「朝が来る」メイキング写真公開、キャストたちが“役を積んだ”エピソードも明らかに
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「朝が来る」メイキング写真
河瀬直美の監督作「朝が来る」のメイキング写真が公開された。
辻村深月の同名小説を原作に、実の子供を持てず養子を迎えた夫婦と産んだ子供を育てられなかった女性の関わりを描いた本作。一度は子供を持つことをあきらめた夫婦・栗原佐都子と清和を永作博美と井浦新、実の子を育てることができなかった少女・片倉ひかりを蒔田彩珠が演じ、栗原夫妻とひかりを引き合わせる人物・浅見静恵に浅田美代子が扮した。
写真には特別養子縁組あっせん団体・ベビーバトンの説明会のシーンで赤子をあやす永作と井浦の姿が。ベビーバトンの代表・浅見静恵を演じた浅田は「河瀬監督には嘘(芝居)は通用しないから」と語り、このシーンでは特別養子縁組にまつわる知識を頭に入れたうえで、一般の参加者から寄せられた台本にない質問に1時間ほど答え続けた。ひかりが出産するまでベビーバトンの施設に入って生活するシーンは広島で撮影。栗原夫妻にひかりがわが子を託すシーンの撮影前、修学旅行で広島を訪れた中学生を見た浅田は「ひかりもこの中にいるはずだったのに、あの子は今から生んだ子を手放さないといけない」と考え、カメラが回っていないにも関わらず涙が流れてきたという。
河瀬組では登場人物が経験してきたこと、これから経験するであろうことを役者たちがリアルに体験するという、“役を積む”期間が設けられる。蒔田や、ひかりの彼氏となる麻生巧を演じた田中偉登も実際に奈良の中学校に一定期間通っていたが、実際に付き合うシーンを撮影するまでは、互いに話すことすら禁止されていたそうで、蒔田は「話すことはなかったけど、そこに(田中が)いることは意識していた」と語った。
また、劇中でひかりに妊娠が発覚したシーンの撮影後には、ひかりの両親を演じた中島ひろ子と平原テツが巧の家に行き、ひかりと別れてほしいと頭を下げるという場面をカメラを回さずに経験。このほか、キャストが家族のように一緒に生活していたことから、撮影が始まるというタイミングで、中島が蒔田の衣装を誤って洗濯してしまうというハプニングも起きていた。
「朝が来る」は10月23日より全国でロードショー。
※河瀬直美の瀬は旧字体が正式表記
(c)2020『朝が来る』Film Partners