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『ルパンの娘』第2話にして早くも急展開 神々しすぎる深田恭子の出産シーンも見どころに

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 和馬(瀬戸康史)が公安にマークされていたことを知り、華(深田恭子)は和馬と別れることを決意。授かった子供をひとりで育てようとしていた。そんな華の帰りを待ちつづける和馬のもとに現れた円城寺(大貫勇輔)の歌唱シーンとともに、あっという間に10カ月の月日が流れる急展開で幕を開けた10月22日放送の『ルパンの娘』(フジテレビ系)第2話。泥棒と警察と探偵、この第2期の中核を担う三者が初めて交錯しあう極めて重要なエピソードにもかかわらず、パロディ全開で今まで以上に“やりたい放題”にしてしまうあたり、期待を裏切らない。

 ジャンヌ・ダルクがまとったという幻のマントを次なるターゲットに選んだ“Lの一族”は、闇のルートで取引されたマントを同じ区内に住むグローバル投資家の小鳥遊(新納慎也)という男が落札したことを突き止める。そんな中、華がいなくなったことで警察を辞めようと悩んでいた和馬は、5人の女性が立て続けに姿を消す連続失踪事件を捜査し、彼女たちが同じマッチングアプリを使いっていたことをつかむ。一方、高校生になって上京してきた美雲(橋本環奈)は同級生が失踪したことをきっかけに同じ事件について調べ始め、犯人の男と接触するのだが……。

 金銭的に困っている女性たちに大金をちらつかせて監禁する犯人=小鳥遊に、持ち前の推理力ですぐにたどり着きながらも呆気なく捕まってしまう美雲。その際に小鳥遊が着ている衣装は、紛れもなくスタンリー・キューブリックの『時計仕掛けのオレンジ』でマルコム・マクダウェルが演じたアレックスそのもの。さらにはジャンヌ・ダルクのマントを盗みに入った小鳥遊の部屋で華が破水し、子供が生まれそうだということを和馬に伝えるために悦子(小沢真珠)がホログラムで知らせるシーンは『スター・ウォーズ』のレイア姫を彷彿とさせるものがある。

 思い返してみれば、今回助産師として華と久々の再会を果たした薄井佐知(遠野なぎこ)が登場した第1期の8話。指名手配された“Lの一族”がバラバラになり、場末のスナックにたどり着いた華を佐知が優しく迎え入れてくれるというこのエピソードの中でも、サイドストーリー的なニュアンスでかなり大胆に『幸福の黄色いハンカチ』を再現していたりと、名作映画のパロディを何度も堂々とやってのけてきた本ドラマ。やはり今期も注目ポイントのひとつになるのかと思った矢先、今回のクライマックスの出産シーンでは円城寺のダンスと重ねながら“キリストの誕生”を想起させる仰々しい描写の数々。それはすなわち、生まれてきた子供が“選ばれし者”だというお告げなのか。いずれにせよ想像の斜め上を軽々と越えていく。

 あまりにも“怒涛”という言葉が似合いすぎる展開の中でも、肝心の物語はしっかりと進む。 “Lの一族”への恨みを募らせていた美雲は、一族が警察とつながっていることを知るのだが、自分を助けた和馬に対しては好意を持ち始める。これで警察と探偵がまずひとつの接点を持ったことになるわけだ。まだ泥棒と探偵の対峙は持ち越しとされたわけだが、一応マッチングアプリで渉(栗原類)が美雲と接触。渉は美雲をタイプだと言っていた(メッセージで)が、それが今後の展開に影響を及ぼすことになるのだろうか。とりあえず、誰か渉を迎えに行ってやれよと思わずにはいられない。

■久保田和馬
1989年生まれ。映画ライター/評論・研究。好きな映画監督はアラン・レネ、ロベール・ブレッソンなど。Twitter

■番組情報
木曜劇場 『ルパンの娘』
フジテレビ系にて、毎週木曜22:00~放送
出演:深田恭子、瀬戸康史、橋本環奈、小沢真珠、栗原類、どんぐり、藤岡弘、(特別出演)、松尾諭、大貫勇輔、信太昌之、マルシア、我修院達也、麿赤兒、渡部篤郎
原作:『ルパンの娘』 『ルパンの帰還』 『ホームズの娘』 横関大(講談社文庫刊)
脚本:徳永友一
プロデュース:稲葉直人
監督:武内英樹
制作・著作:フジテレビ 第一制作室
(c)フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/Lupin-no-musume2020/
公式Twitter:@lupin_no_musume
公式Instagram: @lupin_no_musume