)、「そろそろ変えたいね?」って話は前からみんなでしていて。それで、今回メンバー同士で考えて、あのキャッチフレーズが完成しました。
瀬田さくら(以下、瀬田):正直に言うと、最初のキャッチフレーズは大人の方から与えられた感じだったし、当時はお互いのこともまだよく理解できていなくて。
春乃きいな(以下、春乃):自分の強みも全然わかってなかったし。
希山愛(以下、希山):今ならお互いのことも説明できるので、メンバー同士でアイデアを出し合うのは楽しかったです。
上田:そう考えると、5年の積み重ねって本当に大きいですね。
ーー歌声に関しても、初期と比べると最近は大人になりましたものね。歌ってみたいことも、昔と比べて明確になってきたんでしょうか?
星野:はい。自分たちで歌える曲の幅も広がってきましたし。特に今回の新曲は今まで挑戦したことがないタイプばかりだったので、そこをより実感しました。
瀬田:昔は元気さでカバーする曲が多かったんですけど、今回みたいに5人ではハモッたりすることは初めてだったので、それは今回チャレンジできてすごくうれしかったです。
上田:例えば新曲の「でぃすたんす」だったら〈おうちの中から中継して〉というフレーズとか、以前よりも共感して歌えていると思いますしね。
「まず最初に、私たちの言葉をしっかり聞いてほしいな」
ーーばってん少女隊は6月21日の「ありがとーと」を筆頭に、新曲を5週連続で配信リリースします。この取材に際して「ありがとーと」「でぃすたんす」「Over」の3曲を聴かせていただきましたが、皆さんの歌から「言葉を伝えよう、思いを届けよう」という意識が以前よりもより強まっているんじゃないかと感じました。
上田:そうですね。今までは、まずライブに来てくださった方と直接コミュニケーションを取ることを意識していたんですけど、こういう今の世の中になってからは「まず最初に、私たちの言葉をしっかり聞いてほしいな」と考えるようになりました。なので、感情を込めやすくなったのかもしれません。
星野:それこそメジャーデビュー曲「おっしょい!」の頃だったら、曲についていくのに一生懸命すぎて、言葉を伝えるというところにまで気が回っていなかったかもしれませんし。
希山:特に今回はアルバム『BGM』から1年経っていたので、早く出したくてウズウズしていましたし(笑)。
春乃:「いつ出せるのかな?」という期待と不安が入り混じった感情だったしね。
ーー5人編成になって最初の新曲が「ありがとーと」。ばっしょー節全開の、王道スカロックナンバーに仕上がりました。
上田:曲調は今までのばっしょーらしさを残しつつ、歌詞には私たちの今の思いがたっぷり詰まった内容になったと思います。
希山:掛け合いもあるので、ちょっと会話しているような感じもあるし。
星野:ダイレクトに「感謝!」という曲ですよね。それはファンの方に対してというのはもちろんですけど、メンバーは今まで支えてくれたスタッフさん、私たちに関わってくれたすべての人に贈る感謝なのかな。
春乃:勢いもあるけど、ちゃんと言葉が伝わる曲だと思います。
ーーそこが5年の経験を経た、大きな成長なんですかね。レコーディングに関しても、以前と比べて向き合い方もだいぶ変わったんじゃないでしょうか?
瀬田:一番違うのは、ライブを想像して歌えるようになったことかな。ライブでお客さんに向けて歌っている姿をイメージしやすくなったので、どうやって歌を届けようか、伝えようかと考えられるようになったのは大きいと思います。
「私たち、こういう曲が歌えるようになったんだ!」
ーー王道の「ありがとーと」に対し、「でぃすたんす」と「Over」はリスナーをびっくりさせる楽曲ですよね。
上田:今までありそうでなかった曲調ですものね(笑)。
ーー特に「Over」は、皆さんの歌が軸になるスローナンバーですし。
希山:最初に聴いたときから、「あ、この曲好き!」って思いました。歌っていても聴いていてもあったかい気持ちになりますし、それこそ勢いだけじゃ表現できない曲なので、今後のライブでも大切な1曲になるんじゃないかな。
春乃:完成した音源を聴いたときも、本当にみんなの声が大人っぽすぎて、最初誰がどのパートを歌っているのかわからないぐらい成長を感じて。
星野:みんなでハモるところが多いし、中には5人が異なるメロディを歌って重ねるパートもあって、最初は「こんなこと、できるのかな?」って不安だったんです。でも、レコーディングを終えてしばらくして、みんなで一緒に歌ってみようという機会があったんですけど、そこで歌ったときに鳥肌が立って。「私たち、こういう曲が歌えるようになったんだ!」ってうれしくなりました。
上田:レコーディングは1人ずつ歌ったので、ライブで歌うときはほかのメンバーのパートに釣られないようにしないとね(笑)。
ーーこういう曲を歌えるようになったことで、歌に対する自信も確かなものになったんじゃないですか?
星野:最初は歌詞を読むことに必死で、歌に関しては全然カッコいいとは言えないものだったんですけど、この5年でライブをたくさん経験したことは自信につながったんじゃないかと思います。実際、ほかのメンバーの歌を聴くと「上手だなあ」と思いますし。
瀬田:うん、歌うことが楽しくなってきました。
ーー例えば相手のクセだとか、こういうところがいいなと具体的に挙げることはできますか?
上田:めっちゃいっぱいある!
春乃:蒼良の声はまっすぐ!
希山・瀬田:あー、わかる!
瀬田:透明感がすごくて、高い音がすごく綺麗。
春乃:自然にスッと入ってくる感じがいいよね。
上田:私は愛の声質がめっちゃ羨ましい。
春乃:優しい感じに包み込まれるような。
星野:さくらのソロはビブラートがかかってるんだよね。
希山:ああ、わかる!
瀬田:あんまり意識してなかった(笑)。
星野:そこに意識を向けてる感じではないんだろうなっていう、自然な感じが好き。
瀬田:ありがとう(笑)。
星野:で、理子は昔から声量がすごい。
希山:だから、気持ちがすごく伝わってくるんだよね。
上田:……こんなに褒められたことないから恥ずかしい!(笑)
瀬田:きいなの声はストレートに伝わってくるんだよね。
上田:こんなにお互いのこと褒め合うの初めてだよね(笑)。
ーー(笑)。でも、そういう皆さんのお話を踏まえて「Over」を聴くと、より深く楽しめるのかなと思うんです。
上田:ハモりのところは、それぞれの声質に合っているから、すごくキレイに聞こえるし。なので、完成した音源を聴くと安心するんです。
ーー「でぃすたんす」もファンキーで、めちゃめちゃカッコいい曲に仕上がりましたね。
上田:これも今までありそうでなかった曲調ですし、カッコよく歌えたら最高の1曲です。
希山:歌っていて楽しくなる曲ですね。
星野:最初の〈さんハイ! 振り向いて!〉のところから結構細かい歌割りになっているんですけど、そこから〈変顔ばい!〉っていうところまでの流れに私たちらしさが詰まっていて、すごく気に入っています。
私たちなりに距離を感じさせないライブができたら
ーーまだ聴けていない残り2曲も、「きっとすごいことになっているのかな?」と期待が膨らみます。
上田:どれもカッコいいんですよ。私たちもまだ完成したものを聴いていないので、ファンの方と同じようにワクワクしているところです。
瀬田:ちょうど5周年で、5週連続で新曲が聴けるって、いいですよね。
上田: 今まではライブで最初に披露して、そのあとに音源ということも多かったので、新しい音楽の届け方ができているのかなと思います。
春乃:今までとは逆で、まず音源からっていうね。だから、ライブでどうなるんだろうという楽しみもあるし。
希山:「振り付けとかどうなるのかな?」とかね。
瀬田:「早く皆さんと一緒に踊りたい!」っていう気持ちです。
星野:だから、「ライブのほうがもっといいね」と思ってもらえるように頑張らないといけないね。
上田:期待してもらって大丈夫なぐらいに完成度を上げて、最初のお披露目に臨みたいと思います。
星野:それこそ「音源で聴くのもいいけど、ライブのほうがより良いから、もっとライブに行きたいな」という気持ちになってもらいたいですね。
ーー結成5周年を迎える6月21日には、無観客ライブ配信を開催するそうですね。
上田:新曲も披露する予定で、画面越しで皆さんと離れていても楽しいライブを届けられるように準備中です。
ーー観客を前にしたライブとは違い、コール&レスポンスなど直接コミュニケーションが取りにくい難しさもあると思います。そこに対してはどのように考えていますか?
瀬田:ライブだと「皆さん、どうでしたか?」って聞くと……。
全員:「イエーイ!」
瀬田:……という感じなので(笑)。オンラインだとコメントで「ここがこう良かった」とか「あそこの振りがめっちゃいい」とか具体的に知れるのが楽しみです。
上田:そういうところも含めて、私たちなりに距離を感じさせないライブができたらいいなと考えています。
九州の人たちみんなが私たちのことを知っているくらいになりたい
ーーそのほかにも、結成5周年を機に計画していることはあるんでしょうか?
上田:はい。5カ月連続で、メンバープロデュースのオリジナルグッズを発表する予定です。
瀬田:「これを作るので、デザインをそれぞれ考えてください」ということは何回かあったんですけど、今回は何を作りたいかを個人個人で考えるところから関わっていて。
春乃:ライブのときだけじゃなくて、日常的に使えるものばかりなんです。
上田:話題になってくれたらいいよね。例えば「それ、何のカバン?」と聞かれたら、それが私たちのグッズだとわかって名前が広まるみたいな。
希山:「それ、ばっしょーのグッズなんだ!」ってね(笑)。
上田:なので、ファンじゃなかったけど、デザインが良くて「欲しいな」と思ったら、ちょっとだけでもサイトを覗いてほしいと思います。それから、「BATTEN Store」という私たちのオンラインショップがオープンしたんですよ。
瀬田:そこでは私たちのグッズだけじゃなくて、九州の名産品も紹介できたらいいなと考えていて。
ーーばってん少女隊だけではなく、九州自体を盛り上げていけるようなオンラインショップになると。九州に密着した活動をしているからこそのアイデアですね。
上田:もっともっと密着していきたいですよね。今は住んでいる県以外はそこまで詳しいとは言い切れないので、今後メンバーみんなが九州に詳しくなっていけたらと思います。と同時に、九州の人たちみんなが私たちのことを知っているくらいになりたいです!
今まで経験したことをメンバーみんなで歌詞にするのが夢
ーー結成5周年を機に新たな動きがたくさん用意されていますが、今後皆さんが挑戦してみたいこと、これは成し遂げたいという目標はありますか?
瀬田:5周年で5曲出させていただくんですけど、本当にどれも素敵な曲で。その経験を通して思ったのは、もっと自分たちの触れたことがない音楽に挑戦してみたいということ。例えば、今までは元気な曲調が多かったので、今後はジャズとか大人っぽい音楽にも挑戦してみたいですし。もっといろんな音楽に関わることで、自分たちも学んでいきたいですし、ファンの皆さんと一緒に楽しめるものをたくさん作っていきたいなと思っています。
上田:今まではライブに来た人に届けられるものを強く意識して、私たちに興味を持って会場に来てくださる方を引き込むことしかできていなかったんですけど、今はYouTubeやSNSを積極的に使うことで、例えば私たちの普段喋っている姿から興味を持ってもらえることもあるのかなと思って。そうやって今まで全然興味がなかった方にもどんどん触れていただきたいですし、メンバーの人柄とかもわかってもらった上でライブにも触れてもらえたらなと考えています。
ーーまさにYouTubeはそういう面を手軽に見せられる場ですものね。今やってみたい企画って何かありますか?
上田:ずっと言ってるのは、スポーツ大会(笑)。それこそスポーツテストとか、学校っぽいことをやってみたいです。
星野:学力テストは?
上田:それは現役高校生(星野)が一番強そうだから(苦笑)。
ーーちなみに、5人の中で一番運動神経が良いのは誰ですか?
上田:愛じゃないかなあ? 走るのは、さくらがめっちゃ速いし。愛とかさくらとか一見おっとりしてる感じなので、めっちゃギャップを見せられると思います。
ーーなるほど。春乃さんはいかがでしょう?
春乃:以前は自分から発信できる場がブログでの文章と写真ぐらいでしたけど、最近はYouTubeやインスタを始めたことで動画でも伝えることができるようになって。そこでメンバーそれぞれのキャラクターを紹介して、もっと知ってもらいたいなと思っているので、普段の様子に密着して素の私たちを見てもらいたいなと。みんな、普段から面白いんですよ(笑)。だから、そういう部分を伝えていきたいなと思います。
希山:それこそYouTubeにはライブ映像も少しずつ上がったりしているので、ライブのときはゴリゴリに踊ってカッコいいけど、普段の様子を見て親近感を持ってもらったりね。あと、私たちは九州を拠点に活動しているので、九州の良さをもっと全国の皆さんにお届けしたくて。もうちょっとハッピーな世の中になったら実際に九州に来てもらって、「いいところだな」と肌で感じてもらいたいですね。それに、私たち宗像市の観光大使を務めさせていただいているんですけど、この状況もあって中止になってしまったイベントがあるので、いつかリベンジしたいと思っています
ーー今、九州で一番プッシュしたいところは?
希山:やっぱり食べものがおいしいことと、方言が可愛いこと。それに、海も山もあるし、でもちょっと行くと都会もあるので、すごく住みやすくて、「もうここから抜け出したくない!」って思うぐらい素敵な場所なんですよ。
ーーなるほど。星野さんはどうでしょう?
星野:私はグループ結成当時は小学6年生で、自分から発信するとかあまりよくわかっていなくて。自分たちで考えて行動するというのも、わりと最近になって意識し始めたことだったので、それを思うと考え方がすごく大人になったのかな。そういう意味でも、個人的にすごくやってみたいのは自分たちで作詞をすること。文章を書いたりするのが好きで、今まで経験したこと、感じたことをメンバーみんなで歌詞にするのが夢なので、自分たちの曲の作詞というのはいつかやってみたいですね。
ーー最後に、健康な世の中になったあと、ライブ以外で「これを真っ先にやってみたい!」ということは何かありますか?
上田:メンバーそれぞれが九州のいろんな場所に行って、その場で触れたり食べたりしたものとか、行った観光名所とか会った人とか、YouTubeやSNSを通じてその土地の良いところを自分たちから発信していきたいんです。そこから、YouTubeやSNSを観た方に九州に来ていただいて「いいところだな」と思っていただきたいですし、実際に住みたいと思わせるくらい良さを伝えていきたいです。
瀬田:と同時に、私たちをきっかけに九州に来たいと思っていただけるぐらい、私たちも大きくなっていかなくちゃいけないなと思っています。
■『結成5周年!!!Specialオンラインライブ』
6月21日(日)18:30〜
オンラインライブ配信はこちら
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