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日向坂46が繰り出す“斬新な笑い” 『日向坂で会いましょう』企画「ぶりっ子選手権」好評の理由

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リアルサウンド

 先日放送された日向坂46の冠番組『日向坂で会いましょう(以下:ひなあい)』(テレビ東京)では、1stアルバム『ひなたざか』のヒット祈願が行われたが、ヒット祈願を行ったメンバーは「第2回ぶりっ子選手権」から選出された8名だった。前身グループ・けやき坂46時代から“ぶりっ子”を切り口とした笑いを生み出すことが多々あったが、今回はそんな日向坂46のぶりっ子芸がなぜ面白いのかを考察すると共にこれまでの歴史を振り返ってみたい。

 振り返ると、1期生の柿崎芽実(現在はグループを卒業)と、2期生の宮田愛萌が『ひらがな推し』(テレビ東京)時代に“メンバーが選んだぶりっ子メンバーランキング”で1位、2位にランクインした頃から、ぶりっ子芸がフィーチャーされるようになったのではないだろうか。この時、柿崎が高瀬愛奈相手に“他人と会話中横にいる柿崎芽実”というぶりっ子芸を披露し、MCを務めるオードリーの2人を爆笑させた。その柿崎は宮田に票を入れ「愛萌は常にあざとい。私とは流派の違うぶりっ子です」と説明。これを受け、2人によるぶりっ子フリースタイルバトルが急遽行われたのだ。その際の柿崎と宮田の堂々としたぶりっ子芸の応酬に沸くスタジオ。オードリーの若林正恭は「これは面白いね。いつかまた勝負しましょうよ」と好感触を示した。

 その後行われた「クリスマス特別企画 男子をドキドキさせろ! けやき坂46 ぶりっ子選手権」では、全メンバーが参加した。ここでも見事なぶりっ子芸を披露した柿崎と宮田に加え、バラエティ能力の高い加藤史帆、佐々木久美、富田鈴花、渡邉美穂といったメンバーは独自のスタイルを早い段階から見出しスタジオを沸かせていた。柿崎のぶりっ子に“イラッとする”とコメントしたことのあった佐々木久美がぶりっ子する側に急ハンドルを切っていたのも番組を盛り上げようとする意識の高さが伺える。

 柿崎が昨年6月にグループを卒業するとしばらくの間は“ぶりっ子王”は不在のままだった。しかし2019年末に放送された『ひなあい』の「こんなに言っちゃっていいの?#ひなたのカミングアウト」で齊藤京子が、東村芽依に対し「すぅきぃ」と言ってデレデレするというぶりっ子芸を披露。そして「第2.5回 企画プレゼン大会」企画で、渡邉が「『2代目ぶりっ子王座 決定戦』をやりたい」と直訴し、この時に齊藤(や)、加藤(や)、丹生明里(天)、富田(や)、佐々木久美(天)、宮田(や)、渡邊(天)を「天然(生まれながらにかわいくなってしまう人)」「やってる(計算でかわいくしている人)」に区分したことで日向坂46のぶりっ子芸も新たな展開を迎えた。

 このような経緯を経て行われた「第2回ぶりっ子選手権」ではニュースターも誕生した。1stアルバムのリード曲「アザトカワイイ」でセンターを務めることとなった佐々木美玲だ。「あたちは~」と体を左右に振って語り出すなど、振り切れたぶりっ子芸を見せて何度もスタジオを爆笑に包んでいた。「第1回ぶりっ子選手権」ではそれほど大きな活躍を見せたかった佐々木美玲の殻を破った姿は見事だったといえる。また「ぶりっ子選手権」に初参加となった3期生の4人も健闘していた。特に上村ひなのは独自のスタイルを貫きながら決勝戦まで駒を進め、存在をアピールした。2018年8月から学業に専念するため、活動を休止していた影山優佳もグループ復帰後、初のぶりっ子企画に参加し、一切迷いを感じさせない芸を見せしっかりとインパクトを残した。

 ぶりっ子王座を決める企画ではあったが、大喜利要素も盛り込むなど、やはりどこか斬新さを感じさせてくれた。今回は残念ながら齊藤が欠席してしまっていたが、第3回が開催された時はしっかりと“計算でかわいくしている”ぶりっ子芸を披露してくれることだろう。そこでも新たなぶりっ子スターの誕生に期待したい。

■中山洋平
1983年生まれ。フリーランスの編集・ライター。ボウリング、洋服、ギター、サウナ好き。Twitter