角川春樹と松任谷由実が「みをつくし料理帖」語る、手嶌葵はサプライズで主題歌披露
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「みをつくし料理帖」公開記念スペシャルイベントの様子。左からMCの横山雄二、松任谷由実、角川春樹。
「みをつくし料理帖」の公開記念スペシャルイベントが本日10月12日に東京・有楽町朝日ホールで行われ、主題歌を書き下ろした松任谷由実、監督の角川春樹が出席した。
高田郁の時代小説シリーズをもとにした本作。主人公・澪が料理人として成長していく姿や、吉原で花魁として生きる“あさひ太夫”こと幼なじみ・野江との不変の友情が描かれる。松本穂香が澪、奈緒が野江に扮した。
登壇した角川は「73本作ってきて、『今回の映画だけ』ということがいくつもある」と口火を切る。「クランクアップするとあまり後を引きずらないが、今回2カ月引きずった。夢の中で、撮影現場や編集フィルムを観る場面が出てきた」と話し、さらに今回だけ製作打ち上げの際に撮影した写真を部屋に飾っていると明かした。
撮影について「リラックスして、淡々と楽しんで撮っていた。だから映画に余計な力が入ってない。誰よりも自分が楽しんだ」とコメントした角川。今回監督したきっかけは京都の伏見稲荷にあると述べ、「2年前に妻と子と、伏見稲荷の3カ所で不思議な人物に会った。人間じゃない人物。この映画は作らされたという気持ちがあるね」としみじみと語った。
続いて和服に身を包んだ松任谷が壇上へ。角川が“最後の監督作”と公言する本作の主題歌オファーを受けた心境を「来たー!って思いました」と表現する。松任谷が作詞・作曲をした主題歌「散りてなお」を歌ったのは手嶌葵。「彼女の歌唱に前々から興味があった」という松任谷は「手嶌さんの質感に寄り添うように作りました。彼女にとてもインスパイアされて……いいキャスティングをありがとうございます」と角川へ感謝した。
主題歌「守ってあげたい」を担当した「ねらわれた学園」で角川作品に初めて参加した松任谷。角川とのさまざまなエピソードを挙げつつ、「角川さんは少女性をお持ちなんです」「少女同士の友情物語で、角川さんらしいなと思いました」と本作への感想を述べた。すると角川は、角川を知るほとんどの人が「こういう映画を作るとはまったく思わなかった」と口にする中、テリー伊藤と読売テレビ社長・大橋善光のみが「これが角川さんの本質なんだな」とコメントしたというエピソードを披露する。
松任谷の「春よ、来い」に感銘を受け、「それを超える曲を作ってほしい」と今回の主題歌を頼んだという角川。彼に対し松任谷は「曲は出会いなので、それには勝てない」とほほえみつつ、「大変難しいお題だったけどそれができたと思います」「5分間のドラマとして、映画の世界観をギュッと凝縮して表す、ふさわしいものであったらいいなと思っています」と語った。
最後にはサプライズゲストとして手嶌がリモートで参加し、「散りてなお」を披露する一幕も。角川は「打ちのめされた感覚。魂を引っ張り出されて、洗濯されて戻された感じがしますね」と感じ入っていた。
「みをつくし料理帖」は10月16日より全国ロードショー。
(c)2020 映画「みをつくし料理帖」製作委員会