『鬼ガール!!』井頭愛海×板垣瑞生が語る、映画作りへの思い 「生活の一部に近い感覚」
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今も“鬼伝説”が残る大阪の秘境・奥河内を舞台に、鬼族の血をひく“鬼”であることにコンプレックスを持つ主人公・鬼瓦ももかが、憧れの高校生活に奮闘し、仲間たちと“映画作り”にかける日々を描く映画『鬼ガール!!』が、10月9日に大阪で先行公開されたのち、10月16日より全国で順次公開される。
今回リアルサウンド映画部では、ももかを演じる主演の井頭愛海と、ももかを「怪力女」と呼ぶにっくき幼なじみで、有名映画監督の父に憧れる蒼月蓮役の板垣瑞生にインタビュー。それぞれの高校生活のエピソードや映画作りにかける思いを聞いた。
観る人の人生に関われるような、一部になれるような映画
ーー主人公のももかは、喜怒哀楽が激しい、元気な女子高生です。
井頭愛海(以下、井頭):私も感情が激しめなので、ひと言で舞い上がったり落ち込んだりするももかに共感する部分が多かったです。誰かのひと言ですぐに傷ついたりもするし、嬉しくなったりする。そんなももかがいろんな登場人物と出会って成長していく姿に、自然と自分と重なるところもあるのかなと思いながら演じていました。
板垣瑞生(以下、板垣):ももかは鬼というなかなかな設定ではあるんですけど、そこに井頭さんのキュートさが添えられていて。コンプレックスと向き合って、いろんな人の力のおかげで一歩ずつ変わっていくももかの姿が見えてくるんですが、本当に最後の最後の方には、顔つきとかも変わっていて驚きました。鬼として観るのも面白いですけど、ひとりの人間の成長としても面白い物語になっていると思います。
ーー蓮はももかをからかう男の子ですが、案外、自信がない一面もあるキャラクターでした。
板垣:最初はももかを挑発した感じでいるんですけど、他の人にはてんでダメだったり、喋れなかったりする部分が意外とあるんですよね。それがどんどん学校生活とともにいろんな人と仲良くなって、仲間ができていくので、演じていて微笑ましかったです(笑)。
井頭:はじめの方は蓮とももかは結構バチバチな関係ではあるんですよね(笑)。けど、1つの映画をみんなで作っていく過程で仲間意識が生まれて、2人もどんどんお互いを認め合っていくというか。映画によって徐々に通じ合っていく2人の関係は素敵だなと思いました。
ーー鬼って撃退されるものというイメージでしたが、この作品で鬼のイメージがちょっと変わった気がします。
板垣:鬼、優しいですよね。
井頭:悪い鬼がいっぱいいるわけじゃなくて、いろんなタイプの鬼がいるという話も聞きました。「鬼は外」って言われるけど、「鬼は内」っていう良い鬼もいるそうで。
板垣:全てが全て悪い人じゃないっていうのは間違いないので、やっぱり良い鬼とは仲良くやりたいですね(笑)。
ーー今回、映画の中で高校生が自分たちだけで「映画を作る」ということをやっていますが、“演技をする”演技をしてどうでしたか?
井頭:難しかったですね。
板垣:ちょっとクセがある感じにやらなきゃいけないからね。
井頭:何パターンかこういう感じでやってくださいっていうのが台本に書かれていて。歌舞伎っぽくとか(笑)。試行錯誤しながら全力でやったので、そこは笑っていただけたら嬉しいです。
ーーお二人にとって映画とはどういうものでしょう?
井頭:観ていてその世界観に浸れる、違う世界に連れて行ってくれるものです。映画を観ているとすごく心が満たされる気持ちになります。そういう観る人の人生に関われるような、一部になれるような映画が作りたいです。
板垣:僕は子供の頃からずっと映画を観てきて、映画館に行って映画を観るというのは、家でご飯を作って食べるくらい日常に浸透しているもので。生活の一部に近い感覚があって、いつも助けられていたり、本当に大切なものだと思っています。蓮と同じで、映画で始まった友情もたくさんあって、映画を観て“お芝居をしたい”と最初に思ったので、かけがえのないものですね。
これまでの人生の中で、“一歩踏み出した”経験
ーー学生たちで映画を作るという青春の一面が見どころになっていきますが、2人が学生時代で印象に残っている青春の思い出はありますか?
井頭:私は高校時代、短編写真動画みたいなのを作るのが流行っていて。写真をいっぱい撮って、ストップモーションのような形で繋ぎ合わせて、1つの作品を作ることを友達とやっていました。そのときは蓮のように、私が監督のようなことをして、殴り合いから始まって、仲直りしてみたいな物語を作ったりしましたね(笑)。
板垣:めっちゃいいね。僕の学校って1年から3年までクラスが一緒で、クラス対抗で体育祭が行われていたんですが、1、2年のとき、全然結果が良くなくて。3年だけは優勝したくて本当にみんな頑張って、総合優勝できたんです。
井頭:すごい! 何やったん?
板垣:サッカー。それまで1回も表彰台に上ったことがなかったのに、最後の3年にして、本当に突然で。それが高校生活で成し遂げたことですね。
ーー劇中でのももかや蓮のように、これまでに自分を変えたいと思って一方踏み出した経験はありますか?
井頭:私はアクションをやりたいなと思ったときに、マネージャーさんにアクション指導をしてくれる道場を探すのを相談して、レッスンも実際に受けたんです。それは、自分で動き出すことで変わった、大きな出来事だったと思います。まだアクションをやる作品には出会えていませんが、きっかけを自分から作ったのは、1つステップアップできたのかなって。
板垣:僕は最近、地元に帰ることが多くて、久々に地元で散歩とかするんですが、途中に神社があって、お賽銭を入れちゃうんですよね。自分、変わったなと思います。それで一歩を踏み出せたかどうかはわからないですけど、歩いているときに神社があったら軽くお参りしてしまうことが多くて、良い気持ちになるんですよね。
■公開情報
映画『鬼ガール!!』
大阪先行公開中
10月16日(金)全国順次公開
出演: 井頭愛海、板垣瑞生、上村海成、桜田ひより、吉田美月喜、曽野舜太、深尾あむ、末次寿樹、テイ龍進、六平直政、山口智充
監督:瀧川元気
原作:中村航
脚本:中村航、作道雄、瀧川元気
音楽プロデューサー:梶原徹也
製作協力:奥河内ムービー・プロジェクト
配給:SDP
(c)2020映画「鬼ガール!!」製作委員会
公式サイト:https://onigirl.jp
公式Twitter:@onigirl_jp
公式Instagram:@onigirl_jp
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