唐沢寿明、仲間由紀恵ら共演『24 JAPAN』はどうなる? オリジナル版から日米キャストを比較
映画
ニュース
いよいよ10月9日からスタートする『24 JAPAN』(テレビ朝日系)。世界的大ヒットドラマの日本版リメイクは、テレビ朝日が20世紀FOXとタッグを組み全24話で放送されるなど、本家に負けない本格仕様となっている。すでに出演者も発表され本編への期待も高まる中、日米のキャストを比較し、作品の行方を占ってみたい。
ジャック・バウアーは唐沢寿明
スリル、サスペンス、アクションが息つく間もなく展開するオリジナル版『24 -TWENTY FOUR-』の主人公と言えば、ジャック・バウアー(キーファー・サザーランド)。誰もが一度は名前を聞いたことがある連邦捜査官は『24』の代名詞的存在であり、拳銃を構えたガンアクションのパロディでも有名だ。
ジャックの日本版、獅堂現馬を演じるのは唐沢寿明。ブルース・リーに憧れて芸能界に入っただけあって、危険を顧みず敵の渦中に飛び込む獅童のイメージは唐沢にぴったりだ。多くのジャンルで代表作を残してきた唐沢だが、ここ数年『THE LAST COP/ラストコップ』や『ボイス 110緊急指令室』(いずれも日本テレビ系)で本格アクションシーンを披露するなど、シャープさに磨きがかかっている。『THE LAST COP』ではドイツ版のリメイクに挑戦し、最終話で警察署シーンを生放送するなど、現場対応力も抜群。『24 JAPAN』チームを力強く牽引してくれるはずだ。
CTUは納得の人選
獅堂とともに任務にあたるCTU(テロ対策ユニット)は、オリジナル版の名称を引き継いだ。ジャックの右腕として活躍するニーナ・マイヤーズ(サラ・クラーク)にあたるのが水石伊月(栗山千明)だ。映画『バトル・ロワイアル』『キル・ビル Vol.1』で鮮烈なバトルシーンを演じた栗山は、捜査官役の経験も豊富。映画『劇場版 SPEC』や『遺留捜査』(テレビ朝日系)シリーズに加え、『サイレント・ヴォイス 行動心理捜査官・楯岡絵麻』(BSテレ東)では頭脳明晰な知性派刑事を好演しており、納得の人選と言える。
また、オリジナル版でニーナと恋愛関係にあったのがチームのNo.3であるトニー・アルメイダ(カルロス・バーナード)で、ジャックを加えた3人の関係が重要な伏線となった。トニーにあたる南条巧を池内博之、またCTUで暗号解読を担当するジェイミー・ファレル(カリーナ・アロヤグ)ことシングルマザーの明智菫を朝倉あきが演じるなど、実力派をそろえた最高のチームが集結した。
CTU東京本部の第1支部長で、獅堂の直属の上司にあたる鬼束元司を演じるのは佐野史郎。オリジナル版のジョージ・メイソン(ザンダー・バークレー)は、序盤でジャックに麻酔銃を撃たれた男と言えばわかるだろうか。『24 JAPAN』公式サイトでは「出世第一主義の食えない男」とされており、現場第一の獅堂とは馬が合わない。佐野と唐沢は共演も多く、ベテラン2人のかけ合いにも注目だ。
初の女性総理候補に仲間由紀恵
今回リメイクされるのは、オリジナル版のシーズン1にあたるエピソード。大統領候補のパーマー上院議員(デニス・ヘイスバート)にテロリストから殺害予告が送られる。アフリカ系アメリカ人初の大統領は、『24 JAPAN』では女性初の総理大臣候補・朝倉麗(仲間由紀恵)として登場する。近年、幅広い役柄に挑んでいる仲間。凛としたオーラとミステリアスさを兼ね備えた総理候補は、物語のもう一方の主軸にふさわしい。オリジナル版では、ジャックとパーマーに立場を超えた信頼関係も生まれたが、獅堂と麗の間にはどんな感情が生まれるのだろうか。
『24』オリジナル版は、パーマー家をめぐる家族ドラマの要素も含んでいる。麗の夫・遥平を筒井道隆、息子の夕太を今井悠貴、娘の日奈を森マリアが演じる。筒井は、放送中の『半沢直樹』(TBS系)でヒール役を演じ、トレンディ俳優のイメージを完全に脱却。権謀術数に長けた遥平は、妻を支えて試練を乗り切ることができるのか? 家族役の演技に期待したい。
信頼度抜群の獅堂家
『24 JAPAN』最大の見どころは、24時間で同時多発的に起きる複数のエピソードだ。ここまで見てきたように、総理候補暗殺をCTUと朝倉家それぞれの視点から追うが、そこに獅堂個人の危機が重なってくる。日本版でも、獅堂の一人娘・美有(桜田ひより)が誘拐される。妻の六花(木村多江)が娘の捜索に乗り出し、獅堂もテロに備えながら、美有の行方を探す。
オリジナル版のジャックの娘キム(エリシャ・カスバート)と妻テリー(レスリー・ホープ)にあたる桜田と木村は、もっとも信頼のおける配役と言っていいだろう。主演を含む出演歴多数の両者だが、桜田は『トップナイフ-天才脳外科医の条件-』(日本テレビ系)で天海祐希演じる主人公の娘役、木村は『あなたの番です』(日本テレビ系)の榎本早苗役が印象に残る。いずれも複雑な事情を抱えた家族の一員として、ドラマの中で重要な役割を担った。キムとテリーはジャックと文字通りの運命共同体であり、桜田と木村も、唐沢とともに長い1日を駆け抜ける。
充実した布陣の『24 JAPAN』。オリジナル版を踏襲しつつ、強力なキャストで、初めての人でも楽しめるエンタメ指数の高いドラマになりそうだ。
■石河コウヘイ
エンタメライター、「じっちゃんの名にかけて」。東京辺境で音楽やドラマについての文章を書いています。ブログ/Twitter
■放送情報
『24 JAPAN』
テレビ朝日系にて、10月9日(金)スタート 毎週金曜23:15〜放送
※一部地域を除く(全24話)
出演:唐沢寿明、仲間由紀恵、木村多江、桜田ひより、筒井道隆、今井悠貴、森マリア、栗山千明、池内博之、朝倉あき、村上弘明、片瀬那奈、高橋和也、前川泰之、上杉柊平、犬飼貴丈、柳美稀、神尾佑、でんでん、水野久美、櫻井淳子、内村遥、天野慶久、時任勇気、佐野史郎
日本語版脚本:長坂秀佳
日本語版脚本協力:山浦雅大
音楽:奈良悠樹
チーフプロデューサー: 五十嵐文郎(テレビ朝日)
プロデューサー:船津浩一(テレビ朝日)、神田エミイ亜希子(テレビ朝日)、下山潤(トータルメディアコミュニケーション)
協力プロデューサー:藤本一彦(テレビ朝日)
監督:鈴木浩介、木内健人、日暮謙、大塚徹
原作:Based on the U.S. Series “24” Created by JOEL SURNOW & ROBERT COCHRAN (c)2020 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved.
制作協力:トータルメディアコミュニケーション
制作:テレビ朝日
(c)テレビ朝日