櫻坂46、新体制から読み取れる“全員で成長する”という意識 「Nobody’s fault」フォーメーションから今後の行方を占う
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先日、櫻坂46の新番組『そこ曲がったら、櫻坂?』(テレビ東京)の初回が放送され、番組名とともに1stシングル曲「Nobody’s fault」のフォーメーションが発表された。メンバーの立ち位置は以下の通り。
<1stシングル表題曲フォーメーション>
後列:武元唯衣・大園玲・守屋茜・松田里奈・尾関梨香・土生瑞穗
中列:菅井友香・藤吉夏鈴・小池美波・山﨑天・田村保乃
前列:小林由依・森田ひかる(センター)・渡邉理佐
以上の14名体制となる。表題曲含めて7曲の収録曲すべてが14人での歌唱となり、ユニット曲やソロ曲はなし。また、前列と中列を「櫻エイト」と呼び、この8名はすべての楽曲に参加するという。
厳選されたフロントと森田ひかるのセンター像
まず飛び込んでくるのが、14人という数の少なさだ。これまで欅坂46時代はほぼ“全員選抜”だったため、今回のメンバーには“選び抜かれた感”がきわめて強い。さらに前列が3名という厳選されたフロントである。人気、実力、経験ともに兼ね揃えた先輩2人が期待の2期生、森田ひかるを支えるようにして立つ。その2人は発表後のコメントも秀逸だった。
「櫻坂46を前から引っ張っていけるような存在にならなくちゃいけないというのと、2期生も楽曲を制作するのが初めての経験だと思うので、そういう部分でもお手本になるような存在になれたらいいなって思いました」(小林)
「一人一人個人個人が私自身も含め成長できるようなグループになれたらいいなっていう気持ちはすごくあるので、自分の与えられた場所で頑張りつつ、2期生の子とかも支えてあげられるようにやっていけたらいいなって思います」(渡邉)
先輩としての自覚と、後輩を支えようという姿勢。そして櫻坂46という新グループの今後の指針を指し示すような“個人個人が成長する”というキーワード。フロントに選ばれるだけの資質をこうした言葉からも感じ取れる。
センターに選ばれた森田は、「みんなで素敵な楽曲を作りたい」「何事にも感謝してひとつひとつ丁寧に焦らずゆっくり作っていけたら」とコメントしている。グループ全体で楽曲を作っていきたいという思いが強いようだ。森田が表紙を飾った『blt graph. vol.58』によると、彼女は「パフォーマンスを通じて得られる一体感が好き」だと話している。ライブ中にイヤモニを通して聞こえてくるメンバー間の小さなひと言などで、気持ちが強くなることがあるのだとか。そんな彼女ならではの、メンバー同士で支え合うような新しいセンター像を見せてくれるだろう。
また、今回の選抜発表で注目を集めたのが「櫻エイト」である。全収録曲に参加するとあって重要な役回りであることは間違いない。そんな責任重大なポジションには、平手友梨奈脱退以降次期センター候補として名前の挙がっていたメンバーたちが名を連ねる。今後の活躍次第ではこの中から誰がセンターに選ばれてもおかしくはない。特にここ最近一皮剥けた小池や、あらゆる場面で抜群の安定感を見せている田村、そしてここ最近パフォーマンス面で成長を見せている藤吉と山﨑といった中列のメンバーたちの“伸びしろ”が、今後のグループの期待値に直結するだろう。
後列は6名が選ばれているものの、完全に固定せずに曲ごとに入れ替わる体制のようだ。こうした部分にも“全員で成長する”という意識がうかがえる。コロナ禍という困難な状況の中で行われた先日の配信ライブでも演出への強いこだわりを見せてくれただけに、チーム一丸となって全員で作品を作り上げていってほしい。
■荻原 梓
J-POPメインの音楽系フリーライター。クイックジャパン・リアルサウンド・ライブドアニュース・オトトイ・ケティックなどで記事を執筆。
Twitter(@az_ogi)