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乃木坂46 白石麻衣、いよいよ目前に迫る“卒業の日” 発表から卒コンまでの足どりを追う

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リアルサウンド

 乃木坂46の白石麻衣が、10月28日の配信ライブ『NOGIZAKA46 Mai Shiraishi Graduation Concert ~Always beside you~』をもってグループを卒業する。

 今年1月の卒業発表から約9カ月。本来は5月に東京ドームで3日間にわたり卒業コンサートが開催される予定であったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止に。配信ライブという形式で多くのファンが、白石にとってアイドルとして最後の晴れの舞台を見届けることとなる。

 乃木坂46の立役者であり、開拓者とも呼ばれる白石。卒業発表後の、特に3月リリースのシングル『しあわせの保護色』プロモーション期間終了後は、グループの活動は抑えながら、一人の白石麻衣として徐々に自立を図っていった印象だ。7月放送の『嵐にしやがれ』(日本テレビ系)への単独出演や表紙を飾った雑誌『AERA』、8月のYouTubeチャンネル「my channel【白石麻衣公式】」開設がそれらに数えられるだろう。「この数カ月間、客観的に乃木坂46を見て、変わってきてるなって思いました」(『白石麻衣 乃木坂46卒業記念メモリアルマガジン』(講談社)より)とインタビューで答えているように、白石が抜けた乃木坂46においても失速することなく、新たなグループカラーを提示しているのは言うまでもない。

 10月に入ると卒業コンサートに向け、白石のメディア露出が一気に増加。『乃木坂工事中』(テレビ東京)では3週にわたり白石の卒業記念企画を、『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)では白石自らが選曲した「今、話したい誰かがいる」「ありがちな恋愛」「シンクロニシティ」の3曲を披露。『news zero』(日本テレビ系)でのインタビュー特集、秋元真夏、松村沙友理、大園桃子も駆けつけた『乃木坂46白石麻衣のオールナイトニッポン』(ニッポン放送)。Huluでのドキュメンタリー『もうそろそろ行かなくちゃ』配信とほかにも数えきれないほど多くのメディアミックスがなされており、配信ライブ直前までこの祝祭は続いていく。

 白石の卒業コンサートが近づき、ナイーブになっているという松村は『オールナイトニッポン』で白石のソロ曲「じゃあね。」を聴き大号泣。マリッジブルーならぬ“まいやんブルー”だと話し、その綺麗な涙は大園、秋元、白石にも伝っていった。その光景をSHOWROOMで観ていて思い出したのは、「しあわせの保護色」が初披露された『8th YEAR BIRTHDAY LIVE』最終日のラスト。涙を堪えきれなくなった松村を見て、白石本人へと伝播していった2月のあの頃と同じく、卒業への実感は再びメンバーの中で高まっているということだろう。

 『乃木坂工事中』をはじめ、『オールナイトニッポン』やドキュメンタリーと様々なフィルターを通して見えてくるのは、日増しに強くなっていく1期生の絆だ。中田花奈が25日でグループの卒業が決定しているため、卒業コンサート当日、1期生は9人での出演となる。結成から9年が経ち、元いた人数からは3分の1を切った。『乃木坂工事中』での、ソーシャルディスタンスが保たれた1期生だけの大縄跳びはその少なさをより実感させたが、同時に温かな結束も醸し出していたように思う。「1期生はみんなの空気感がどことなく似ているんです」とメモリアルマガジンで話す白石の言葉はそのことを裏付けている。

 「寂しいけど、それ以上にありがとうの方が大きいよ」ーードキュメンタリーにて、卒業を聞いた生田絵梨花は白石の腕に包まれながら、そうつぶやく。橋本奈々未をはじめ、生駒里奈、西野七瀬と多くの同期を抱きしめ送り出してきたのは、いつだって白石だった。今度は生田が、松村が白石を送り出す番だ。きっと白石はこう返してくれるはず。〈さよならをありがとう。〉と。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter