森七菜の恋する表情がたまらない! 『エール』梅と五郎さんのピュア過ぎる恋模様
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9月14日よりついに放送が再開された朝ドラ『エール』(NHK総合)の本放送。第14週「弟子がやって来た!」の主役の2人、梅(森七菜)と五郎(岡部大)のピュアな恋愛が最高だ。
作曲家を目指し裕一(窪田正孝)の弟子になりたいと古山家にやってきた五郎、彼の後を追うようにタイミングよく上京してきた音の妹・梅。年頃の男女が同居というのは……と五郎と梅が一緒になる想像をし「ない! ない!」と笑う裕一だったが、どうやらなきにしもあらずな展開となってきている。久々の本放送再開に気合の入った朝ドラ受けの『あさイチ』(NHK総合)でも、梅の恋愛模様で話題が持ちきりに。
これまで『エール』では裕一と梅、鉄男(中村蒼)と希穂子(入山法子)、保(野間口徹)と恵(仲里依紗)、環(柴咲コウ)と嗣人(金子ノブアキ)など、様々な恋愛の形が描かれてきたが、梅と五郎は最も若く純朴な2人。そこに梅に一目惚れをした久志(山崎育三郎)が横入りしていることも、より2人を引き立てているポイントである。
観ていて惹きつけられるのは、日々ありありと変化していく梅の表情だ。五郎を入れて食卓を囲む初日。ご飯を口いっぱいに頬張っては「恐縮です」とおかわりをする五郎を、梅は睨みつけ、空気に耐えきれずに2階の自分の部屋に上がっていく。心の拠り所は「文藝ノ友 新人賞 関内梅」と書かれた自身の才能を認めてくれる功績。いつも近くで見守り、亡き父への詩も託してくれた音とは、一緒になって喜びを分かち合うことができる。現実主義者で冷静沈着、加えて女性ばかりの家庭で育ったことも五郎と壁を作ることに拍車をかけているのだろう。
作品よりも容姿を重んじる周りの目、過去を捨て去り梅への嫉妬に駆られた同級生・幸文子(森田想)。東京は思い描いていた場所とは違っていたのだと現実を知る梅だったが、見返りを求めない純粋な優しさで寄り添ってくれたのが五郎だった。思ったことが口からこぼれ落ちてしまうほどの素直な心、間違ったことを全力で注意できる真摯な態度。五郎は梅の足りない部分を補うることのできる、“知らん世界”を教えてくれる人。一生文学だけでいいと、つまらない人間だと自分に諦めた梅に、五郎が「本当にそう思ってるんですか?」と投げかけてきた言葉は、きっと想定外のことだったのだろう。柔和な笑顔だった梅の表情は、一気に曇っていく。
しかし、それは梅のことを思っての言葉。華(田中乃愛)から五郎が陰ながら梅の作品が載った「文藝ノ友」を何度も読んでいることを教えられ、梅は動揺を隠せない。五郎は自分の容姿ではなく才能、中身を好きになってくれた人。裕一や父・安隆(光石研)と同じように五郎も自身を見つめるきっかけをくれた。床に就く五郎の足元に「文藝ノ友」を見つけては、一人静かに笑う梅。突如、むくっと起き上がる五郎にどうしていいか分からない表情の梅もたまらない。
第14週は梅の移ろいゆく感情と表情の変化が醍醐味の一つであるが、演じる森七菜の素顔を知っているとさらにそのギャップに驚かされる。『ZIP!』(日本テレビ系)の8月度金曜パーソナリティーを務めていた森七菜。その天真爛漫でいて、飾り気のない愛らしいキャラクターは、朝のトレンドを大いに賑わせていた。「スマイル」を歌い間違ってしまっても、潔く認められるありのままの姿。『エール』の現場でも、キャスト陣から妹のようにかわいがられているという理由がよく分かる。
10月からスタートする初主演ドラマ『この恋あたためますか』(TBS系)を筆頭に、2021年公開の映画『ライアー×ライアー』など、続々と出演作品が発表されている森七菜。『エール』が終わりを迎えた後も、彼女の勢いが収まることはなさそうだ。
■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter
■放送情報
連続テレビ小説『エール』
2020年3月30日(月)〜11月28日(土)予定(全120回)
※9月14日より放送再開
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45
※土曜は1週間を振り返り
出演:窪田正孝、二階堂ふみ、薬師丸ひろ子、菊池桃子、光石研、中村蒼、山崎育三郎、森山直太朗、佐久本宝、松井玲奈、森七菜、柴咲コウ、風間杜夫、唐沢寿明ほか
制作統括:土屋勝裕
プロデューサー:小西千栄子、小林泰子、土居美希
演出:吉田照幸、松園武大ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/yell/