『ルパンの娘』深田恭子×瀬戸康史×橋本環奈の三角関係に注目 舞台は早くも“8年後”に
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あまりにも神々しく生まれた華(深田恭子)と和馬(瀬戸康史)の子供は杏と名付けられたが、公安からマークされている和馬は警察署内では独身で通さなければいけないこともあって、休日しか2人に会えないことに。そうこうしているうちに(またしても円城寺の歌唱とともに)8年の歳月が流れた、10月29日放送の『ルパンの娘』第3話(フジテレビ系)。毎度おなじみの和馬の“捕まり癖”は発揮されないものの、お決まりのシーンの応酬が繰り広げられる一方で、“Lの一族”の大きな変化について触れられるエピソードとなった。
“Lの一族”の後継者として尊(渡部篤郎)たちに期待されながら小学生になった杏(小畑乃々)。しかし華は、三雲家の稼業が泥棒であることに杏が気付くのではないかとヒヤヒヤしながら過ごしていた。そんな折、“Lの一族”の正体を突き止めるために警察官になった美雲(橋本環奈)が和馬のいる所轄署に新人刑事として配属され、さっそく和馬とコンビを組んで寸借詐欺事件を追うことに。そして詐欺師の御子柴(コウメ太夫)のマンションを張り込みしていた和馬は、そこで望遠鏡越しに泥棒スーツを身にまとった尊たちが盗みに入る瞬間を目撃してしまうのである。
前回のエピソードでは一度はなればなれになった華と和馬の「ロミオとジュリエット」的シチュエーションの中で10ヶ月の月日があっという間に流れたが、今回は一気に8年が過ぎる。赤ん坊だった杏は小学生になるものの、当然のように華をはじめとした大人たちの見た目が変わらないのはあまり神経質になって気にする必要もあるまい。原作の『ルパンの帰還』の中にも「好きなことしかやらない三雲家の人間は総じて若く見える」という記述があったぐらいだ。にもかかわらず、今回の劇中では高齢化が進んだ“Lの一族”の年齢がやたらとフィーチャーされるのだから、このドラマの開き直り方の潔さたるや。
尊は66歳で悦子(小沢真珠)は65歳。そして相変わらず引きこもり続け、しかも前回のエピソードで待ちぼうけを食らってから8年間ずっと美雲を想いつづけている渉(栗原類)は44歳だと語られている。マツ(どんぐり)にいたっては86歳だということが何度も繰り返し強調されたわけで、第1期の終盤のエピソードでマツと巌(麿赤兒)、和一(藤岡弘、)の若かりし日の物語が描かれた際に“60年前”(つまりは今回のエピソードの時間軸から見れば69年近く前になる)と言われていたこととの整合性はきちんと取れているあたり、実に抜かりない。最終話まででさらに時間軸が進むのかどうか、どこまで開き直れるのかは見ものだ。
さて、前述の原作小説と同じように和馬の部下になった美雲。とはいえ“Lの一族”に執着するさまや、前回のエピソードで高校時代に助けてくれた刑事が和馬であると気付くなど、美雲周りの設定はドラマオリジナルで進む。すなわち華と和馬、美雲の三者の関係があらゆる方向性からこの第2期のひとつの大きなフックになるということだろうか。そんな三角関係的な様相に、渉が参戦してきたらよりユニークな展開になりそうだが、それ以上に美雲の持つ『名探偵コナン』さながらのガジェットと、おなじみのてんとう虫のガジェットの直接対決というのも密かに期待しておきたい。
■久保田和馬
1989年生まれ。映画ライター/評論・研究。好きな映画監督はアラン・レネ、ロベール・ブレッソンなど。Twitter
■放送情報
木曜劇場 『ルパンの娘』
フジテレビ系にて、毎週木曜22:00~放送
出演:深田恭子、瀬戸康史、橋本環奈、小沢真珠、栗原類、どんぐり、藤岡弘、(特別出演)、松尾諭、大貫勇輔、信太昌之、マルシア、我修院達也、麿赤兒、渡部篤郎
原作:『ルパンの娘』 『ルパンの帰還』 『ホームズの娘』 横関 大(講談社文庫刊)
脚本:徳永友一
プロデュース:稲葉直人
監督:武内英樹
制作・著作:フジテレビ 第一制作室
(c)フジテレビ
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