小野花梨、“飛び蹴り”も見事にこなすチャーミングさ 『親バカ青春白書』福田雄一演出に応える
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ムロツヨシが主演を務めるドラマ『親バカ青春白書』(日本テレビ系)が、8月23日に第4話を迎えた。
娘を溺愛する親バカなガタロー(ムロツヨシ)と天然で純真無垢な箱入り娘のさくら(永野芽郁)を中心に、メインキャストからハタケ(中川大志)、根来(戸塚純貴)が順番に物語の主役になってきた。第4話では、美咲(小野花梨)にスポットライトが当てられてる。
福岡から上京してきた美咲は、お金に対しての執着心が強いバイト優先の女性。寛子(今田美桜)に負けず劣らず勝気なその性格は、人気YouTuberとしてすっかり“あたおか”となった根来に相変わらず強く当たる場面にも表れている。
第4話で驚くのはコロコロと変わる美咲のそのキャラクターだ。連載の打ち切りが決定した小説家のガタローは、さくらと一緒に美咲のバイト先のカフェで働くことに。そこで見せるのは『ハケンの品格』(日本テレビ系)の篠原涼子ばりにテキパキ仕事をこなす美咲。自分が大泉洋かと見間違うほどにガタローも驚きの表情を浮かべる。
そんな美咲が働くカフェに元彼(一ノ瀬ワタル)が遥々福岡からやって来る。元プロ格闘家の一ノ瀬が演じる元彼は、その体格と声量から迫力十分。ガタローの胸ぐらを掴んだ“いざ”というタイミングで、美咲の飛び蹴りが彼の顔面へと直撃する。「ごちゃごちゃうるさいんはあんたやろ!」という博多弁に、元ヤンとしての硬派な部分が前面に出たシーン。好き過ぎるが故に裏腹な態度を取っていた元彼と立場が逆転するところも、福田作品らしいユニークかつチャーミングなポイントである。
お金を決して粗末にしたりせず、相手を思いやる心を持った美咲の本質を見抜いていたガタロー。美咲はガタローとさくらの住む家にテキトーな理由をつけて居候しにやってくる。その表情からガタローに好意があることは明らかで、第5話は小比賀家に転がり込んで2カ月が経つというびっくりのシナリオ。緩急のある第4話を形作っていたのは、紛れもなく美咲である。
美咲を演じる小野花梨は、今作で福田組に初参加。2006年にドラマ『嫌われ松子の一生』(TBS系)で子役デビューを果たした小野は、本格的なコメディに参加したのも今回が初めてだ。今までの自分が経験してきた常識や当たり前が一切通用しなかった現場で、小野は演技の難しさを痛感しながらも「『芝居』と『笑わせる』という2種類のフィルターを処理する感覚」を覚えていったという(引用:【小野花梨インタビュー】ドラマ『親バカ青春白書』初の福田組に「今までの常識が通用しない現場だった」と語る | ミルトモ)。
また、第4話は美咲だけでなく、メインキャスト6人のそれぞれのストーリーが少しづつ動いていった回でもある。ガタローは小説家をクビとなり、さくらは念願のバイトで働けることに。ハタケと寛子は付き合っていた交際相手と別れ、ガタローの「恋というのは育むこと」という助言を胸に刻み、根来は一発屋になりつつある自身のYouTuberとしての今に焦りを感じ始めていた。
「さくらっていい子だよな」とやっとさくらの魅力に気づき始めたハタケは、第5話でガタローが見守る中、さくらとの初デートにこぎつける。更新されなくなった根来のYouTubeチャンネル、動き出す美咲の恋。折り返しを迎える『親バカ青春白書』は、いよいよ新たなフェーズに突入していきそうだ。
■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter
■放送情報
『親バカ青春白書』
日本テレビ系にて、毎週日曜22:30〜放送
出演:ムロツヨシ、永野芽郁、中川大志、今田美桜、戸塚純貴、小野花梨、谷口翔太、野間口徹、新垣結衣ほか
脚本統括・演出:福田雄一
脚本:穴吹一朗ほか
チーフプロデューサー:池田健司
プロデューサー:高明希、鈴木大造(クレデウス)
協力プロデューサー:白石香織(AX-ON)
制作協力:AX-ON
製作著作:日本テレビ
(c)日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/oyabaka/
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