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スウェーデンの巨匠ロイ・アンダーソンの全作品を網羅した特集上映が開始!

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ロイ・アンダーソン監督の最新作『ホモ・サピエンスの涙』 (C)Studio24

9月12日(土)に東京の国立映画アーカイブで開幕する第42回ぴあフィルムフェスティバル(以下、PFF)で、スウェーデンの孤高の映画作家ロイ・アンダーソンの特集上映が開催される。世界三大映画祭すべてで受賞経験のある巨匠の全作品を上映する貴重な機会で、映画祭を統括する荒木啓子ディレクターは「ロイ・アンダーソンを初めて知った若い人にぜひ観てもらいたい」と語る。

ロイ・アンダーソン監督は、長編デビュー作『スウェーディッシュ・ラブ・ストーリー』でベルリン映画祭4冠に輝き、『散歩する惑星』ではカンヌ映画祭審査員賞を受賞。そして最新作『ホモ・サピエンスの涙』ではベネチア映画祭では銀獅子賞に選ばれた。今回の特集では彼のキャリアを網羅するべく全長編作品と、貴重な学生時代を含む初期短編5本を日英字幕で上映する。

「ロイ・アンダーソン監督の特集は昔からやりたいとは思っていました」と振り返る荒木かんとくディレクターは「新作(『ホモ・サピエンスの涙』)が本当に傑作で、来るところまできたなと。それに監督作品をコンプリートした特集はロッテルダム映画祭でしかやっていないので、これはやらなくちゃなってずっと思っていました」と語る。

PFFではこれまでにもサミュエル・フラーやジャン=ピエール・メルヴィル、ロバート・アルドリッチなど映画史にその名を残す監督たちの特集を実施してきたが、多くの映画祭と違い、PFFアワードに参加している監督をはじめとした“自主映画をつくっている若い人たちにみせたい”という観点で特集が組まれている。

「PFFは“PFFアワード”あっての映画祭だと思っているので、毎年、応募作品をずっと観ながら“何かが足りない”と思ったり、モゾモゾとし始めるんですよ(笑)。その時に映画祭にしかできないことは何があるんだろう?って考えるわけです。最近は(応募作品に)画にこだわっている映画が増えてきているんですけど、今回の特集では“本当に画にこだわるとはこういうことでしょ!”ってのを観てもらいたいなと。それにロイ・アンダーソンは映像制作やCM制作をしている人にはよく知られていますけど、自主映画をつくっている人にはあまり知られていない。それは惜しいので、今回の特集でロイ・アンダーソンを初めて知った若い人にぜひ観てもらいたいです」

ロイ・アンダーソン作品の多くは、物語や状況が明確にセリフで説明されるような野暮な展開はなく、観る者のイマジネーションを刺激する圧倒的な映像によって作品が構成されている。観客の予想を心地よく裏切る展開、静謐な空間にうごめく人々を描く違和感と緊迫感、思わず頬がゆるむユーモア……誰にも似ていない、誰にも真似できない、ロイ・アンダーソンの世界は観れば観るほどに発見や驚き、喜び、思索へのきっかけを与えてくれる。

「ロイ・アンダーソンはずっと“歴史”を描こうとしていると思うんですね。人間は愚かなので立ち直ろうとするんだけど、また愚かなことをしてしまう。失敗を繰り返してしまう。そんな悲しい歴史をいつも語っている気がして。日本では歴史に対する認識が一番無視されている気がするんですけど、私は歴史についてちゃんと考えている人が良い映画をつくると思うんです。それに自分の中に“絶対に譲れない”ものがあればあるほど、良い映画になっていくんだってことを伝えるのに、こんなに良い作品はないと思っています」

映画祭では全作品の上映だけでなく、CM作品や監督メッセージも準備中。会場の大きなスクリーンでロイ・アンダーソン作品に出会ったことで、自身の創作に影響を受ける若手監督も出てきそうだ。

「若いってことは柔軟だってことだから、ここでロイ・アンダーソンを観てビックリして、それで何か変化が訪れたら、それはすごく嬉しいことですよね」

第42回ぴあフィルムフェスティバル
9月12日(土)〜26日(土)[月曜休館]
会場:国立映画アーカイブ(東京都中央区京橋3-7-6)

■ロイ・アンダーソン監督特集 〜素敵なにんげんたち〜
『スウェーディッシュ・ラブ・ストーリー』
1970年ベルリン国際映画祭で国際批評家連盟賞ほか4冠 *35mmフィルム上映
『ギリアップ』
港町のホテルを舞台に描く、哀愁漂うクライムムービー *日本初上映
『散歩する惑星』
構想20年、撮影4年をかけて撮り上げた傑作*35mmフィルム上映
『愛おしき隣人』
架空の街を舞台としたユーモラスな人類観察映画 *35mmフィルム上映
『さよなら、人類』
時空間も現実も超えた、真面目でおかしな人々の人生と死の物語
『ホモ・サピエンスの涙』
全33シーンすべてをワンシーンワンカットで撮影! *特別上映
「短編プログラム」
貴重な学生時代を含む初期短編5本を日英字幕で上映 *日本初上映

チケット購入
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=2021994
0570-02-9999 (Pコード:551-184)
※各回とも上映前日の23時59分まで発売
※発券手数料、システム手数料は、一切掛かりません。
※チケットの払い戻し、交換、再発行はいたしません。
※チケットは会場では発券できません。必ず発券して会場までお越しください。

オンライン配信も実施(監督のビデオメッセージ付き)
・「短編プログラム」*日本未公開作 9/22(火)18:30〜23(水)18:30
・『ギリアップ』*日本未公開作  9/23(水)18:30〜24(木)18:30
【配信プラットフォーム】
(1) PIA LIVE STREAM
https://t.pia.jp/pia/events/pialivestream/
(2) uP!!!
https://bit.ly/3jOrkhR

料金:950円 ※uP!!!で視聴の場合、auスマートパスプレミアム会員は500円

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