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山口乃々華が明かす、初ヒロイン役への思い 『私がモテてどうすんだ』でのコミカル演技を振り返る

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リアルサウンド

 『別冊フレンド』(講談社)にて連載され、第40回講談社漫画賞・少女部門を受賞しテレビアニメ化もされた、ぢゅん子の同名コミックを実写映画化した『私がモテてどうすんだ』が7月10日より公開される。BL(ボーイズラブ)大好き妄想ヲタク女子が、4人のスーパーイケメン男子高校生にモテまくるという設定から始まる、笑いあり歌あり踊りありのラブコメディだ。

 ヒロインは推しのアニメキャラクターが死んでしまったことがショックで寝込み、激ヤセしてしまう女子高生の芹沼花依。E-girlsのメンバーである山口乃々華と、数多くの作品に出演する富田望生が、激やせ変身前と後を2人1役で演じる。今回、リアルサウンド映画部では、本作が初ヒロインとなった山口にインタビュー。初ヒロインを演じた心境や撮影のエピソードを明かしてくれた。

参考:川村壱馬、吉野北人を筆頭に続々と演技の世界へ 高い表現力を持つTHE RAMPAGEメンバーたち

■「監督が現場で一番テンション高かったです(笑)」
ーー作品の話が来たとき、率直にどう思いましたか?

山口乃々華(以下、山口):とにかく驚きでした。お芝居のお仕事はずっとやりたかったので、嬉しい気持ちでいっぱいで。ヒロイン役ということで、責任は大きいですが、とにかく応えたい、一生懸命頑張りたいという気持ちでした。

ーー少女漫画がそのまま実写になったようなキラキラした映画でした。こういった作品は山口さんも普段からご覧になりますか?

山口:観ます。最近はあまり読めていなかったのですが、昔は少女漫画をすごく読んでいました。観終わった後に、爽やかないい気持ちになれるのが好きで、映画館にもよく観に行きます。

ーー今作では、すごくコミカルなシーンが多いですよね。役作りはどのようにしていったのでしょう?

山口:最初は私自身がオタクというキャラから遠くにいたので、とにかくそういったものに触れていたいと思い、漫画を読んだりアニメを観たりしました。花依ちゃんが好きなものを身の回りに置いておこうと、BL雑誌を買ったり、アニメイトに行ってみたり、コミケに行ってみたりもしました。あとは監督とのやりとりで作っていきました。

ーー自分の好きなものに対して全力ではしゃいでいる姿がすごく自然だと感じたのですが、実際に取材した上で演じられたんですね。

山口:(富田)望生ちゃんが先にそういうシーンが多かったので、望生ちゃんの温度感を、監督を通じて教えてもらって、落とし込みました。あとは、私生活でも「うおおおおお!!!」とテンションが上がる瞬間があると思うのですが、そういったことを参考にしましたね。

ーー山口さん演じる花依ちゃんは富田さんと2人1役ということですが、人物像についてすり合わせを行いましたか?

山口:実はそれがほとんどありませんでした。最初に「花依ちゃんはとにかく前向きだよね」「こうあってほしいよね」「一所懸命だよね」といったイメージを、監督と望生ちゃんとお話ししましたが、望生ちゃんに寄せようとか、望生ちゃんが私に寄せようということはなかったです。監督は「花依ちゃんはとにかく可愛く、興奮してるときもブサイクになるな」とおっしゃっていて、どんなシーンでも可愛いと思えるように演じました。でも、興奮した姿も可愛いと思えるようにというのは、けっこう男性目線だなと思いました。個人的には興奮している姿が可愛いというのはどういうことだろうと考えたりしたのですが、監督にとって重要なポイントだったのかなと思います。

ーー平沼紀久監督は山口さんも出演された『HiGH&LOW』シリーズの脚本を務められた方ですが、演出で印象に残ったことはありますか?

山口:各所に監督の世代のバイブスが散りばめられています。例えば昔のアニメのちょっとしたセリフを引用したりして、遊び心や少年心にあふれていました。監督もすごく盛り上がっていて、テンションの高いパワフルな現場でしたね。

ーー撮影時に監督のテンションの高さを感じたエピソードなどありますか?

山口:あります(笑)。花依ちゃんが激ヤセして大変身したあとに、ビューティーショットがあるのですが、撮影中に「可愛い!!」と合いの手を入れてくださり(笑)。でも、私が少し顎を上げただけで「可愛くない!!」と指摘されたりもしました(笑)。「いいよ!」「可愛いよ!」と掛け声をいただきながら撮影していたのがすごく印象に残っています。監督が現場で一番テンション高かったです(笑)。

ーー花依ちゃんに言い寄る4人の男性には吉野北人さん、神尾楓珠さん、伊藤あさひさん、奥野壮さんが出演されていますが、現場での彼らの様子はいかがでした?

山口:すごく仲良しでした! 撮影の間も気がつけば腕相撲大会を始めたり、奥野さんと伊藤さんが戦隊モノをやっていたので、みんなで変身のポーズを覚えたりしていて、すごく仲良しな本物の高校生みたいでした。

ーー5人で池袋をデートするシーンでは、花依ちゃんの心の声をすごく高いテンションでアテレコしていますよね。実際の演技と心の声のギャップがすごく面白かったです。

山口:あれは本当に大変で何回もやり直しました(笑)。撮影が終わり、けっこう時間が経ってからアフレコをしたのですが、当時のテンションを思い出すのが大変で……。台本を読み返して、映像を観て気持ちを思い出して全力でやりました。

■「自分の道を切り開いていく強い女性にすごく憧れている」
ーー今回主演の吉野さんをはじめ華やかな方々が出演されてますが、演劇部員などちょっとしたキャラがすごく濃いですよね。

山口:そうなんです! 本当にシュールなキャラクターばかりでした(笑)。なかでも坂口(涼太郎)さんはとにかく面白く、監督のちょっとした指示に対して150%くらいのリアクションで返していました。瞬発力がすごくて、さすがだなと思いつつ、引っ張ってもらいながらお芝居させてもらいました。あまねちゃんを演じた上原実矩さんはすごくアネゴな雰囲気で、カメラが回っていないときもずっとおしゃべりをしてくれて、「昔から一緒にいたっけ?」と錯覚するくらいの信頼関係でした。

ーーそんなにテンションの高い現場だと笑ってしまってお芝居ができない場面などあったのでは?

山口:ありました。花依ちゃんが演劇部の勧誘を受けるシーンがあるのですが、坂口さんが「演劇でヒロインをやってください。お願いします!」と頭を下げた後、ずっと真顔で見つめてくるのですが、それが本当に面白くて(笑)。

ーー今作は花依ちゃんが痩せたことをきっかけに成長していく物語でもあると思いますが、山口さんにとって今のお仕事をされる上での転機はどこにあったと考えていますか?

山口:2009年にEXPGに入ったのが転機かなと思います。そのときはまさか自分がダンスをお仕事にするとは思っていなかったので、当時は全然転機だとは感じていなかったのですが、振り返ると大きなタイミングだったなと感じています。

ーー今回ヒロイン役を演じられましたが、今後どのような役に挑戦してみたいですか?

山口:今回ミュージカルパートも少しだけあったのですが、すごく興味が湧いたので、いつか挑戦してみたいです。あとは、自分の力で自分の道を切り開いていく強い女性にすごく憧れているので、そういう役を演じてみたいなと思います。

(取材・文=安田周平)