SPAC半年ぶりの公演再開! みつばちの生体と神秘の物語『みつばち共和国』が開幕
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『みつばち共和国』2019 年フランス・アヴィニョン演劇祭初演時より (c)Christophe Raynaud de Lage
国境を超えた自由な試みを数々発信してきたSPAC(公益財団法人静岡県舞台芸術センター)が手掛ける、大人も子供も楽しめる国際共同制作作品『みつばち共和国』が10月17日(土)に開幕する。
SPACとは、専用の劇場や稽古場を拠点として、俳優、舞台技術・制作スタッフが活動を行う、日本で初めての公立文化事業集団だ。芸術監督の宮城聰を中心に、世界の優れた舞台作品を上演する「ふじのくに⇄せかい演劇祭」などのオリジナル企画を続々と発信している。
彼らが今回手掛けるのは、2019 年にフランス・アヴィニョン演劇祭で初演され、話題となった演劇作品『みつばち共和国』。作家メーテルリンクをノーベル文学賞受賞に導いたエッセイ『蜜蜂の生活』が、フランス人演出家セリーヌ・シェフェールの手により詩的な言葉とダンス、そしてアニメーションで立体的に描かれる。
新型コロナウイルスの影響により、活動休止を余儀なくされていたSPACは、本作品で公演活動を再開。フランスと日本を結ぶリモート稽古を経て、俳優と観客、また俳優同士のディスタンスを十分に取り、発声する俳優を限定するなど、コロナ禍ならではの演出を加えて上演に取り組む。制限と隔たりを経てもなお、異なる価値観を照らし合いながら創作に臨む、舞台芸術の価値と意義を信じ抜く彼らの矜持と言えよう。メーテルリンクがつづった自然への畏敬の念が、「生の物語」として舞台に降り立つ。おとぎ話のように温かな劇世界を通して、私たちの“在り方”を問い直す意欲作である。公演は10月25日(日)までの週末4日間・全8公演、静岡県舞台芸術公園 屋内ホール「楕円堂」にて。
『みつばち共和国』
メーテルリンク作『蜜蜂の生活』に基づく
作・演出:セリーヌ・シェフェール
日本語台本:能祖將夫
10 月 17 日(土)・18 日(日)・24 日(土)・25 日(日) 各日10:30開演※/15:30開演の2回公演
※10:30は「ファミリー回」
会場 静岡県舞台芸術公園 屋内ホール「楕円堂」
【SPAC秋→春のシーズン今後のラインナップ】
〇『妖怪の国の与太郎』
演出:ジャン・ランベール=ヴィルド、ロレンゾ・マラゲラ
台本・翻案・ドラマツルギー:ジャン・ランベール=ヴィルド、平野暁人、出演者ならびにワークショップ参加俳優一同
翻訳:平野暁人
音楽:ジャン=リュック・テルミナリアス、棚川寛子
11月14日(土)会場:掛川市生涯学習センター ホール
12月19日(土)・20日(日)会場:静岡市民文化会館 中ホール
〇『病は気から』
潤色・演出:ノゾエ征爾
原作:モリエール(「モリエール全集」臨川書店刊/秋山伸子訳より)
2021年1月23日(土)・24日(日)
会場:静岡市民文化会館 中ホール
〇『ハムレット』
演出:宮城聰
作:ウィリアム・シェイクスピア
翻訳:小田島雄志
音楽:棚川寛子
2021年2月6日(土)・7日(日)会場:静岡芸術劇場
2021年2月11日(木・祝)会場:下田市民文化会館
※『妖怪の国の与太郎』『病は気から』は映像ライブ配信も予定
SPAC「秋→春のシーズン2020-2021」PV
文:小川志津子