山崎育三郎&高杉真宙、浜辺美波を取り巻くキーパーソンに 『わたどう』横浜流星の過去も明らかに
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「俺の見ている世界をあんたにも見てもらう」。茶会に出すお菓子づくりを助けると名乗り出た七桜(浜辺美波)に対して、茶会の作法について手ほどきをしながら椿(横浜流星)が言った言葉だ。
『私たちはどうかしている』(日本テレビ系)第3話は、この言葉が象徴しているように、椿と大旦那の宗寿郎(佐野史郎)との確執、亀裂が生じる原因になったかつての出来事や、亡き父との思い出についてなど、椿の知られざる過去や傷が本人の口から語られた回だった。
また、七桜を取り巻くキーパーソンたちの全貌も徐々に見えてきた。まず、ラストに大どんでん返しが待ち受けていたのは、殺伐とした光月庵内で七桜にとって癒しの存在となっていた見習い職人・城島(高杉真宙)の正体。冒頭で七桜の頭上から壺が落ちてくるが、あれもてっきり今日子(観月ありさ)の差し金かと思いきや、どうやら城島が自分の意志でやったことのようだ。
厨房でも七桜に気さくに話しかけ、距離も近く七桜から無防備な笑顔を引き出す城島の姿に椿がヤキモチを嫉く一面も見られた。椿の中で七桜の存在がどんどん大きくなるにつれ、椿が焦り苦しむ姿を見たいという城島の中でも七桜の略奪計画がどんどん進行し、どうやら次話ではこの三角関係がヒートアップしていくようだ。色んな人間の憎悪が渦巻く光月庵だが、城島はなぜそこまで椿のことを目の敵にするのか。
このとんでもない裏の顔を持つ城島は高杉にとって打ってつけの役どころだろう。爽やかで、どこをどうとっても好青年、人懐っこさも兼ね備え相手に警戒心を抱かせない“可愛がられ”キャラがよく似合う。落差があればあるほど、黒幕が意外な人物であればあるほど、相手に与えるダメージは大きくなる。毎話話題になっている観月ありさ演じる女将の悪女っぷりにも引けをとらぬ、底知れない二重人格ぶりを覗かせた。
またもう1人、謎多きキーパーソンとして多喜川(山崎育三郎)が後半の茶会のシーンに登場する。勤務先を追われ降りしきる雨の中転ぶ、正に泣きっ面に蜂状態の七桜に傘を差し、手を差し伸べてくれた人。そして今は亡き七桜の母親からの手紙を託けられており、「君のお母さんが作る和菓子のファン」とだけ言ってその場を去った。七桜に身辺調査を入れ、彼女がさくらなのではないかと疑い始めた今日子の元にタイミングよく、七桜の母親を名乗る女性を遣わせたのもどうやら多喜川のようだ。
山崎育三郎と言えば、自他ともに認めるミュージカル界のプリンス。現在放送中のNHK連続テレビ小説『エール』(NHK総合)での佐藤久志役で、持ち前の高い歌唱力を生かした王子様キャラが見事ハマり役だと話題になっている。山崎自身にそもそも備わっている圧倒的な「品の良さ」「サラブレット感」が本作での着物姿にもよくマッチしており、多喜川が持つ「生粋の御曹司」としての顔、とは言えどこか浮世離れした雰囲気を持ち合わせ時々覗かせる「道楽息子」としての一面を上手く投影している。
まだまだ出番は少ない中でも、「気になる人物」としての存在感、余韻を残せているのも流石である。椿が抱える闇とはまた少し種類が違うかもしれないが、この多喜川も自身のルーツと適度な距離を取り続けている様子から、一見したところ分からない何かしらの秘められた陰の部分を予感させる。
今後ますます存在感を増していくであろう、高杉真宙演じる城島と、山崎育三郎扮する多喜川の動向、またそれが七桜や椿に与える影響も必見である。
■楳田 佳香
元出版社勤務。現在都内OL時々ライター業。三度の飯より映画・ドラマが好きで劇場鑑賞映画本数は年間約100本。Twitter
■放送情報
『私たちはどうかしている』
日本テレビ系にて、毎週水曜22:00〜放送
出演:浜辺美波、横浜流星、高杉真宙、岸井ゆきの、和田聰宏、岡部たかし、前原滉、草野大成、山崎育三郎、須藤理彩、中村ゆり、鈴木伸之、佐野史郎、観月ありさ
原作:安藤なつみ『私たちはどうかしている』(講談社『BE・LOVE』連載)
脚本:衛藤凛
演出:小室直子、猪股隆一
音楽:出羽良彰
チーフプロデューサー:西憲彦
プロデューサー:鈴間広枝、松山雅則(トータルメディアコミュニケーション)
制作協力:トータルメディアコミュニケーション
製作著作:日本テレビ
(c)日本テレビ
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