プログラムの中から倫理は生成されるのか?架空畳「インテグラルの踵は錆びない」
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架空畳 第18回公演「インテグラルの踵は錆びない‐13人姉妹のモスクワ‐」チラシ表(イラスト:あけたらしろめ)
架空畳「インテグラルの踵は錆びない‐13人姉妹のモスクワ‐」が、10月15日から18日まで神奈川・神奈川県立青少年センター スタジオHIKARIで上演される。
架空畳は、小野寺邦彦が多摩美術大学在学中の2006年に結成した団体。新作となる本作では、幻覚症状持ちの詩人カルバート・ブコウスキを軸とした2幕劇が展開する。カルバート・ブコウスキは、“とある13人姉妹をモスクワへ出国させる”“亡くなった医者の娘にかかった性欲という呪いを解く”という2つの依頼を請け負うことになり……。
作・演出を務める小野寺は、上演に際し「果たして、プログラムの中から倫理は生成されるのでしょうか? 今回はこの『問い』をテコに、芝居を書き始めようと思います」とコメントした。なお本公演は、若い才能の発掘と育成を目指す企画「マグカルシアター2020」参加作品にラインナップされている。
小野寺邦彦コメント
シンギュラリティ、の時代がくると言います。
AIが人間の知能を越え、自学自習を始めるというのです。けれど、自己完結の中にあるAIには倫理観がありません。倫理は、「教育」によって「後天的に」しか学ぶことは出来ないからです。時代、場所、文化によってもそれは変わります。
果たして、プログラムの中から倫理は生成されるのでしょうか?
今回はこの「問い」をテコに、芝居を書き始めようと思います。カミュの「カリギュラ」を例に出すまでもなく、「なぜ人を殺してはいけないのか?」それは我々が、獣からヒトに代わったとき以来、提出され続けている「物語」の原型だと思います。こんなに「保守的で」「代り映えのしない」テーマから、それがなぜ変わってはいけないのか?という「問い」を取り出し「面白く興味深いおはなし」に仕立てようと思います。
どうぞヨロシク。
架空畳 第18回公演「インテグラルの踵は錆びない‐13人姉妹のモスクワ‐」
2020年10月15日(木)~18(日)
神奈川県 神奈川県立青少年センター スタジオHIKARI
作・演出:小野寺邦彦
出演:岩松毅、江花実里、大浦孝明、本田真唯、江花明里、平川千晶、木村友哉、金澤摩耶、長井健一、嶋谷佳恵、廣川千紘、こばやし帝国、三枝ゆきの、馬淵悠美、樋口双葉、武田紗保、杉山愛実、伊澤文彦