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古川慎の歌声から感じる底知れぬポテンシャル アーティストデビュー2周年を迎えたその魅力を紐解く

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 TVアニメ『ワンパンマン』の主人公・サイタマを始め、『かぐや様は告らせたい?~天才たちの恋愛頭脳戦~』では、努力型の天才生徒会長・白銀御行、さらに『啄木鳥探偵處』では、旅と酒を愛するマイペース歌人・若山牧水、そして『炎炎ノ消防隊 弐ノ章』では、第4特殊消防隊の二等消防官で主人公のシンラ・クサカベとアーサー・ボイルの訓練校時代の同期・オグン・モンゴメリを務めるなど、次々と人気作にキャスティングされ注目を集めている古川慎。声優活動の一方で、『啄木鳥探偵處』のオープニング主題歌「本日モ誠ニ晴天也」でセクシーなボーカルを聴かせており、アーティスト活動の方も話題だ。そんな古川慎の歌の魅力とは?

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■抜きん出た才能と実力は、決して付け焼き刃ではない
 古川慎は、2018年7月4日、1stシングル『miserable masquerade』でランティスよりアーティストデビューを果たした。サウンドプロデューサーに桑原聖(Arte Refact)を迎え、作詞を古川自身が務めた表題曲は、リズミカルなビッグバンドジャズのサウンドに乗せた艶のある流麗な歌声と、さまざまな想像をかきたてる妖艶な歌詞とMVで「最高オブ最高」「男でも惚れる声」と、ネットで話題を集めた。

 続く2ndシングル『地図が無くても戻るから』の表題曲は、自身が主人公のサイタマとして出演する『ワンパンマン』第2期エンディング主題歌として起用され、初のアニメタイアップ曲となった。ピアノで始まるしっとりとしたバラードナンバーの同曲では、やさしさと力強さを兼ね備えた歌声と共に、サビでは胸の奥から湧き上がるような熱いエモーションを聴かせる。また同作のカップリング曲「道化師と♠︎(sadness)」では自身が作詞を務め、スリリングなトラックと美しい低音の響きが相まって、怪しげなムード満点の楽曲としてファンを楽しませた。

 そしてこの7月29日には、アーティスト活動2周年を記念し、待望の3rdシングル『本日モ誠ニ晴天也』をリリースする。『啄木鳥探偵處』のオープニング主題歌である表題曲「本日モ誠ニ晴天也」は、すでに古川の十八番とも呼べるジャズナンバー。「miserable masquerade」を彷彿とさせるビッグバンドのサウンドながら、アコーディオンの音色やシャッフルビートが印象的だ。リズミカルに言葉を刻む存在感のある歌声も良い。あでやかな花柄の衣装をまとい、ステッキを突きながら歌うMVの古川は、まさしく『啄木鳥探偵處』に出てきそうな雰囲気を放ち、作品と楽曲が見事に融合しているといえるだろう。

 これまで『アイドルマスター SideM』などのキャラクターソングでも、その類い希なる歌声を披露してきた古川慎。ソロアーティストとして、リズムに乗ることが難しいジャズを歌いこなし、はたまた胸に響くバラードを歌い上げるなど、その実力は決して付け焼き刃ではないと感じさせる。低音から高音まで幅広くフォローしたレンジの広さからも、どんなメロディでも歌いこなす、古川のポテンシャルの高さが滲み出ている。さらに自ら手がける歌詞は、まるで物語的な表現もあれば、ストレートな表現、またはどこか和を思わせる表現など、実に手練手管だ。次世代の男性声優アーティストとして注目の古川慎は、シングル3枚目にして、すでに他の追随を許さぬほどの抜きん出た実力を見せつけている。(榑林 史章)