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笠松将と祷キララ、異色青春映画の公開迎え熱く語る「罪の裏にあるものを映像に」

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「ファンファーレが鳴り響く」初日舞台挨拶にて、左から森田和樹、笠松将、祷キララ。

「ファンファーレが鳴り響く」の初日舞台挨拶が東京・新宿K's cinemaで10月17日に行われ、笠松将、祷キララ、監督の森田和樹が登壇した。

吃音症が原因でいじめを受ける高校生・神戸明彦と、殺人欲求を抱えたクラスメイト・七尾光莉が殺人を犯しながら逃亡の旅を続けるさまを描いた本作。ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2020のオープニング作品として上映された。

4年前に病気を患ったことで、就職活動をしても面接官に相手にもされなかったという森田。「病気のことを伝えたら『その病気じゃ無理だね』と一言で片付けられて。社会的弱者になったんだなという気持ちがありました。翌年ゆうばり映画祭でグランプリを獲って、この映画を作ることになったんですけれど、そのときの自分の気持ちを、YouTubeで観た吃音症の方の気持ちに重ねて作りました」と吐露した。

明彦役の笠松は「(劇中では)僕ら2人でいろんな人を殺していくわけですが、最後に主人公は幸せな気持ちになるんです。いじめられている主人公が人を殺したことによって笑えたわけで、自分の存在した意味があった」と自ら解釈を述べる。そして本作の感想を「今の社会の中で、周りからの評価と自分を大切する気持ちを分けて考えられていないと思うんです。自分がどうしたいかと、周りがどう思うかは別じゃないですか。その難しいことを、この時代に合わせてバシッとはめてきた。時代を読んでいて、めちゃくちゃ高度なことをやっていると思いました」と語った。

光莉を演じた祷は、狂気をはらんだ役だが、一言で「サイコパス」と片付けたくなかったという。「予告やポスタービジュアルの印象で、激しい快楽殺人をスプラッターで描いた映画だと受け取る方もいると思いますが、形や見た目ではなく、犯した罪の裏にあるものだとか、2人が選んでいく道筋の内側にあるものを、監督は映像にしたかったのでは」と述べた。

本作には、過保護な母親役で黒沢あすか、厳格な父親役で川瀬陽太も出演している。笠松は「気持ちを作って演技をする方もいいんですけれど、『気持ちは体に出るけれど、体も気持ちに出る』という僕が好きな理論を、川瀬さんから感じました」「黒沢さんはカットがかかってもめちゃくちゃ優しくて、『こんなきれいなお母さんいる?』と思いながら演じました」と共演エピソードを披露。祷は、国会議員役の木下ほうかとのシーンについて「学ぶ部分がたくさんありました。アクションや動きも一緒に試行錯誤してくださって刺激的でした」と振り返る。

最後に笠松は「今って粗探しをする時代じゃないですか。粗なんて誰にでもあると思います。『この作品では、宝探ししたほうが面白い』と思うくらい、やってよかったなと思った作品なので、皆さんと共有できたら」と熱いメッセージを送った。

※「ファンファーレが鳴り響く」はR15+指定作品

(c)「ファンファーレが鳴り響く」製作委員会