人と人の関わりが激変した時代におくるiaku『The last night recipie』開幕
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iaku『The last night recipie』
人と人の議論や口喧嘩を覗き見するような感覚を抱かせる演劇ユニットiakuの最新作『The last night recipie』が本日10月28日(水)に開幕する。
iakuは、劇作家・横山拓也による演劇ユニット。横山のオリジナル作品を日本各地で発表していくこと、また各地域の演劇(作品および情報等)を関西に呼び込む橋渡し役になることを目指して、関西弁口語による緻密な会話劇を展開してきた。カフェやギャラリーで紡ぐ濃密な劇空間も、大きなホールで行う作り込まれた大規模公演も、交互にこなす実力派である。
本公演に向けての公式サイトには、コロナ禍を受けての横山の苦悶が入念に綴られている。「『ぜひ観に来てください!』とすら言いづらく、そもそも客席数も半分に減らす予定なので、宣伝そのものに矛盾が生じかけています」という葛藤に満ちた宣伝文だ。
コロナの3文字にまつわるたくさんの矛盾。それでも演劇を辞めないのは、これからも演劇を続けてゆくためであると横山。「これまでの人生でやってきたように、選択、判断、決定をしなければいけない」と前進を決断した。そんな彼らが今回おくるのは、妻を亡くした男に押し寄せる人間関係の物語である。
結婚してから毎日、昨晩食べた料理をネットにアップし続けている夫婦。「私たちの最後の晩餐は何やろね」と他愛もない話をしていた妻が突然亡くなった。「申し訳ない」と過干渉してくる妻の両親。同居を迫る夫の父親。弔問にやってくる妻の自称「親友」。夫はひとり、『ラストナイトレシピ』を振り返りながら、自分の来し方行く末を思案する——。
出演に福本伸一(ラッパ屋)と竹内都子のベテラン勢が名を連ねるほか、8本のiaku作品に出演している劇団赤鬼の橋爪未萠里をはじめ、横山が深い信頼を置く俳優陣が、それぞれの事情を背負った登場人物たちを細やかに演じる。
公演は11月1日(日)まで座・高円寺1にて。伊丹市公演あり。
文:小川志津子
iaku『The last night recipe』
作・演出:横山拓也
出演:橋爪未萠里 / 杉原公輔 / 緒方晋 / 伊藤えりこ / 小松勇司 / 福本伸一 / 竹内都子
【東京公演】
2020年10月28日(水)~2020年11月1日(日)
会場:座・高円寺1
【兵庫・伊丹公演】
2020年11月5日(木)~2020年11月8(日)
会場:AI・HALL(伊丹市立演劇ホール)