朝夏まなとと土屋太鳳が競演『ローマの休日』本日開幕
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ミュージカル『ローマの休日』
映画史に燦然と輝くオードリー・ヘプバーン主演の同名映画を、東宝が1998年に世界で初めてミュージカル化した『ローマの休日』。楽曲を大島ミチル(音楽)と斉藤由貴(作詞)が手がけ、主演の大地真央と山口祐一郎が二人乗りバイクで劇場を駆け回ったことも大きな話題を呼んだ作品が、新キャストを迎えて装いも新たに生まれ変わることとなり、本日10月4日(日)に帝国劇場で初日を迎える。
物語の舞台は、ヨーロッパのとある国の王女アンが、諸国歴訪の旅の途中で立ち寄った初夏のローマ。公式行事が続く毎日を窮屈に感じていたアンは、大使館をこっそり抜け出し街へ繰り出すのだが、処方されていた薬が効き出し眠り込んでしまう。そこへ通りかかった新聞記者のジョー・ブラッドレーは、彼女がアン王女とは知らずに助け起こし、放っておくこともできず自分の下宿へ。翌朝彼女の素性を知ったジョーは、王女のプライベートをスクープしようと、ローマ観光をエスコートするのだが……?
東宝ミュージカルと言えば、海外発の大型作品の翻訳上演というイメージが強いが、実はその歴史の始まりは日本オリジナル作品。1950年代に「帝劇ミュージカルス」と称される一連のオリジナル作品でスタートを切り、1960年代からの数々の翻訳作品を経て、この『ローマの休日』を皮切りに再びオリジナル作品にも取り組むようになった。『風と共に去りぬ』『十二夜』『マリー・アントワネット』『レディ・ベス』へと続く良質なオリジナル作品の流れは、この作品から始まっていたのだ。...…といった事実は、大盛況となった8月のコンサート、『ザ・ミュージカルコンサート at IMPERIAL THEATRE』でも紹介された通り。
そんな記念碑的な作品の20年ぶりの再演でアン王女を演じるのは、帝劇で主演するのは今回が初となる朝夏まなとと、ミュージカル自体が初挑戦となる土屋太鳳(ダブルキャスト)。さらにジョー・ブラッドレー役には加藤和樹と平方元基、カメラマンのアーヴィング役には太田基裕と藤森慎吾と、楽しみな顔ぶれが揃った。そんな彼らが、初演の演出も手がけた山田和也とともに描き出す、新たな『ローマの休日』に期待したい。
ミュージカル『ローマの休日』
10月28日(水)まで帝国劇場にて
愛知・御園座にて12月19日(土)~12月25日(金)
福岡・博多座2021年1月1日(金・祝)~1月12日(火)開催予定
文:町田麻子