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山下智久、色気と存在感のある役者・アーティストへ 世界挑戦までの探求心を追う

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リアルサウンド

 およそ1年前、ジャニーズ事務所の所属タレントとして初めて公式Instagramを開設した山下智久。先日、日本の男性タレントとして初のフォロワー数500万人を突破し、現在は主要キャストとして出演する国際連続ドラマ『THE HEAD』(Hulu)が配信中。同ドラマではエンディングテーマも担うなど、役者として、そしてアーティストとして、世界へと大きな一歩を踏み出した。

【写真】『野ブタ。』の頃の山下智久

 山下の演技初挑戦は、ジャニーズJr.主演によるオムニバスドラマ『BOYS BE…Jr.』(1998年/日本テレビ系)。以降、『池袋ウエストゲートパーク』(2000年/TBS系)、『カバチタレ!』(2001年/フジテレビ系)、『ランチの女王』(2002年/フジテレビ系)、『Stand Up!!』(2003年/TBS系)など、バイプレイヤーとして着実に経験を積んできた。

 一方で、2003年にNEWSのメンバーとしてデビュー。2005年にはドラマ『野ブタ。をプロデュース』(日本テレビ系)の登場人物である“修二と彰”として亀梨和也とユニットを結成し、リリースした「青春アミーゴ」は累計売上160万枚を突破。今年、15年ぶりに放送された特別編は毎週高視聴率を叩き出し、衰え知らずの人気を見せつけた。

 同作をはじめ、見た目はチャラいが母親想いの高校生・矢島勇介を演じた『ドラゴン桜』(2005年/TBS系)、自身が「尊敬する先輩」と慕う山崎努との共演作『クロサギ』(2006年/TBS系)など、出演作はすべて大ヒット。『プロポーズ大作戦』(2007年/フジテレビ系)では、すれ違いばかりの岩瀬健(通称:ケンゾー)に心からエールを送ったし、山下が出演するドラマは定期的に「あれは名作だった」と思い出すほど、シンプルにストーリーもおもしろかった。

 そして、代表作となる『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』(2008年/フジテレビ系)へ。演じたのはフライトドクター・藍沢耕作。事故現場での腕の切断を「楽しかった」と言い放ち、「誰よりも早く、俺は名医になる」と孤独を貫いていた藍沢が、仲間との絆を手に入れ「誰かのために医者でありたい」と思えるまで、医師として、人として成長していく物語。そんな藍沢同様、10年続いた同シリーズを通し、山下自身も役者として大きな成長を遂げたことは言うまでもない。

 山下智久という人は、ただそこに居るだけで強い光を放つ。過去の雑誌をペラペラとめくってみたが、ジュースを飲んでいるだけでかっこいい、ジャケットを羽織るだけでかっこいい、りんごを持っているだけでかっこいい、つまりは何をしていてもかっこいいのである。

 人としての光が強いことは、アイドルとしては大きな強みとなるが、役者としては欠点にもなりかねない。役に扮する以上、時に自身のオーラを抑える必要もあるからだ。だが、山下は自身の光を利用しながら、キャラクターそのものを輝かせることが巧い。たとえば『野ブタ。をプロデュース』の彰と『コード・ブルー』の藍沢は両極端の人物だが、どちらも山下が醸す“独特の雰囲気”が観る者を一層惹きつけた。

 もちろん、その一因は山下が持つスター性にもあるが、先日放送された『All over the World ~山下智久と世界で出逢う~』(日本テレビ系)で、『THE HEAD』共演者のアレクサンドル・ウィロームから「優しく品があり 学ぶ姿勢やベストを尽くす姿に驚いたよ」と称賛され照れ笑いを浮かべる姿に、答えを見た気がした。おごることなく、謙虚に、そして貪欲に。

 『THE HEAD』では、独学で身につけた流暢な英語での演技を披露。日本では英語が話せるだけで“かっこいい”とされ、山下に掛け合わせれば、鬼に金棒、虎に翼なわけだが、それも彼の並々ならぬ努力の賜物。マネージャーもいない中、単身スペインでの撮影は「泣きそうになった」(日本テレビ系『おしゃれイズム』にて)とも話す山下だが、他キャストに埋もれることなく堂々と芝居する姿が印象的だ。

 かたや昨年『A-Studio』(TBS系)に出演した際には、ファンから常に見られていることを「全方位から守られている気分」と話しているのを聞いて、天性のアイドルだと驚かされた。支えてくれるファンの期待に応えることで、自身を成長させていく。ファンに感謝しているからこそ、役者としての新境地開拓はもちろん、原点ともいえるアーティスト活動でも楽しませる。なんとも羨ましい関係である。

 山下がジャニーズ事務所に入所したのは11歳。先輩・滝沢秀明に命名された“山P”という愛称が似合う天使のような少年は、色気と存在感のある役者・アーティストへと進化を遂げた。既出の『All over the World~』で「成功するために最も必要なこと」との問いに、「俳優として人間として 常に自分の安全地帯から踏み出そうとしています 新しいことを試そうとしたり 今自分ができることをやろうとする チャンスを一切逃したくないから いつも次のレベルを見据えています 諦めたくないから いつも向上しようとしている」と真摯に語った山下。“人類の奇跡”と称される彼の探求心に、限りはないようだ。

(nakamura omame)