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「すばらしき世界」役所広司がシカゴ映画祭でベストパフォーマンス賞に輝く

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役所広司

役所広司が「すばらしき世界」の演技で第56回シカゴ国際映画祭のベストパフォーマンス賞を受賞。現地時間10月23日にオンラインにて授賞式が行われた。

人生の大半を獄中で暮らした実在の男性をモデルに、出所後に戻った社会で必死に生きる男の姿を描いた本作。佐木隆三の小説「身分帳」を原作に、「ディア・ドクター」「永い言い訳」の西川美和が監督を務めた。

ベストパフォーマンス賞は主演男優賞と主演女優賞を統合した賞で、インターナショナルコンペティション部門に出品された全11作品の中からもっとも優れた演技を披露した役者に贈られる。役所は2001年公開「赤い橋の下のぬるい水」で同映画祭の主演男優賞を受賞しており、19年ぶり2度目の演技賞という快挙を果たした。

役所は受賞の喜びを明かしつつ「現在なかなか海外に行くことが難しい状況下ですが、映画は世界中を渡ることができます。日本という国や私たち日本人について世界中の人たちに紹介することができる素晴らしい外交手段の一つだと思います。私も映画人の端くれとして、映画のために何か力になれればと思っております」と映画人としての思いを述べた。

「すばらしき世界」は2021年2月11日より全国ロードショー。西川によるコメントと受賞理由は下記に掲載した。

役所広司 コメント

この度はベストパフォーマンス賞というすばらしい賞をいただき、本当にありがとうございます! シカゴ映画祭では2001年にも「赤い橋の下のぬるい水」で主演男優賞を受賞させていただきましたが、実は当時、受賞の報告を受けたのは映画祭が終わって随分経ってからでした。トロフィーや賞状なども目にしていなかったので本当に受賞したのか実感が沸いていませんでした。この「すばらしき世界」での受賞で、今回はもしトロフィーなどがあるようでしたら、19年前の分も合わせて頂けると嬉しいです(笑)。また、この受賞は西川監督のおかげでもあります! スタッフ、キャスト皆様にもお礼を言いたいです。世界中の映画界が大打撃を受けている今、各国の映画祭はリモートやオンラインで実施し、映画の灯を絶やさないようにがんばっています。現在なかなか海外に行くことが難しい状況下ですが、映画は世界中を渡ることができます。日本という国や私たち日本人について世界中の人たちに紹介することができる素晴らしい外交手段の一つだと思います。私も映画人の端くれとして、映画のために何か力になれればと思っております。

西川美和 コメント

最高です。こんな嬉しいことはありません。役所さんは、心から役を任せられる人です。現場でも、誰にも気づかれないところでひたすら準備をして、私たちの目の前で、育んできた花をパッと咲かせてくれる。役所さんのお芝居を撮ると、映画をやってきてよかった、と心から感動できるんです。日本には役所さんという俳優がいる。そのことを世界の人により広く、もう一度知ってもらえる機会になったことを、何より嬉しく思います。

受賞理由

役所広司は巧みながらかつ違和感なく、主人公に深みとさまざまな真に迫った感情を与えている。その演技により、一見容赦ない社会の中でしっかりとした普通の生活を手にいれようと奮闘する主人公の姿を我々もともに辿ることができ、彼の力強い演技によって映画全体がしっかりと築き上げられている。

(c)佐木隆三/2021「すばらしき世界」製作委員会