織田梨沙の変幻自在な魅力 『コンフィデンスマンJP』で伸ばす無限の可能性
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『コンフィデンスマンJP』シリーズの最新作、『プリンセス編』が7月23日に劇場公開された。公開に先立ち、7月20日深夜から放送された本作のスピンオフ企画『コンフィデンスマンMC』(フジテレビ系)の主演に抜擢されたのが、今注目の女優、モナコ役の織田梨沙だ。
【写真】モナコ役で初登場した織田梨沙
織田のシリーズ作品参加は、前作の『ロマンス編』(2019年)からとなる。オーディションでこの役を勝ち取り、信用詐欺師の仲間入りを果たす。昨年は小手伸也主演の『コンフィデンスマンIG』が放送された。ちなみにこのIGは小手の役名の「五十嵐(IGARASHI)」の略であることを本人が明かしているので、MCの方は「モナコ(MONACO)」の略称。今回は五十嵐からモナコが立場を“奪った”かたちになる。
本シリーズでの目覚ましい活躍を見せてきた織田だが、彼女のキャリアはモデル業からスタートした。雑誌、広告の仕事をこなしながら次第に演技へ興味を持つようになり、映画『秘密 THE TOP SECRET』(2016年)が興行作品初出演となる。以降、映画『STAR SAND -星砂物語-』(2017年)に出演、昨年にはNHKの大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』への出演で演技経験を重ねた。
そんな織田の持ち味はなんと言っても変幻自在な姿だろう。彼女がモデルとして見せる表情は、作品ごとにガラリと違っている。ナチュラルからストリート系など、どんなイメージでもぴったり作品に寄り添った表情を作り出せる。その素質は芝居でも遺憾なく発揮され、特に『コンフィデンスマンJP』シリーズのように様々な姿に変装したり、騙すことに重きを置いた役柄で最大限の輝きを放つ。『ロマンス編』では、ブルース・リーに扮した黄色のボディスーツや、白いワンピースの占い師、お団子ヘアのカジュアルな私服姿など様々な衣装で登場。どの衣装を取ってもイメージ通りに着こなした。さらに最新作『プリンセス編』ではこれまでの明るく愛らしい姿からは一変、大人びた衣装での登場もある。こうした表情や仕草の振り幅の広さは織田のキャリアの賜物だろう。
『コンフィデンスマンJP』シリーズ以外では、シリアスな芝居の多い織田。本作とは打って変わり、鋭い眼光のきらりと光る芝居や、底知れぬミステリアスさを感じさせる役など、コメディとは対極にある芝居でも頭角を現した。はっきりと色のついた役者ではない今、まさに、無限の可能性を秘めた存在でもある。知名度が上がりつつある中で、この先どう芝居の道を駆け抜けていくのか期待が膨らむ。
最新作『プリンセス編』では出演時間は多くはないものの、ダー子の一番弟子として重要な場面で活躍している。モナコがダー子の一番弟子に大抜擢されたように、織田も様々な作品で、ベテラン俳優の中に放り込まれながらも堂々とした芝居を見せてきた度胸ある役者だ。まさに将来が楽しみな女優の一人である。
(Nana Numoto)