ヤン・イクチュン主演『詩人の恋』に菅田将暉、文月悠光、大森立嗣ら賛辞
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映画『詩人の恋』に寄せられた著名人コメントが公開された。
『第18回釜山映画評論家協会賞』脚本賞を受賞し、『第30回東京国際映画祭』ワールド・フォーカス部門で上映された同作の舞台は、韓国・済州島。スランプと乏精子症に悩む30代後半の詩人テッキが、孤独な青年セユンと心を通わせ、新しい詩の世界の扉を開けていく姿を描く。英題は『The Poet and The Boy』。主人公のテッキ役をヤン・イクチュン、稼げないテッキを支え、妊活を始める妻ガンスン役をチョン・ヘジン、港に開店したドーナツ屋で働くセユン役をチョン・ガラムが演じる。『詩人の恋』が初長編監督作となるキム・ヤンヒが監督と脚本を務めた。11月13日から公開。
コメントを寄せたのは、菅田将暉、文月悠光、大森立嗣、光石研、松永大司、ヤン・ヨンヒ、よしひろまさみち、呉美保、内田紅甘、西川美和。
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菅田将暉のコメント
心の種はいつも
どこからやってくるのだろうか
ヒトはいつもそればかりだ
全然知らないのに
知った顔で泣いている自分に腹が立つ
何に涙しているのか
俺は何を願っていたのやら
この美しさはなんなのか
正直今何を書いたらいいのかわかりません
ただ僕はまたヤン・イクチュンによって
歩む道が変わりそうです文月悠光のコメント
恋とは「遠い存在」に焦がれること。
本作は、恋の遠さや美しさを印象づける一方、愚直に他者とぶつかり合う。不器用な彼らが愛しい。
誰かを「遠くに行かせない」のも愛ならば、「遠くへ来てしまった」と気づく瞬間も愛なのだ。大森立嗣のコメント
この映画が面白いのは、主人公の詩人の気持ちがわかりやすい言葉に置き換えられないところだ。
言葉はなんて便宜的なのだろう。
済州島の美しくも恐ろしい風景に新しい気持ちが浮かび上がってくる。なんという贅沢。光石研のコメント
ヤン・イクチュンの抑えた演技こそこの映画のキモ!
裏済州島ロケも相まって、人々に深みが増す!平凡な人生なんて無い!
しかし、無表情なのに美味しそうにドーナッツを食べる彼が忘れられない!松永大司のコメント
詩人である繊細な主人公をヤン・イクチュンがとても丁寧に演じていたこともあり、途中からドキュメンタリーを観ているような感覚になった。
済州島の景色、俳優の芝居、ストーリー、僕には全てがとても心地よかった。ヤン・ヨンヒのコメント
恋の話だと思っていたら、愛と人生についての物語だった。
ヤン・イクチュンの「繊細」は人生で起こりうる選択の瞬間を強烈に突きつける。
欲と愛の間で彷徨う実直な人々を演じた共演者たちも見事!よしひろまさみちのコメント
灰色片思いを初体験したおっさんのつらさ、葛藤。
痛々しいのに、イクチュンのかわいさがそれをやさしく包み込んで、
社会に根付く闇まで照らすの。イクチュンかわいい(大事なことなので 2 度言う)。呉美保のコメント
ここではない、どこかに。
そう願ってしまう瞬間は、生きていれば誰にでもある。
葛藤の末、どこにもいけない歯痒さも。
もしも心に「詩」を持てたなら、苦渋の選択はいつしか美しい懐古に、
想いは浄化されるのかもしれない。内田紅甘のコメント
甘くてふわふわなものだけを食べて暮らしていくわけにはいかない。
それでも、胸の奥をじんわりと熱くする甘美な悲しみを糧にして、彼はこれからも生きていくのだろう。西川美和のコメント
俳優が「物書き」を演じる時、ただ一つだけ難しい所作があると思います。
何を書くべきか、どう書こうか、「書きあぐねている姿勢」。それだけは実際に筆を持って、白い紙を前にして悩んだことを重ねた人にしか再現できないものだと思います。
本作の中で自らの詩と格闘するヤン・イクチュン氏の姿は、やはり「書く人」そのものでした。
そして生身のヤン・イクチュン氏の持つ、優しさと美しい感受性、既存の価値観を飛び越える柔らかな人間性を、これほど素のままに生かされた作品も、他に観たことはありませんでした。