『半沢直樹』に上戸彩は欠かせない! 堺雅人と築き上げる、自然な夫婦関係の秘訣はどこにある?
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今シリーズも高視聴率をマークしている、TBS日曜劇場『半沢直樹』ヒロインの上戸彩。実生活では2児の母となり、近年は出演作が少ない印象の上戸だが、その存在感はいまだ健在。熾烈な争いが続く『半沢直樹』において、ホッと一息つく間となる必要不可欠な存在となっている。
上戸が演じる半沢直樹(堺雅人)の妻・半沢花は、明るく非常に夫思いで、思ったことをすぐに口にするタイプだが、その言葉が直樹の心の支えになり、問題解決のヒントに繋がることも。弁の立つ半沢が唯一かなわない相手であり、唯一直樹が心を休められる存在。視聴者にとっても緊張感のある展開の中で、花のシーンには心が癒される憩いの場ともなっているだろう。
「花の性格は自分に凄く似ているなと思っています」(参照:上戸彩、堺雅人の妻役で『半沢直樹』続投へ 「とにかく私は全力で演じたい」)と言うように、花は、上戸がバラエティで見せる、明るく親しみやすい自然体のキャラクターが反映されている役柄と言える。2013年版当時は27歳。結婚した翌年とはいえ、まだ奥さん役の経験がなく自信のなかった上戸だったが、福澤克雄監督に「銀行員の奥さんらしく見える必要はない。今のままでいい」と言われ、花役へのチャレンジを決断したと語っている。直樹に対し悪いものは悪い、ムカつくときは一緒にムカつくなど、直樹の背中をバンバン叩いて後押しをする、若くして肝っ玉母さんのようなスタンスが心地よい。
また、2013年版での魅力は、花の世界で直樹と一緒に戦っていたこと。銀行の奥様会で嫌味に耐えながらも情報を仕入れていたり、特に金融庁検査で自宅に疎開資料があると自宅に乗り込んできた役人に対し、「主人は銀行員という立場上何も言えないかもしれないけど私は一般市民だから言わせてもらうわよ。あなたたち役人の常識はね、霞ヶ関じゃ通用するかもしれないけど、世の中では通用しませんからね」と胸ぐらを掴んで声を荒げた。旦那の立場を理解し、時には直樹以上にはっきり意見を言う妻を好きにならずにいられないだろう。
ただ、2020年版は、直樹が挑む問題に対し蚊帳の外で、どこか花がつまらなそうに感じるシーンも。直樹と敵対する白井亜希子国土交通大臣(江口のりこ)について、“女性代表としてこの国を変えてくれる”と支持するなど、今までの直樹との関係も少し変わってきた様子だ。紅茶のプレゼントや、お店の名刺に名前が書いてあることで、小料理屋の女将と浮気してないかと疑ったり、直樹が結婚記念日をすっぽかしたり……。この状況は下手すると、フラワーアレンジメントの先輩(吉田羊)の導きで『昼顔』(フジテレビ系)的な展開があってもおかしくない。花と直樹の今後も注目だ。
もちろん今回も、一息つくシーンとして花の可愛さは健在。第2話でラブレターについて会話をしたとき、仕事では見せない直樹の表情を見て、唯一の癒しだと感じた。そして、出向になるかもと言われたときに、「こうなったらどこの地方だろうと、南極だろうと、どんと来いよ。どんな辞令が出ようと堂々と帰ってきてね」と堂々と送り出す花はやはり心強い。7年経った今でも、“直樹”と呼ぶ関係が、仲の良さを象徴している。
役作りについて上戸は、「私は前作からあえて自分以外の部分の台本を読まないようにしていて。直樹がどんな顔をして家にいようとそれは花にはわからないと思うので読む必要がないかなと」(引用:人気ドラマ『半沢直樹』再び!上戸彩に聞く、半沢直樹の魅力とは? | ViVi)と答えている。それゆえに、堺雅人が演じる感情に対して、素直なリアクションで元気付け、浮気も疑う。それを堺も分かっているからこそ、ほかのシーンとは違い、自然な表情の夫婦関係が描けているのではないだろうか。
■放送情報
日曜劇場『半沢直樹』
TBS系にて、毎週日曜21:00~21:54放送
出演:堺雅人、上戸彩、及川光博、片岡愛之助、賀来賢人、今田美桜、池田成志、山崎銀之丞、土田英生、戸次重幸、井上芳雄、南野陽子、古田新太、井川遥、尾上松也、市川猿之助、北大路欣也(特別出演)、香川照之、江口のりこ、筒井道隆、柄本明
演出:福澤克雄、田中健太、松木彩
原作:池井戸潤『ロスジェネの逆襲』『銀翼のイカロス』(ダイヤモンド社)、『半沢直樹3 ロスジェネの逆襲』『半沢直樹4 銀翼のイカロス』(講談社文庫)
脚本:丑尾健太郎ほか
プロデューサー:伊與田英徳、川嶋龍太郎、青山貴洋
製作著作:TBS
(c)TBS