つばきファクトリー 山岸理子と岸本ゆめのが明かす、前進続けるグループが目指す先「アイドル界でのポジションを確立したい」
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2015年にハロプロ研修生ユニットとしてスタートしたつばきファクトリーは、メジャーデビューこそ結成から2年を要したものの、その年の『日本レコード大賞』最優秀新人賞を受賞するなど着実に結果を残してきたグループだ。個性の強いメンバーが多いハロー!プロジェクト所属グループの中では比較的落ち着いた印象に見られがちな面も持ち合わせるが、「低温火傷」や「意識高い乙女のジレンマ」などに代表されるハイクオリティな楽曲群は、グループのファンのみならず一般の音楽ファンからも高い評価を得ている。また、新型コロナウイルスの影響で中止になってしまったとはいえ、今年春にはグループ初となる単独ホールツアーも予定されていた。9人の少女たちは、確実に前進を続けている。
リアルサウンドでは、9月30日にニューシングル『断捨ISM/イマナンジ?』をリリースしたつばきファクトリーのメンバーに初の単独インタビュー。山岸理子と岸本ゆめのの2人に、グループの魅力や目指す方向性などについて話してもらった。(ナカニシキュウ)
「理子ちゃんがリーダーで本当によかった」
ーーこの記事で初めてつばきファクトリーに触れる読者もいると思いますので、どんなグループなのかを知ってもらえるインタビューにしたいと思っています。まず、リーダーの山岸さんがどんな人なのか、岸本さんからご紹介いただけますか?
岸本:山岸理子はリーダーであると同時に、グループの雰囲気を作ってくれている人です。女性らしくておっとりしたイメージの理子ちゃんがリーダーだから、おしとやかなつばきファクトリーでいられるのかなって(笑)。
山岸:喋り方とか、見た目もおっとりしてるねってよく言われます(笑)。
岸本:ですけど、パフォーマンスになると表情がガラッと変わるんです。最近だと『Hello! Project presents…「ソロフェス!」』で、家から持参した椅子を使ってすごくセクシーなダンスを披露したりとか、ギャップがすごくて。イメージとしては、普段は会社で物静かに仕事をこなしているのに、同僚から「山岸さんってプライベートは全然そんな感じじゃないらしいよ」と噂されるOLさん、みたいな感じですね(笑)。
ーーなるほど(笑)。逆に、山岸さんから見た岸本さんは?
山岸:岸本ゆめのちゃんは、私があまりメンバーにガツガツ言えない分、代わりに言ってくれるので、すごいなーって尊敬しています。陰のリーダーというか、支えてくれる人ですね。楽屋でも、たくさんギャグをやってみんなを笑わせてくれたり。
岸本:みんな笑ってないですけどね。今、笑ってることにしてくれましたけど(笑)。
山岸:(笑)。でも、一緒にいるだけで笑顔になれるような、明るい人だなって思います。
ーーでは、お互いにダメ出しをするとしたら?
岸本:ダメ出しですか……。
山岸:えー、難しいな。
岸本:理子ちゃんは、飽きっぽいのかな。好奇心が旺盛なこと自体はすごくいいと思うんですけど、すぐいろんなものに手を出すわりに、それが続いているという話をあまり聞いたことがない(笑)。最近だと、屋台でよくあるスーパーボールすくいをおうちでやってました。水を張った桶にスーパーボールを入れて、すくうためのポイもわざわざ買ってたんですけど、まだやってるのかな? それと、本もよく買うんです。“大人としての常識”とか“レディの振る舞い”みたいな本をよく買ってくるんですけど、「ホントに読んでるの?」って(笑)。どうなってるのか、気になってます。
ーーどうなってるんですか?
山岸:三日坊主ですね(笑)。本は買ったら満足しちゃって読んでないし、スーパーボールは甥っ子にあげました。でも、ゆめのちゃんもけっこう熱しやすく冷めやすいところがあって。
岸本:確かに(笑)。
山岸:だから、けっこう似たもの同士だと思います(笑)。
ーーなるほど。そんな山岸さんですが、リーダーとしてはどんな意識で務めてらっしゃるんでしょうか。
山岸:まずグループ全体を見る、1人ずつをちゃんと見てあげることが大事なのかなと思っていて。自分が引っ張っていく感じではないので、誰かが落ち込んでいたら励ますような人でありたいなと思います。リーダーと一口に言っても、元モーニング娘。の中澤裕子さんみたいにグイグイ引っ張るタイプもいれば、元Berryz工房の清水佐紀さんのように見守るタイプもいますよね。人それぞれやり方は違うんだっていうことをハロー!プロジェクトの歴代リーダーから学びました。ハローの現リーダーである譜久村聖(モーニング娘。’20)さんも「自分らしくやるのが一番だよ」と言ってくださったので、その言葉を励みにがんばっています。
岸本:仮に私がリーダーを任されていたら、絶対につばきファクトリーは崩壊してたんですよ。
ーーそんなことはないと思いますけど(笑)。
岸本:私は思ったことをすぐに言っちゃうタイプで、そこが本当に悪いところだと思うんです。理子ちゃんは自分の気持ちを1回置いといて、一歩引いてグループ全体のことを考えることができる人で、そういうところがすごく大人だなって。理子ちゃんがリーダーで本当によかったなと思います。
ーーでも、パッと見は岸本さんのほうがリーダーっぽいというか。
岸本:体育会系なんですよね(笑)。
ーーそういうタイプじゃない山岸さんがリーダーだからこそ、今のつばきが持つ独特の空気感が形成されたと。
岸本:はい、そう思います。
ーーお2人がパフォーマンス面で気をつけていること、「ここを見てほしい」と思っていることを教えてください。
山岸:私はもうすぐ22歳になるので、「もっと大人っぽく」と。振る舞いとか、髪のさばきひとつを取っても大人っぽく見えるよう意識しています。
ーー椅子を持ち込んだりして。
山岸:そうですね(笑)。
岸本:理子ちゃんはリーダーとしてグループのカラーを作ってくれる人ではあるんですけど、パフォーマンスとなると、必ずしも“つばきらしさ”の象徴ではないんですよ。つばきらしさを体現してくれるメンバーは、小片リサちゃんや浅倉樹々ちゃんなど、ほかにいるので。山岸理子は山岸理子として、ほわほわしているイメージはあるんですけど、一本芯が通っていることが伝わってくるパフォーマンスだと思います。
山岸:ダンスは好きなので。4歳の頃から習っていますし、とくにがんばろうと思っています。
ーー岸本さんが気をつけていることは?
岸本:私が意識しているのは、「誰かのモノマネにならないように」ということですね。研修生の頃なんかは本当に先輩のマネばっかりしていましたし、歌モノマネとかも好きなので。でも、岸本ゆめのとして歌わなきゃ意味がないなと。それに加えて、これは本当に最近できた目標なんですけど、自分の色を出しすぎてもつばきファクトリーのカラーには合わない部分があるので、その切り替えというか、どっちも持ってなきゃいけないと考えています。自分らしさは保ちつつ、グループにもしっかりなじむようなパフォーマンスができるように。
ーーめちゃくちゃ難しいところに目標を置いているんですね。ちなみに、ご自分とつばきファクトリーの“合わない部分”というのはどういうところなんでしょうか。
岸本:“可憐さ”の部分ですね。5年前の結成時から、よく「きしもんはこぶしファクトリーっぽいよね」と言われたり、今だと「アンジュルムにいそうだよね」って言われることが多くて。レコーディングのときも、“切ない乙女心”系の曲はスムーズにいかないことが多いですし、克服しなきゃいけない分野だと思っています。
山岸:全然できてると思うんですけど。私、ゆめのちゃんの声がすごく好きなので、できあがった音源を聴くと毎回「すごくいいな」って思います。
岸本:ええー? じゃあ、それもひとつのご意見として、ありがたく頂戴しつつ(笑)。
「無色だからこそ何色にでも染まれる」
ーーグループとしては、つばきファクトリーの強みはどこにあると考えていますか?
山岸:つばきファクトリーは“切ない乙女心”を歌う楽曲が多いので、女性には共感していただけると思うし、男性には「女の子ってこんな気持ちなんだ?」と思っていただけるんじゃないかと思います。
岸本:芯の強いメンバーばかりで、個性もバラバラの9人が集まってはいるんですけど、パフォーマンスをするとなればちゃんとひとつのカラーになれるんです。“9”にもなれるし、“1”にもなれる。そこは強みだなと思います。
ーーちなみに、結成のタイミングなどでグループの方向性についてのお話はあったりするものなんですか?
岸本:いえ、グループ名の由来としては「椿の花のような凛とした美しさを持ち、Berryz工房さんの意思を受け継ぐ」というコンセプトではあるんですけど、最初の頃はあまりカラーがなくて。それが逆に、「無色だからこそ何色にでも染まれる」っていう強みでもあったのかなと。今は“切ない曲”のイメージがついてはきましたけど、それと同時にカッコいい曲や強い曲も歌えるところは強みだと思いますし、そうありたいと思う部分でもあります。
ーー外から見ていると、正直ハロー!プロジェクトの中ではつばきファクトリーが一番「どういうグループなのか」がわかりづらい印象があったんです。でも、ご本人たちとしては逆にそれこそが武器だという認識だったんですね。
岸本:いえ、「無色で何色にでも染まれる」っていうのはポジティブに言っているバージョンで、最初は「どうすればいいんだろう?」っていうのはありました。どうしたら自分たちのカラーが出るのかを悩み抜いた上でそういう考え方になったので。
山岸:自分でも取り柄がわからなくて、「どういうグループになっていくんだろう?」って思ってました。
ーーそこで、「こうやっていったらいいんじゃないか」みたいなことは考えました?
山岸:結成当初は目の前のひとつひとつに精一杯で、そういうことまで考えられなかったですね。
ーー若かったですしね。当時まだ皆さん15歳前後とかで。
岸本:ハロー!プロジェクトでは、モーニング娘。はモーニング娘。ですし、アンジュルムは個性派パフォーマンス集団、Juice=Juiceは大人っぽい、とかそれぞれカラーがある中で、私たちのメジャーデビューシングルに収録された3曲は、カッコいい曲と強い曲とかわいい曲、っていうバラバラな内容だったんです。そういう楽曲をいただける以上は、その1曲1曲を全部自分たちのものにして、ハロー!プロジェクトのほかのグループが持っているいい部分を全部表現できるグループになれたら最高なんじゃないかとは思っていました。
ーー「ハロー!プロジェクトのあらゆる側面をつばきファクトリーが担っていこう」みたいな。
岸本:はい。
ーー現在、ハロー!プロジェクト内での自分たちの立ち位置をどういうふうに捉えているかというお話も聞かせてください。気がつけば平均年齢もけっこう上のほうですよね。
岸本:一番上なんですよ。
ーーあ、一番上なんですか。さすがにそのイメージはありませんでした。
岸本:そうなんです、いつの間にか(笑)。
山岸:20歳以上のメンバーも増えてきたので、大人っぽさもありつつ、清潔感や清楚さも保ちつつっていう両面を合体させたようなグループじゃないかなって思います。
岸本:岸本が思うのは、今のハロー!プロジェクトでデビューからずっと変わらないメンバーでやってきているグループはつばきだけ……あ、BEYOOOOONDSもいますけど。
ーーBEYOOOOONDSはまだ歴史も浅いですし。
岸本:はい。ずっと9人で変わらずにやってこられているのはうれしいことだと思っています。9人で歩んできて、歳も重ねてきて(笑)。楽曲の主人公も一緒に成長してきているような気がしているんですよ。私たちとともに、ちょっとずつ大人になってきている。
山岸:あー、確かに。
岸本:というのがあるので、全楽曲を通してひとつのドラマとして見ていただくこともできる。そこは私たちならではなのかなと思っています。
ーーアイドル界全体の中ではいかがでしょう。
岸本:まだグループとしてのポジションを築けてはいないのかなと思います。たとえばモーニング娘。はハロー!プロジェクトの象徴でもあると思うので、それこそAKB48さんやBiSHさんなんかと対等の位置にいると思うんですけど、つばきはまだそこに並ぶところにはいないのかなと。そこで戦いたい気持ちはあります。
ーーでは、その土俵に立つためには何が必要だと思いますか?
岸本:これはグループとして共通の考えではないんですけど、岸本個人としては、たとえばBiSHさんだったらメンバーさんが楽曲作りや振付も自らやられていたりとか、音楽の知識があるというのは強いなと思っていて。楽曲をいただいて、それを歌って踊るだけで終わっていたらダメなのかなっていうのは考えます。
山岸:私が思うのは、たとえばBEYOOOOONDSだったら曲中に演技パートがあるとか、こぶしファクトリーならアカペラがあったり、そういう「このグループといえば」みたいな……。
ーーわかりやすい武器というか。
山岸 そういうものがあったらいいのかなと思います。
ーー具体的に何か「こういう武器が持てるんじゃないか」と考えたことはありますか?
山岸:つばきでですか?
ーー「つばきでですか」って(笑)。
岸本:そりゃ、つばきででしょ(笑)。
山岸:(笑)。シリアルイベント(CDなどに封入されるシリアルナンバーを使って応募し、当選者が参加できるイベント)っていうのがあるんですけど、私たちはそこで寸劇をやらせていただいていて。メジャーデビューする前も舞台をやらせていただく機会が多かったので、「つばきファクトリー=演技」みたいな立ち位置になれるのかな? とは思っていました。でも、それはBEYOOOOONDSのものになったので。
ーー今それをやったら、逆にBEYOOOOONDSのマネみたいになっちゃいますもんね。
山岸:そうですね。
岸本:もちろん自分たちの武器については考えてきているんですけど、「何ができるんだろう?」って思ったままですね……。
ーーでも、そういう武器が欲しいとは思ってらっしゃるんですね。
山岸・岸本:思います。
ーー何かいいものが見つかることを期待しています。では最後に、今後について考えていることを教えてください。
山岸:コロナの影響で初のホールコンサートがなくなってしまったので、改めて9人で単独ホールコンサート開催を達成したいです。
岸本:アイドル界でのポジションを確立したいです。つばきはまだまだ小さいと思うので、いろんな先輩方と肩を並べたいですね。
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サイン入りチェキプレゼント
つばきファクトリー 山岸理子と岸本ゆめのサイン入りチェキを1名様にプレゼント。
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<締切:10月14日(水)>
■リリース情報
『断捨 ISM /イマナンジ?』
9月30日(水)
初回生産限定盤A:¥1,700+税 DVD 付+イベント抽選応募券封入
初回生産限定盤B:¥1,700+税 DVD 付+イベント抽選応募券封入
通常盤A:¥1,000+税 トレーディングカードソロ 9 種 + 集合 1 種よりランダムにて 1 枚封入
通常盤B:¥1,000+税 トレーディングカードソロ 9 種 + 集合 1 種よりランダムにて 1 枚封入
<CD収録内容>
・断捨 ISM
・イマナンジ?
【通常盤 A 収録 Additional Track】
【通常盤 B 収録 Additional Track】
※各曲インストゥルメンタル収録。