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岡田准一が「散り椿」で撮影担当、木村大作は「俺の死ぬところを撮れ」

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左から木村大作、岡田准一、西島秀俊。

「散り椿」のティーチインイベントが本日9月19日に東京の有楽町朝日ホールにて開催され、キャストの岡田准一、西島秀俊、監督を務めた木村大作が出席した。

葉室麟の小説を実写化した本作は、岡田扮する藩の不正や権力に立ち向かっていく瓜生新兵衛を主人公とした時代劇。シニア世代の夫婦が集まった会場を見回した木村は「僕より歳上の人います?」と問いかけ、「この世代の人が皆さん観に来てくださったら大ヒットです。皆さんの責任は重いです」とジョークを交えながら語った。

イベントは、観客の質問に登壇者が答える形で進行。若さの秘訣を問われた木村は「好きなように生きる、しか手はないと思います。自由に生きていれば長生きできるんじゃないでしょうか」とあっけらかんと答える。そんな木村に対し、岡田は「すごくエネルギッシュ。いいものを作るために声を張るってエネルギーがいることだし、それを持ち続けていられるところに憧れます」と語った。西島は「木村さんはよく遠くから『バカヤロー!』って怒鳴ってらっしゃるんですが、すごく愛情のあるバカヤローなので、スタッフも委縮せず楽しそうに働いていて。僕の憧れていた撮影所の空気を体現されていて、エネルギーをもらった気分です」と述べる。

西島演じる榊原采女の義父・平蔵役で出演もしている木村。岡田が、平蔵の絶命するシーンで撮影を担当したと語ると会場からどよめきが起きる。「木村さんに『俺の死ぬところを撮れ』と言われて、いろんなことを考える言葉でした。そういうロマンティックなことをおっしゃってくださる大作さんの心の友になりたいと思っていました」と回想した。岡田は続けて「大雨のシーンだったんですが、大作さんはもっと降らせろもっと降らせろって言ってて。で、斬られたあと倒れた大作さんは溺れました。自分の降らせた雨で」と暴露。会場に笑い声が響く中、岡田は「倒れたあと、(木村は)フレームがわかってるので、フレームの外に手を出してカットをかけてて。すごすぎると思いました」と苦笑。当の木村は「失敗して真上向いちゃって。雨が口に入ってきてこれは駄目だと思い、横向きで死を迎えました」とひょうひょうとした様子で語った。

本作が第42回モントリオール世界映画祭にて審査員特別賞を受賞したことについて、岡田は「“木村大作伝説”をここで作るという気持ちでいたので、力になれて本当にうれしいですね」と笑顔。西島は「大作さん、モントリオールに行ってくださいよ!という話はしたんですが、『いいよ、面倒くせえから』と言って行かなかったんです。(賞を)獲るんじゃないですか?って言ったら、タバコが吸えないからって行かなかった(笑)。でも本当にうれしいです」と心境を述べる。そして「僕も黒澤(明)監督の作品が好きなんですが、資料から得られるものと、実際に作品が生まれる現場に立ち会って得られるものとでは全然違う。黒澤監督の現場を血肉化した大作さんが撮った作品だからこそ、黒澤監督のイズムを継承した作品だということを感じ取っていただけたんだと思います」と語った。

黒木華、池松壮亮、麻生久美子も出演する「散り椿」は9月28日より全国でロードショー。

(c)2018「散り椿」製作委員会