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片岡愛之助の全力顔芸に宮野真守も顔面筋で競演 『半沢直樹』カオスな状況に

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 常に敵に囲まれている半沢(堺雅人)だが、これほどカオスな状況に置かれたことはなかったのではないか? 『半沢直樹』(TBS系)第6話では、帝国航空の再建を託された半沢に、社の内外から烈風が吹きつけた。

 最初に牙を剥いたのは、国土交通大臣直属の諮問機関であるタスクフォース。リーダーである弁護士の乃原(筒井道隆)は、白井(江口のりこ)の虎の威を借りて、東京中央銀行に500億の債権放棄を要求。これに対して、半沢はタスクフォースの法的根拠を問いただす。「大臣のご意向だと言うのなら、強権発動でもして債権放棄を命じればいいじゃありませんか?」乃原が論破されると、今度は白井が銀行に乗り込んで来る。

 次に立ちはだかったのは従業員と労働組合。半沢が示した再建案は7つの柱から成っており、実現には人員削減が不可欠だ。その数は全社員の5分の1にものぼる。説明会では帝国航空財務部長の山久(石黒賢)に社員から怒号が浴びせられる。削減は退職者の再就職にかかっており、半沢は受入れ先の企業を探して開発投資銀行の担当者である谷川(西田尚美)の元へ。そこで思わぬ人物と再会を果たす。

 さらに、金融庁の黒崎(片岡愛之助)が半沢に襲い掛かる。今作では、第3話で電脳雑伎集団の財務ファイルを調べるため、東京セントラル証券に出現。今回の目的は与信判断。業績が悪化する帝国航空に貸し付けた融資が適正であったかをチェックする。半沢と同じく、黒崎も電脳の粉飾を見破ったことで出世コースに返り咲いていた。半沢を見つけて嬉しそうな黒崎と迷惑そうな半沢、汚いものでも見るように2人を睨む大和田(香川照之)という三者三様の反応がおもしろかった。

 『半沢直樹』シリーズの中で、黒崎は、他とは違う独特な重力で動いている人物だ。優秀な検査官である反面、その性格も災いしてか、半沢以上に毀誉褒貶が激しく、様々な部署を転々としている。半沢の前では、黒崎はどちらかと言うと倍返しされる側なのだが、大阪西支店や証券では半沢に重要なヒントを与える役割を担った。まさに因縁の相手と言えるが、前作から観ていると、大和田に次いで「この人がいないと始まらない」気がしてくるから不思議だ。

 その黒崎が半沢との再会シーンでは全力顔芸を披露したほか、宮野真守が黒崎の部下・古谷として後方から上司と顔面筋で競演するなど、面構えで言えば、今日の黒崎軍団は120点の出来栄えだった。

 さて、銀行が帝国航空にした150億の追加融資は、当時は問題がないとして金融庁に承認されていたが、その前後で、業績予測が下方修正されていたことが判明。検査を乗り切るために、数字を改ざんした疑惑が持ち上がる。誰が数字をいじったのか? 自分がやったと話す山久に対して、半沢は、部下である田島(入江甚儀)のメール記録から、真相は別のところにあると考える。

 最後に残った敵は行内の抵抗勢力。前担当として、事あるごとに半沢の邪魔をする曾根崎(佃典彦)は、上役の指示を受けて、山久に責任を負わせようとしていた。上役は大和田か紀本(段田安則)のどちらか、あるいはその両方と考えられる。曾根崎は半沢によって成敗され、裏工作を認めたが、肝心の上役は不明のまま。その間に人員受け入れ予定のスカイホープは、新規路線認可が却下され、中野渡は数字改ざんの責任を取って謝罪。東京中央銀行には国から業務改善命令が下された。

 銀行内にスパイがいて、国とタスクフォースに情報を漏らしている。目的は、銀行に債権放棄を飲ませること。再建をめぐってガタつく帝国航空に、方針が一致せずぐずつく銀行。そこに政治家が圧力をかける。敵に包囲され、思うように身動きが取れない半沢の苦労がしのばれる。腹の読めない役員連中をよそに、企業再生に賭ける信念を吐露する半沢。「銀行の底力を見せつけて、自分たちの傲慢さを思い知らせてやる」。倍返しを宣言し、香川が神回を予告する次週へ。

■石河コウヘイ
エンタメライター、「じっちゃんの名にかけて」。東京辺境で音楽やドラマについての文章を書いています。ブログTwitter

■放送情報
日曜劇場『半沢直樹』
TBS系にて、毎週日曜21:00~21:54放送
出演:堺雅人、上戸彩、及川光博、片岡愛之助、賀来賢人、今田美桜、池田成志、山崎銀之丞、土田英生、戸次重幸、井上芳雄、南野陽子、古田新太、井川遥、尾上松也、市川猿之助、北大路欣也(特別出演)、香川照之、江口のりこ、筒井道隆、柄本明
演出:福澤克雄、田中健太、松木彩
原作:池井戸潤『ロスジェネの逆襲』『銀翼のイカロス』(ダイヤモンド社)、『半沢直樹3 ロスジェネの逆襲』『半沢直樹4 銀翼のイカロス』(講談社文庫)
脚本:丑尾健太郎ほか
プロデューサー:伊與田英徳、川嶋龍太郎、青山貴洋
製作著作:TBS
(c)TBS