小瀧望、表情から全身にいたるまでを歪ませて“エレファント・マン”を熱演! 舞台『エレファント・マン』が開幕
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世田谷パブリックシアター×東京グローブ座『エレファント・マン』 撮影:篠塚ようこ
『エレファント・マン THE ELEPHANT MAN』の開幕を前にリハーサルの模様が報道陣に公開され、上演後には主演の小瀧望(ジャニーズWEST)をはじめ、近藤公園、高岡早紀、木場勝己、そして演出の森新太郎が会見に臨んだ。
生まれつきの肥大化した頭蓋骨など、異形の外見から“エレファント・マン”として見世物小屋で好奇の目にさらされてきた青年ジョン・メリック。苦難の人生を歩みつつ、その無垢な心が人々の心を惹きつけていく姿を描く。
今回も使用されているバーナード・ポメランスの戯曲には、メリックを演じる役者に対し、医師やトレーナーと相談することや腰に持病を抱える者が演じるべきではないといった注意書きが記されているという。
実際、小瀧は上演中、わずかなシーンを除いてずっと顔をゆがませ、姿勢を曲げた状態でメリックを熱演している。また唇がゆがんでいるせいで発音が明瞭ではないということで、姿勢のみならずセリフの発声も独特。森からは発語のリズムなどについても厳しい演出があったそうだが、見事に舞台上で、身ひとつで“エレファント・マン”として特異な存在感を放っている。
デヴィッド・ボウイが演じた舞台版やデヴィッド・リンチの映画も参考にしたという小瀧。台本の注意書きに従い、トレーナーや森と相談し、微調整を重ねながらメリックという役を作り上げていったと明かし「四肢全体が厳しいです…」と苦笑しつつも、そうした苦労や痛みも「この役を演じさせていただけていると、そこで感じています。この役でしか感じられない経験なので、全然苦じゃないです!」と充実した表情を見せる。
見世物小屋にいたメリックは、解剖外科医トリーヴス(近藤)が病院に引き取られ、生まれて初めて人間らしい暮らしを手に入れる。やがてトリーヴスは、メリックが聖書を読み、芸術を愛する知性と美しい心の持ち主だと気づく。さらに舞台女優のケンダル夫人(高岡)との出会いや新聞に彼の存在が取り上げられたことをきっかけに、王室や上流階級の人間にとって、メリックに会うことがある種の“流行”となっていく。
“普通”の人間らしく振る舞いたいという思いに駆られるメリックと彼をそばで見守るトリーヴス、そしてケンダル夫人らの姿を通じて、見る者に“人間らしさ”や“自由”の意味を問いかける……。
劇中、メリックが生まれて初めて異性へのときめきを感じる相手であるケンダル夫人が、ガラス越しにメリックになまめかしい姿を見せる描写がある。高岡は「(メリックに)影響を与えられる素敵な女性を演じられたら」と語る一方で「小瀧くんは私の長男とひとつ違いなんです。なので“お母さん”と見られないように心がけていますが…」と苦笑まじりに語るが、小瀧は「お美しいです! 女性として見てます!」と即答し、高岡の姿を「焼き付けています! メリックが女性の女性らしい姿を始めて見るシーンなので、“初めて”という感情を大事にしています」と語った。
森は本作の魅力について「静けさの中に激しい感情が息づいている」と語り、それを役柄を通じて体現している小瀧について「たいしたもんです。よくここまで来たなって思います」と称賛を送っていた。
『エレファント・マン THE ELEPHANT MAN』は11月23日(月・祝)まで世田谷パブリックシアターにて上演中。
取材・文:黒豆直樹
世田谷パブリックシアター×東京グローブ座
『エレファント・マン THE ELEPHANT MAN』
作:バーナード・ポメランス
翻訳:徐賀世子
演出:森新太郎
出演:小瀧望 / 近藤公園 / 花王おさむ / 久保田磨希 / 駒木根隆介 / 前田一世 / 山崎薫 / 高岡早紀 / 木場勝己
2020年11月23日(月・祝)まで
会場:世田谷パブリックシアター
本公演の配信決定!
配信日:2020年12月5日(土)18:00~ / 見逃がし配信:12月6日(日)18:00まで
チケット発売開始日:2020年11月20日(金)
詳細はJohnny’s netオンライン https://online.johnnys-net.jp/にて
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