「ホテルローヤル」波瑠と安田顕が撮影地・北海道へ、「背中をそっと押してくれる」
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左から桜木紫乃、波瑠、安田顕。
「ホテルローヤル」の北海道凱旋報告会が北海道・札幌グランドホテル別館で10月19日に行われ、キャストの波瑠、安田顕、原作者の桜木紫乃が登壇。監督の武正晴もリモート参加した。
北海道の湿原に建つラブホテル・ホテルローヤルを舞台に、同地を訪れる男女や従業員の人間模様を描いた本作。経営者家族の一人娘・田中雅代を波瑠、雅代の父・大吉を安田が演じ、松山ケンイチ、余貴美子、原扶貴子、夏川結衣、伊藤沙莉、岡山天音らもキャストに名を連ねた。
2019年5月から6月にかけて札幌と釧路で全編が撮影された本作。原作が直木賞を受賞した際に読んでいたという波瑠は「印象に残っていた作品なので、映画化するというお話をいただいたとき、すぐに『ありがとうございます。受けさせていただきます』と返事をしました」と出演を即決したことを明かす。また「雅代は主人公ですが、物語のいろいろな出来事を端っこで眺めているような、主張がなかなか見えてこない女性。セリフも『……』が多く、ただ立っているだけになるのではという不安もありましたが、雅代とホテルローヤルの物語の中に1つひとつ普遍的にあるものを見つけられたらと思いながら挑みました」と役に込めた気持ちを語った。
安田は「北海道で撮影された作品に、北海道出身の私がこうやって参加できることを本当にうれしく思います」と感謝。「ずいぶん前から桜木さんに『もし私の作品が映画化することがあったらぜひ出てくだいね』とありがたい言葉をいただいていたんです。俳優としてこの作品に呼んでいただいて、本当にありがたく思っています」と述べる。
完成した映画を観て「映画という表現に書き手の内面を素っ裸にされたような気持ちになった。脱がせたつもりが脱がされていた──」とコメントを寄せていた桜木。「悔しかったんです」と打ち明ける彼女に、武は「桜木さんの作品を片っ端から読んで、すべてを取り入れました!」「原作のオムニバスは非常に映画的な題材だと思いました。素晴らしい原作のエッセンスをできるだけ損なわないようにシナリオにするのが難しかったです」と、原作のあらゆる文章からヒントを得ていたことを伝えた。
最後に、波瑠は「1人の女の子が初めて自分の人生を肯定して、自分の足で歩み、自分の色で人生を彩って生きていきたいと思う瞬間がこの作品にはあると思っています。観てくれた人の背中をそっと押してくれる作品になっています」と本作をアピールしてイベントを締めた。
「ホテルローヤル」は11月13日より東京・TOHOシネマズ 日比谷ほか全国でロードショー。
(c)桜木紫乃/集英社 (c)2020 映画「ホテルローヤル」製作委員会