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田中宏明×千眼美子『夜明けを信じて。』対談 プレッシャーの中で挑んだ作品の舞台裏

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リアルサウンド

 映画『夜明けを信じて。』が10月16日に公開を迎える。主人公・一条悟が大手商社マンとして働きながらも、自分の思想を世の中に問うという使命を、生涯をかけて果たさんとするさまを描く本作は、マドリード国際映画祭(スペイン)の長編外国語映画部門で最優秀作品賞を受賞。その後、サンディエゴ国際映画祭(アメリカ)では公式選出作品に、レインダンス映画祭(イギリス)では特別上映作品としても選出され、現在、海外4カ国の映画祭で24冠を達成している。(10月13日時点)

 本作が映画初主演となる田中宏明が主人公・一条悟を演じ、映画『心霊喫茶「エクストラ」の秘密―The Real Exorcist―』(2020年5月)でも共演を果たした、千眼美子と長谷川奈央がダブルヒロインを務める。映画『世界から希望が消えたなら。』(2019年10月)に続いて、赤羽博がメガホンを取った。

 今回、リアルサウンド映画部では、田中と千眼にインタビュー。お互いの最初の印象から、本作の見どころのシーンや、過呼吸寸前になったという過酷な撮影秘話まで話を聞いた。

※本稿はPR記事です。

田中「千眼さんがいたからこそ」

ーー『夜明けを信じて。』がいよいよ公開となりますが、今の心境は?

田中宏明(以下、田中):映画初主演でこんな大役をいただいたので、オファー当初はすごくプレッシャーを感じていました。でも、いまこうして作品になって、皆さんにお届けできることにほっとしています。

千眼美子(以下、千眼):すごく良い作品になっているという自信があるので、こういうご時世ですが、多くの人に観ていただきたいです。『夜明けを信じて。』というタイトル通り、明るい気持ちにしてくれる映画です。

ーー田中さんと千眼さんは『心霊喫茶「エクストラ」の秘密―The Real Exorcist―』以来の共演です。

田中:前回は、自分が千眼さんに頼る役だったんですが、今回は、お互い惹かれ合っているけれど、それぞれ目指しているものがあるが故にすれ違ってしまうという、ちょっと切ない関係で。でも、現場は変わらずハッピーでしたし、千眼さんの信念があって凛とした雰囲気が、千眼さん演じる立花美穂というキャラクターとシンクロしているように見えていました。

ーー田中さんも演じやすかった?

田中:そうですね。千眼さんがいたからこそ、一条悟として存在することができました。自分のことでいっぱいいっぱいだったので、助けていただきました。

千眼:一条さんって交友関係も広いし、お仕事もできる方なんですが、どこか孤独な雰囲気もあって。立花美穂を演じる上で、そんな一条さんの心の奥まで見ようと思って演じていたので、そう言ってもらえるのはすごく嬉しいですね。

ーー千眼さんから見た田中さんはいかがでしたか?

千眼:田中さんとは同じ事務所なので、顔を合わせることは多いんですが、いつも何を考えているのか分からないんですよ(笑)。今もまだ分かっていないんですが(笑)。それは冗談として、そんな田中さんの持つ雰囲気がそのまま作品に活きたと思います。一条さんもミステリアスな方なので。私が田中さんに向ける視線と、立花さんが一条さんに向ける視線にはリンクするものがあったので、「普段から謎に包まれてくれてありがとうございます」という感じです(笑)。

ーー田中さんは今の千眼さんのお言葉を受けてどうですか?

田中:一条さんは、自分自身のためではなくて多くの人の役に立ちたいという思いから自分を鍛える、常に一歩先を見据えた方なので、確かに外から見ると何を考えているのか分からないところがあるかもしれないです。すごく大きなキャラクター……偉人とも言える立派な方なので、そんな役を演じるのは難しかったです。ただ、自分自身をより成長させていきたいという志は僕の中にもあったので、それをなんとか手がかりにして、演じるようにしました。あと、脚本を読ませていただいたら、一条さんは純粋に尊敬できる方だったので、こんな素敵な方を皆さんにもご紹介したいという思いがあり、演技として表現できるように頑張りました。

ーー大川咲也加さんの脚本の話が出ましたが、脚本を読んだときの感想は?

田中:立花美穂さんが、社内報に掲載された一条さんの「愛の発展段階説」を読んで、「すごい!」と言うセリフがあるのですが、僕も脚本を読んでいたときに思わず言ってしまいそうになりました(笑)。

千眼:あはは(笑)。立花美穂さんと同じ気持ちで!

田中:構成も語り部形式で、周りの方々が回想して一条さんの人生が浮かび上がってくるような作りになっていて。より一条さんのキャラクターが立体的に浮かび上がってくるようで、その展開にも感動しました。同時に「これを演じるのか」というプレッシャーもだんだん感じてきて、当初は複雑な心境でした。

千眼「田中さんのすごさを実感しました」

ーーそのプレッシャーを乗り越えて、こうして作品となった今、田中さん自身としても達成感は大きいですか?

田中:そうですね。自分自身まだまだ経験が浅いからこそ、本作に全て賭けるという熱い気持ちでぶつかることができました。演じている間に、一条さんから学ぶものも多くて。商社に勤めていた時代なんて、あんなに忙しく働いている中でも、一条さんは家では黙々と自分の勉強をしたり、思想を語る時間を取ったりしていて、そういう姿勢に自分自身すごく感化されました。演じ終えた今でもそういう感覚は残っているし、大事にしたいです。そういう意味でもありがたい役をいただいたなと思います。

千眼:私ならもう「お酒飲んで、おやすみ!」という感じですね(笑)。

ーー共演者として間近で田中さんを見ていた千眼さんですが、田中さんが主演として成長していく様子を感じることはありましたか?

千眼:現場にいるときは、田中さんが何を考えているか全然掴めなかったんです。でも、この作品に真摯に誠実に、集中して向き合っている姿勢は、言葉がなくても、背中を見ていて感じていました。映像が全部繋がって、一つの作品として初めて観たとき、田中さんのすごさを実感しました。自分が出ていないシーンをそのときに初めて観たんですが、この役をずっと一貫して演じ続けることは、プレッシャーはもちろん、集中力・忍耐力という面でも相当きつかっただろうと思いました。でも、田中さんが、演じる大変さを現場で出しているのを見たことがなかったんです。「参りました!」と思いました(笑)。正直、ちょっと自分のことを役者として先輩だと思っていたところがあったんですが(笑)、一条さんという役に正面から向き合う力や、毎日を輝かせるために努力をし続ける姿勢といった、人としての魅力は千眼美子よりも田中宏明さんのほうが上だなと思いました。私はそんな田中さんに先輩面をしようとしていたので、反省中です(笑)。

田中:全くそんなことはないと思いますが、すごく嬉しいです。ありがとうございます。

ーー現場での印象的なエピソードはありますか?

田中:立花さんと一条さんが外でお話しするシーンを名古屋で撮らせていただいて。そのシーンはお互いの心の交流をすごく捉えているんです。お互いが惹かれ合いながらもそれぞれの道を模索している様子と、公園の穏やかな空気感もマッチしていて、自分の中では印象に残っていますね。

千眼:名古屋のシーンは、楽しいシーンばかりなんです。一緒にカレーを食べたり、お昼に社内報を読んで語ったり、ダンスパーティがあったり……。私がすごく印象に残っているエピソードが1つあって。名古屋城の敷地内で、熊本藩初代藩主の加藤清正像があって、その横で撮影をすることがあったんです。私は、加藤清正さんが何をしてきた方なのか分からなくて、「加藤清正ってどういう人?」と聞いたら、田中さんがスラスラと答えてくれて。やっぱり学がある人は違うなと思いました(笑)。そういうところもなんだか一条さんっぽいなと。

田中:たまたま熊本出身だったので、知っていただけですよ(笑)。

ーー名古屋のシーンは、2人きりだからこその雰囲気があると。

田中:一条さんと立花さん、自分と千眼さんがそれぞれ同じように時間を過ごすことができた気がします。

ーー注目してほしいシーンはありますか?

千眼:私はアナウンサー役でもあるんですが、カメラの一点を見たまま情報をお伝えするのがすごく難しくて。感情を乗せながらセリフを読むのは慣れているんですが、アナウンサーは一定のトーンで読み上げないといけない。そのギャップに苦戦しました。私が中継をするシーンがところどころあるんですが、1箇所だけ行き違いで、台本を事前にもらっていなかったシーンがあって。本当に今来た速報を読むみたいに、バインダーに挟んで渡されたセリフを読んだんです。すごく臨場感があったし、焦りました(笑)。私がバインダーを持っているシーンがあったら、そういうハプニングがあったんだということを思い出しながら観てもらえたら、面白いかもしれないです(笑)。

ーー田中さんはいかがですか?

田中:一条さんが悪魔と対決するシーンがあるんですが、そのシーンが見どころです。撮影前から、この映画の重要なシーンになると思っていたし、意気込んでいたので、ぜひ観てほしいですね。それまでのシーンが回想されるシーンでもあるし、作品のメッセージがぎゅっと詰まっていると思います。このシーンでは、初めてグリーンバックでCGを取り入れた撮影を経験できて。部屋がパカッと割れる場面があるんですが、あれは実はスタッフの方々が人力で割っているんです。ほかにもクレーンカメラで撮影したり、いろんな撮影方法を学びました。これは種明かしなんですが、自分が浮いているように見える場面は、実は僕がポールの上にちょこんと座っているだけなんです。このシーンでは、スタッフの方々も監督も意気込んでいましたし、僕もそうした期待に応えたいと思って、すごく熱量を持って演じさせていただきました。

千眼:過呼吸になる手前だったそうですね。

田中:そうなんです。他の俳優さんであれば、呼吸を使ってうまく演じられると思うんですが、僕にはそんな技術はなかったので、本当に過呼吸になる寸前まで演じて、痛みや苦しさを本当に感じようとしていました。監督のOKがかかるのは早いことが多いんですが、このシーンは何回もやりました。でも、それが逆によかったと思います。限界を何度も乗り越えたものをスクリーンに残すことができました。

■公開情報
『夜明けを信じて。』
10月16日(金)全国ロードショー
製作総指揮・原作:大川隆法
出演:田中宏明、千眼美子、長谷川奈央、並樹史朗、窪塚俊介、芳本美代子、芦川よしみ、石橋保
監督:赤羽博
音楽:水澤有一
脚本:大川咲也加
製作:幸福の科学出版
製作協力:ARI Production、ニュースター・プロダクション
制作プロダクション:ジャンゴフィルム
配給:日活
配給協力:東京テアトル
(c)2020 IRH Press
公式サイト:yoake-shinjite.jp