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津田寛治の「グズっぷり」がいい?「名前」初日、駒井蓮は「私にとって大事な宝物」

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「名前」初日舞台挨拶の様子。左から津田寛治、駒井蓮。

「名前」の初日舞台挨拶が東京・新宿シネマカリテにて行われ、ダブル主演を務めた津田寛治、駒井蓮、監督の戸田彬弘、原案の道尾秀介ら11名が登壇した。

道尾が原案を書き下ろし、舞台演出家としても知られる「ねこにみかん」の戸田がメガホンを取った本作。複数の偽名を使って暮らす主人公・中村正男と、彼の前に突然現れた女子高生・葉山笑子が家族のような時間を過ごしていくさまが描かれる。

正男役の津田は「役者に限らず人は誰しも日常的に演技をすることで、社会のポジションを維持しているんじゃないかとぼんやり考えていた頃にこの映画のお話をいただきまして」と本作の主題に言及しながら回想。接する人によって名前や性格を変える男を演じることにある思いがあったそうで「監督に聞いたんです。『この役は名前によって演じ分ける意識で役に入ったほうがいいんでしょうか?』と。すると監督は食い気味に『演じなくていいです!』って。それで監督を信頼することができましたね」と正男の無意識の部分を重視していたことを明かす。

本作で映画初主演を果たした現在17歳の駒井。映画では演劇部に所属し、役に入ることで自身が変化していくきっかけをつかむ笑子を演じている。「誰かを演じることはほかの人になりたいっていう願望だと思うんです」とし、「それは今まで自分が歩んできた人生、過ごしてきた時間とか、自分が持ってるものを使って誰かになる作業だと思います。笑子も誰かを演じることで自分のことをわかっていく、本当の自分に近付いていきます」と語った。

イベントには4人のほか、勧修寺保都、池田良、木嶋のりこ、金澤美穂、川瀬陽太、田村泰二郎、筒井真理子が出席。正男の元妻・香苗を演じた筒井は正男を「グズ男。いいグズっぷり! 立派なグズ」とし、津田を遠回しに称賛する。過去にも夫婦役での共演経験があるそうで「鬼嫁役だった私が土下座した津田さんにトマトジュースをかけたり。津田さんって本当に純粋な人で、『名前』の現場で再会したときに『怖い人じゃないんですね!』ってあまりにも感動した様子でした(笑)」とエピソードを披露した。

最後に津田は「撮影は2年前。やっと公開にこぎつけて感無量です。こうして満席の会場で挨拶することって僕はあまり経験なくて。めちゃめちゃうれしいです。この映画にはまだ名前がメジャーじゃない次世代の俳優さんや、日本映画を支えてきた川瀬さん、田村さん、筒井さんのような方も出演しています。そういうところも見どころかと」と述べ、駒井は「とても素敵な時間を過ごした現場でした。この映画は私にとってとても大事な宝物です」と笑顔を見せた。

「名前」は新宿シネマカリテほか全国で順次ロードショー。