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山下健二郎が語る、三代目JSBの絆と今後の夢 「こんな状況だからこそエンターテインメントを」

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リアルサウンド

 三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEのパフォーマーとして、『HiGH&LOW』シリーズ、『漫画みたいにいかない。』(日本テレビ系)などの役者として、多岐にわたる活躍を続ける山下健二郎。そんな山下の主演映画『八王子ゾンビーズ』が、7月17日より公開される。

 2018年8月にTBS赤坂ACTシアターにて上演された同名舞台の映画化となる本作は、オーディションに落ち続け、ダンサーになる夢を諦めた主人公・羽吹(山下健二郎)が、ダンスをしないと成仏できない8人のゾンビ集団と出会ったことで、再び自身と向き合い成長していく姿を描く。

 「『八王子ゾンビーズ』は青春だった」と語る山下は本作を通して何を得たのか。作品に込めた思い、自粛期間中に感じた三代目 J SOUL BROTHERSとの絆まで、じっくりと語ってもらった。(編集部)

●『八王子ゾンビーズ』には“青春”が詰まっている

――『八王子ゾンビーズ』で山下さんが演じた羽吹という役は、普段の山下さんらしい感じがしました。

山下健二郎(以下、山下):仰る通りです。何回もオーディション受けては落ちて……。たくさん挫折して、でも周りの人に助けてもらって夢を叶えるというのは、昔の自分を見ている気がしました。役作りも難しくなかったというと語弊がありますが、スッと入ってくるものがありました。

――映画では、希望寺で修業体験をすることが第一歩でしたが、山下さんの第一歩は?

山下:僕は出会った人に恵まれたなと思っています。最初のきっかけは、僕にとってのダンスの師匠が、EXILEのライブのバックダンサーを集めていて、それをきっかけに2007年のEXILEのライブのバックダンサーに参加することができました。そこで僕の夢が「EXILEになりたい」というところに向いて、そこからいろんなオーディションを受けて、ときには挫折も失敗もしたけど、いろんな人に助けられて今がある感じです。

――いろんなオーディションを受けたんですか。

山下:いっぱい受けました。唯一受かったのが劇団EXILEで、それを機会に東京に出てきました。それがなかったら、今はなかったですね。

――ちなみに、HIROさんに初めて会ったのはどんなときでしたか?

山下:僕が初めて直接お会いしたのは、2007年のEXILE『EVOLUTION』ツアーのバックダンサーをしていたときで、HIROさんが僕らの楽屋に挨拶に来てくれました。僕らみたいなバックダンサーにも自ら挨拶してくれるのを見て、本当にこういう人になりたいって素直に憧れたし、今もその気持ちはかわらないですね。HIROさんの元でアーティスト活動ができているのは、本当に心から幸せです。

――『八王子ゾンビーズ』の話に戻りますが、舞台の上演の頃に、この作品を観て「青春を感じてほしい」と言われていましたが、実際、舞台や映像作品をやってみて、山下さん自身も青春を感じましたか?

山下:本当に青春しまくりでしたよ。舞台の稽古中も部活をやってるような感じでしたし、稽古が終わったらみんなでご飯にも行って。その稽古期間中に、墨田川の花火大会があったんです。稽古場はスカイツリーが目の前に見えるところだったので、そこからみんなで花火を眺めたのも良い思い出ですね。その後も、小澤雄太の誕生日を祝ったり、RIKACOさんのホームパーティーに共演者で呼んでもらったり。そんなことを通じて、『八王子ゾンビーズ』キャストたちとの絆も深まったし、今も仲がいいです。

――映画の中でのゾンビーズの皆さんとの掛け合いもすごく面白くて、息の合ったところが見えました。

山下:ああいうアドリブに関しては、舞台の時点で完成してました。最初のうちは苦労したんです。共演のみんなが、舞台の経験が多いし、ポテンシャルが高くて、いろんなアドリブを出してくるので(笑)。でも、そこに対して、突っ込むということに徹したので、だんだんと僕も皆もアドリブの引き出しも増えてきました。そういうやりとりを見て、監督の(鈴木)おさむさんも、積極的にアドリブを入れようという風にしてくれて。だから、映画の撮影のときには、すでに僕らのコミュニケーションも取れていたし、メンバーもそれまでとほぼ変わっていなかったので、いきなりトップギアでいけたんです。

――例えば、山下さんが主演の映画『DTC 湯けむり純情篇 from HiGH&LOW』でも、テッツ役の佐藤寛太さん、チハル役の佐藤大樹さんとこうした掛け合いがありましたよね。演じ方に違いはありましたか?

山下:『DTC』のほうは、アドリブというよりも、段取りを細かくつけていたかもしれないです。セリフは決まっていて、その間やテンポを大事にしていたので、突っ込むタイミングも、ノリさん(平沼紀久監督)が、コミュニケーションをとって、作り上げてくれました。

●改めて感じた三代目J SOUL BROTHERSの絆

――さきほど、「青春」の話になりましたが、三代目J SOUL BROTHERSでの青春の思い出はありますか?

山下:それは数えきれないくらいありますね。ステージに立ってるときは常に青春だと思うし、その後はみんなでご飯も食べるし、本当に常にそう感じてる10年だなと思いました。ついこの間もプライベートでリモート飲み会を7人で行いました。改めて仲いいなーって思います。

――そのときは、誰が発起人だったんですか?

山下:(小林)直己さんが最初にやろうって言ってくれて、ミーティングのURLを送ってくれました。みんなと話せて楽しかったですね。普段の僕らって集まってもプライベートの話が多くて、仕事の話ってないんですよ。メンバーだからこそ言えることを話してるのも青春って感じです。でも、リモート飲みのときは、「最近何してる?」っていう他愛のないことから始まって、仕事の話にもなりました。『LDH PERFECT YEAR 2020』公演が延期になっているからこそ、今、お届けできるエンターテインメントの可能性について、みんなでアイデアを出したりしていました。楽しみにしてくれている人もいっぱいいますし、僕らもストップしているわけじゃないので、今のような状況の中でできることを精一杯行い、時間を無駄にしないで、早くお届けできるようにしたいと思ってます。

――コロナ禍で自宅にいるときに、山下さんを始め、メンバーの方がたくさん生配信をしてくれたことで、身近に感じることも多かったです。

山下:今の時代、色々なことがリモートで自宅からできたり、新しいエンターテインメントが出来上がりつつあるのかなと。そういうことに気づかされた期間でもあったし、自分自身を見つめ直す時間もたくさんできました。その時間のおかげで、個人の夢や将来、こうなりたいと思うことなんかも固まってきたので、無駄に時間が過ぎていくのではなく、充実していたという実感もありました。

――7人揃ってリモートでテレビ出演するとか、配信することもありましたけど、最近、メンバーのこういうところに気づいたってことはありましたか?

山下:それはもう直己さんが変わって、ポップになったんで、僕としては安心しましたね。よかったです。あんなに180度キャラを変えるのって勇気がいると思うんですよ。何がきっかけなのかはわからないですけど、僕たちは本来の直己さんを知ってるので、今はやっとこういう直己さんも出せてよかったねって思ってるんです。

――山下さん自身は変わったりは?

山下:僕の場合はまったく変わらないし、学生時代からずっとこのキャラですね(笑)。

――変わってみたい願望は?

山下:これしか分からないかな、あんまないかもな……。こういう感じの性格も好きだし、このままで行きたいですね。役柄でいうと、この『八王子ゾンビーズ』にしても、『DTC』にしても『漫画みたいにいかない。』にしても、自分に近い役が多かったので、まったくやったことのない役というのもやってみたい気もありますね。

――コロナ禍では、普段の忙しさとの落差もありましたか?

山下:僕はもともとちゃんと休まないとダメなタイプだし、詰めすぎるとスカスカになっちゃうので、アウトプットしまくったら、ちゃんとインプットする時間を作ってもらうようにしています。もちろん、作品に入ると物理的に忙しいけど、なるべくバランスよく休みを取るようにしています。

――リモートで映る山下さんの家の中も充実してる感じがありますしね。

山下:あれは趣味のかたまりですね。もとは真っ白だったのを内装も自分で変えて。もともとDIYが好きで、子供のことから美術の時間も大好きだったんで、いまも、ものづくりの時間を大切にしています。最近は、ペーパークラフトが気になっていて、設計図を無料でダウンロードできるサイトがあって、それを作りたいと思っているところです。

――おうち時間の中で、ダンスなどもされてますか?

山下:それはライフスタイルの中のひとつなので、家でも毎日なにかしらダンスや音楽に関わることはしています。誰かのライブを観たり、ダンサーのインスタを観たり、80年代や90年代のファンクなんかのミュージックビデオを観たり。そういう蓄積が急に出てきたりするので大事ですね。

●「個人での仕事もグループに還元できる」

――今日は、映画のほかにも、いろんな話をありがとうございました。最後に、山下さんにとって、この『八王子ゾンビーズ』ってどんな作品ですか?

山下:この仕事が始まったころは、コメディ要素も強いし、2.5次元の人たちとも、(鈴木)おさむさんとも、演技の仕事で一緒になるのは初めてだし、単純に楽しんでもらって、気持ちよくお客さんに帰ってもらいたいと思っていました。今になってみると、それに加えて、ちょっとでも観た人にとってプラスになったらとも思うようになりました。例えば、今って自粛モードで夢がある人には叶えたくても叶えられないということもあると思います。甲子園大会中止のニュースも本当に胸が痛くなりました。大会に向けて青春の大部分を部活動にささげてきた3年生は本当に辛いものがあると思います。でも、夢に対して頑張ってきたことは決して無駄じゃないと思うんです。ほかのことに挑戦しても、同じように頑張れると思うし、悔しいこともあるとは思うけど、夢を持っている人の背中を少しでも押せる作品になっていればいいなと思っていますね。

――ちなみに、この状況下で、山下さんも夢が明確になったと言われてましたが、それはどんな夢ですか?

山下:もちろん三代目を軸にはしているんですけど、個人での仕事もグループに還元できると思うんです。自分の好きなことへの熱量は、誰にも負けないと思うし、30代になって、好きなジャンルをもっと伸ばしたいと思っています。だから今、空間デザインの勉強を積み重ねているところで、それがいつか形になればいいなと思っています。

(取材・文=西森路代)