CYNHNが語る、メインヴォーカル制から得たもの「“6人でCYNHN”が鮮明に見えてきた」
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でんぱ組.incを生んだディアステージ所属のCYNHN(スウィーニー) は、2017年にデビューした6人組ヴォーカルユニットだ。CYNHNの楽曲は、彼女たちの世代ならではの葛藤をストレートに歌う。しかし、そこには生身で“歌”と向かいあう輝きがいつもある。ヴォーカルユニットであるはずのCYNHNが、アイドルとしての眩しさをも見る者に感じさせるのは、そんな理由からだ。
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そのCYNHNが、2018年9月19日に3rdシングル『タキサイキア / So Young』をリリースする。このシングルからCYNHNはメインヴォーカル制に移行することになり、両A面シングルの『タキサイキア / So Young』では、「タキサイキア」は綾瀬志希、「So Young」は青柳透がメインヴォーカルを担当。ともに高校を舞台にしたMVも制作され、主人公の葛藤や苦悩が描かれている。
……と書くとなんだか重めだが、2017年にデビューしてからのCYNHNの成長は目覚ましく、ふだんの彼女たちは明るく騒々しい。秋葉原ディアステージでのかき氷イベント『ディア氷2018』を終えた後のCYNHNに、『タキサイキア / So Young』について話を聞いた。(宗像明将)
■「夢みたいな1年だった」(百瀬怜)
ーー2017年11月1日に『FINALegend』でメジャーデビューしてからそろそろ1年が経とうとしていますが、この1年を振り返ってみてどうでしょうか?
桜坂真愛(以下、桜坂):がむしゃらに駆け抜けた1年で、すごく早く感じました。その中でも、すごく自分なりに研究したり、みんなと共有したりしました。みんなとの距離も縮まってきて、どうやったら相手に伝わるのかも学びました。とても成長した気がします。
青柳透(以下、青柳):私はプライベートが変わって、高校生から大学生になったんです。大学生になってからはお仕事がしやすくなったし、いままでよりも時間を有効に使えているような気がしています。ステージングも少しだけ成長できたかなって思います。
綾瀬志希(以下、綾瀬):いままで親に私の歌を聴かせたことがなかったんですけど、ライブを見てもらったら態度が一変しました。私のやることなすことに注意するタイプの両親だったんですけど、初めて自分を親に認めてもらえました。
ーーちなみに、この1年で髪の毛の色が一番変わったのは綾瀬さんだと思うのですが、なぜ銀色に変えたのでしょう?
綾瀬:みんなが急激に可愛くなったと感じたときがあって、「私、このままだとやばくないか!? だったら茶色とかじゃなくて銀色にしちゃえ!」みたいな感じでやりました。
百瀬怜(以下、百瀬):私は、夢みたいな1年だったなって思います。私自身、アイドルさん好きなので、フェスにCYNHNが単独で出演できたり、テレビに出たり、ラジオ番組を持ったり、非現実的で夢のようだったなと思います。課題もいっぱい見えて、いろんなアイドルさんに勉強させてもらったなって感じます。
崎乃奏音(以下、崎乃):ふだんは青森で大学生をしているので、青森で過ごしている自分と東京で過ごしている自分が同じ人間に思えなくて、青森にいるときは「私は本当にCYNHNなのか?」って思うこともあるんですよ。最初は何を求められているのかわからなくてどうすればいいのかすごく悩んでいたし、基本的に青森ではずっと泣いているんですけど、最近はCYNHNとして目指したい方向やCYNHNのみんなと見たい景色が明確に見えてくるようになったなって思います。
ーーそこで病みツイートとかしないから偉いですね。
崎乃:ファンの人を心配させるのはよくないと思ってるので。いつでも楽しく笑ってもらいたいんです。
月雲ねる(以下、月雲):最初デビューしたてのときは探り探りやっていた感じだったんですけど、最近はもうちょっと気楽に楽しめるようになりました。いまは撮影とか一回一回のライブの仕方とか、みんなで話しあってどう進めていったらいいのかがだんだんつかめるようになってきました。
ーー今年の夏には『アイドル横丁夏まつり!!~2018~』(以下、『アイドル横丁』)『TOKYO IDOL FESTIVAL 2018』(以下、『TIF』)『@JAM EXPO 2018』と三大アイドルフェスにもすべて出演しましたが、感触はどうでしたか?
月雲:フェスってすごいなって思いました。ステージを終えてから特典会に知らない方が来てくれて、「フェスってこういうことか」って思いました。気になってくれたのかな、嬉しいな、って。
崎乃:『アイドル横丁』の一番地(メインステージ)に出た次の日からバーッとお客さんの勢いが増して、「これがフェスの力か」ってめっちゃ感じました。
百瀬:『TIF』では、去年自分の好きな風男塾さんのライブを見ていたので、同じSKY STAGE(フジテレビ湾岸スタジオ屋上のステージ)に立ちたいと思っていたんです。『アイドル横丁』の一番地も、SUPER☆GiRLSさんのライブをインターネット配信で観ていたので、同じステージに立ててすごく嬉しかったです。しかも、SUPER☆GiRLSさんの後に。
崎乃:SUPER☆GiRLSさんの最後の曲が大好きな「ラブサマ!!!」だったから、めっちゃ緊張しているのにふたりとも「やったー!」って(笑)。
綾瀬:嬉しいって気持ちと同じぐらい怖かったです。このタイミングでメインヴォーカルと振り付けをやらせてもらったので、「ここでやれなかったらおしまいかもしれない! 来年は出られないかもしれない! 頑張んなきゃ!」みたいな。でも、楽しかったし来年も出られるように頑張りたいなと思っています。
青柳:知ってくれる方が増えたけど、「CYNHNの○○ちゃんが気になった」みたいなツイートで私の名前があまりなくて……(笑)。一瞬自信喪失していたときがあったんですけど、ステージでやったときの喜びのほうが大きくて、フェスは楽しかった思い出しかないです。
桜坂:私はフェス自体を知らなくて未知の世界だったので、どうなってしまうのかと思っていました。緊張もあるし暑いしどうしよう……とステージに出たら、自分でも実感できるくらい楽しいなって思うことが多かったです。
ーー桜坂さんは、『TIF』でのFUJIYOKO STAGE(フジテレビ屋内のステージ)に体調不良で出られなかったときはどういう心情でしたか?
桜坂:あのときは熱中症だったんですけど気づかなくて。あの日はいろんなアイドルさんが倒れたらしくて、少しでも体調が悪い場合は出られなかったんです。「こんなことってあるのか」って申し訳なくて、座ってみんなのパフォーマンスをボロボロ泣きながら見ているだけだったんですけど、メンバーもスタッフさんも励ましてくれて。来年は絶対に健康を維持して頑張りたいと思います。
ーー3rdシングル『タキサイキア / So Young』からメインヴォーカル制になりましたが、メインヴォーカル制になると初めて聞いたときはどう思いましたか?
綾瀬:初めて歌詞割りを見たときに「お、待って待ってこれはなんだ!?」と思ったんです。最初は自分が多く歌えることの喜びがすごく大きかったんですけど、私のメインヴォーカル曲でメンバーも一緒にやらなきゃいけないじゃないですか。歌詞割りがめっちゃ少ないメンバーもいるんですよ。だからみんなで話しあったんですけど、「全然OK!」みたいな感じだったので、「よし、頑張るぞ!」という思いでした。今すごく楽しいので頑張りたいです、最後の6曲目まで。でも、私は“歌いたいマン”なんで、自分以外がかっこいい曲をもらったらすごく悔しいなっていうのはあります。「ちょっと6人で歌詞割りして私も歌いたいー!」みたいな感じになりますね!
青柳:最初は不安でしたし、実際に曲がきて歌ってみたら、自分の歌詞割りが多いぶん、声が出なかったりして悔しいなって思うこともありました。でも、「夏だからこのふたりなんだよ」って言われて、フェスでも歌うことができて嬉しかったです。私の歌声をあまり聴いたことがない人が多かったと思うんですけど、この曲を聴いて「透の声、好きだな」って言ってくれる人が増えたのもとても嬉しかったです。
ーーこれから全員のメインヴォーカル曲を作ると言われてどう思いましたか?
桜坂:CYNHNにはセンター曲(ソロ曲)はあったんですけど、「6人でCYNHN」って感じだったので、すごく私の中で新しくて、わくわくしました。今回は夏に合うメンバーだなと思ったし、曲調もすごく新しくて素敵な曲だなって思いました。これから残りの4人の曲がどんな風になるのかすごく楽しみです。
百瀬:「誰も私の歌なんか求めてない」って思って生きているので。「そんなことないよ」ってファンの方は言ってくれるんですけど……。私のメインヴォーカル曲が売れなかったらどうしようって思うのも不安だし……。MVも、私のカットが多くなるのも嫌苦手だし……。真ん中がそもそも苦手です、端にいたいです……。
綾瀬:百瀬から毎日のように「どうしよう……もうやりたくない」ってLINEが来るって予想してるからね、私は。
百瀬:でも、客観的に見たら、あんまりメインヴォーカル制はないし、ヴォーカルユニットだから面白いなとは思います。純粋に楽しみです、自分の曲以外は。
崎乃:私は活動している中で、応援してくれる方が報われるようにしたいというのを目標にしているので、「メインヴォーカルじゃない子のファンの方は報われるんだろうか?」って最初はめちゃめちゃ悩みました。でも、蓋を開けてみれば、ふたりが確かにメインヴォーカルではあるけど、周りの子が“空気”っていうことはないし、6人でCYNHNだっていうのが鮮明に見えてきて、いまでは本当に面白いことをしてるなと思います。今後6曲目まで出そろったときにメインヴォーカル制が初めて完成すると思うので、そこまでがむしゃらに頑張りたいなと思っています。
月雲:メインヴォーカルの子の色が出た曲が6作品できるっていうのが楽しみだし、ほかのユニットがあんまりやっていないような取り組みをもっとしていきたいなって思います。ほかのユニットはメンバーカラーがあるけど、CYNHNはグループが“青”(CYNHNとはロシア語で青色の意味)を推していて、それもあんまりないし。あと、今回の「タキサイキア」と「So Young」でハモりもライブでやるようになったので、そこもヴォーカルユニットらしいです。
崎乃:私は2ndシングル曲の「はりぼて」でハモりをやっていて、そのカップリングの「リンクtoアクセス」では綾瀬志希ちゃんがハモりをやるように振りわけていました。
■「人生で初めて歌うのがつまんないって思いました」 (綾瀬志希)
ーーアイドルグループかと思いきや、いつの間にかすっかりヴォーカルユニットに変わりましたね。
青柳:最初から、アイドルだと思っている人もいていいし、でも6人が集まったらヴォーカルユニットなんだよという話だったので、私たち的にはそんなに変わってはいないんです。
ーー『タキサイキア / So Young』で、“演じまスウィーニー”(メインボーカル曲のMVをドラマ仕立てにし、各々が主演を務めるプロジェクト)としてMVでいきなり演技をした感想を教えてください。「タキサイキア」はメインヴォーカルの綾瀬さん主演ですね。
綾瀬:台本をいただいたのが前日だったんですよ。初心者なのにそんなことありますか!? 当日演技ができなくて、いろんな人に迷惑かけて、帰りのバスで大泣きして。「これ以上に落ち込んだこと、今までにない」みたいな感じで、やばかったですね。
ーー綾瀬さんは、クラスで目立たない女の子の役のはずなのに、銀髪だしピアスをたくさん開けていますよね……。
綾瀬:でも、あのときはエキストラさんの圧がすごかったんです。本当にいじめられているみたいな気持ちになって、めちゃめちゃ泣いちゃって、再現率が99%ぐらいだなと思いました。
ーー「タキサイキア」で助演の百瀬さんはどうでしたか?
百瀬:私は、ジャケット撮影もレコーディングもMV撮影も苦手で、三大苦手項目っていう感じだったんですけど、一気にMV撮影が1位に躍りでました。自分を客観視しがちなので世界観に入りこめないんですよ。「これ、終わんないよね!?」みたいな感じで大変でした。
綾瀬:朝の5時集合で、終わったのが24時間後くらいでした。「自分のせいでこんなになっちまってる!」と思って「もうどうする? 死ぬか!?」って大泣きしていました。
ーー大変でしたね……。「So Young」の主演を務めた青柳さんは?
青柳:志希ちゃんをいじめていた役の人たちと、私は楽しくやっていたのが面白かったですね(笑)。深夜に車で移動したんですけど、車酔いしちゃって、すごく気持ち悪くなってしまって涙が出てきて、泣いていたらカラーコンタクトがどこかにいってしまって、スタッフさんを四つんばいにさせてたくさん探させてしまって、すごく申し訳なかったなと……。
崎乃:裏話があって、私が歌うとカラスが寄ってくるんですよ。MVにカラスの声がちょっと入っちゃっていて時折「カァカァ」って鳴いています。
綾瀬:いいね、楽しそうだね。こちとら地獄絵図だよ……。
青柳:こっちもまあまあ地獄絵図だったよ。スタッフさんにカラーコンタクトを探させて、私は泣いていて……。
崎乃:それを端から見ている崎乃奏音の気持ち……。
ーー大変でしたね……。今回、月雲さんと桜坂さんは演技をしていないですよね。演技はできそうですか?
桜坂:やったことがないのでなんとも言えないですけど、真似っこみたいなのが好きなんですよ。ディズニーランドのキャストさんや車掌さんのものまねをやったりしているので、そういうのを活かせたらなと思います。
月雲:難しそう。みんながすごく苦戦しているのを見たから不安です。絶対一番下手なんで、曲に悪影響がないといいなと思います。
ーー今回の「タキサイキア」で、綾瀬さんはメインヴォーカルを担当してみてどうでしたか?
綾瀬:メロディーラインもリズムも難しくて歌いこなせなくて、「私、できないかもしれません」って前日にマネージャーさんに相談したくらいやばくて。レコーディング当日も歌えなくて、自分の思う「タキサイキア」にならなくてめちゃめちゃ泣いて、「どうする? 帰る? 青森に帰る!?」ってなっていました。
崎乃:青森は崎乃奏音だけなんですけどね。
綾瀬:そのぐらいできなかったんですけど、今は「タキサイキア」を歌えるのは自分だけだって言えます。良かった、良かった!(自分で拍手)
ーー綾瀬さんは、MVのように自分が歌うことへの葛藤はあるのでしょうか?
綾瀬:あります。それしかないです。
百瀬:「タキサイキア」を録ってたときに「歌うことが初めて楽しくなかった」みたいなこと言ってたよね。
綾瀬:言った。すごくスランプだったんですよ、その時期。「タキサイキア」が私にすり寄ってこないし、微動だにしないみたいな感覚で。私も自分の力不足で歩み寄れないところがあったんです。自分がどれだけの技を繰りだしても「タキサイキア」が全然応えてくれないことにめちゃめちゃ落ちこんだし、人生で初めて歌うのがつまんないって思いました。そのとき、メンバーにめちゃめちゃ相談したんです。フェスにも出させてもらって経験を積んだから、今は自分にしか歌えない曲だなと思ってます! 良かった! 話がまとまった!
ーー良かったです! ちなみに誰に相談していたのでしょうか?
綾瀬:主に百瀬に言っていた気がします。
百瀬:志希ちゃんにメインヴォーカルをやってもらっているし、振り付けも作ってもらっているし、全部志希ちゃんに重荷を背負わせていて、私も悩みました。自分もダンスを習っていたんですけど、振り付けを考えるのってめちゃめちゃ難しいんですよ。それをCYNHNの中でも人一倍考える志希ちゃんがやってくれるのは、すごく誇らしいことだし、今後のCYNHNの強みになるはずなので、そういうことを素直に伝えていました。
ーー青柳さんは「So Young」でメインヴォーカルを担当してどうでしたか?
青柳:無意識にいっぱい考えていて不安になって、せっかく素敵な曲をいただいたのに、披露するまで全部嫌になっていました。「So Young」は、奏音ちゃんが考えてくれたイメージの構想をもとに、みんなから意見を聞いて志希ちゃんが具体的なステージングを考えてくれたんです。怜ちゃんが言ったみたいに、志希ちゃんに押しつけちゃっているなって思って、「自分のメインヴォーカル曲なのに私ひとりじゃステージングも考えられない」と思っていました。しかも、レコーディングもうまくいかなくて「うえーん」って感じだったんですよ。でも、披露したらファンの方をはじめいろんな方に「いい曲だよね」と言ってもらえて、前より歌えるようになったので、もっと良くなるようにしていきたいなと思います。
ーー「So Young」のMVだと、青柳さんは陸上部員役ですね。実際に陸上部員だった自分と重ねあわせましたか?
青柳:脚本の中では陸上が強い女の子なんですけど、私自身は陸上ではそこまで強い人間ではなかったんです。でも、陸上で挫折した経験は自分も多くて、中学校のときは強い選手だったんですけど、高校にあがったら一気に成績が出せなくなってしまったんです。だから、つらいところは一緒だなと思いました。
ーー「So Young」は“青春パンク”と銘打たれていますね。
青柳:最後にみんなで「ラー♪」と歌うところがあるんですけど、そこは笑顔で歌うと声色も明るくなるので、明るく「青春パンクだよー」みたいな感じで歌っています。
桜坂:私の感じる青春はけっこう力強いイメージがあるので、笑顔ではなくちょっと顔に力を入れて歌っています。「青春ってなんだろう?」というのは自分の中でもずっと考えていて、今回の曲で「青春っぽいなー」って思ったり、青柳が演じている子の気持ちになって「こういうのを青春っていうのかー」って思ったりとか、発見がありました。
綾瀬:(大声で)青春って何? 青春はいまです! いま感じたことをいま歌うのが青春です! いま青春なので! はい!!
百瀬:「So Young」は後半につれて明るくなっていくように、「ラー♪」のところではめっちゃ笑っています。
月雲:ハモりをしているときのほうが多いので、基本的に明るめに歌っています。
崎乃:ハモりが「So Young」から上下に付いたんですよ。上はねるちゃん、下は私がやっているんですけど、下の音程って気をつけないと下がりすぎてハモらなくなっちゃうんですよね。
■「CYNHNにしか歌えない曲を歌いたい」(青柳透)
ーーつまり、三声でハモっているわけですね。
崎乃:はい、「So Young」から始まりました。2ndシングルの『はりぼて』で初めてハモりがついて、3rdシングルで三声になりました。
ーー『タキサイキア / So Young』はどんな人に届いてほしいでしょうか?
百瀬:CYNHNのことをまだ知らない人に届いたらいいなと思います。個人的にロックみたいな歌い方が好きなので、今回の2曲とも好きです。
綾瀬:やったねー!
桜坂:曲調的に「So Young」は中高生向けですかね。「タキサイキア」はいろんな年齢の方が聴いてくれるような曲で、どちらも私の中で青春っぽい曲です。私みたいに「青春って何だろう?」って思ってる人とか、挫折した人とか、頑張りたいって思っている人とかに聴いてほしいなって思います。
月雲:「タキサイキア」も「So Young」もどっちもバンドサウンドなので、バンドが好きな方にも聴いてほしいです。実際、私のバンド好きの友達には「曲がいいね」って言われました。
崎乃:私もあんまり青春してなかったんですけど、この2曲を聴くと青春を感じられるし、私はCYNHNでいまが青春だって思っているんです。青春を思いっきり謳歌できなかった大人の方にも聴いてもらって一緒に青春したいなって思います。
青柳:「タキサイキア」は全体的に明るい感じの音なんですけど、最後に志希ちゃんが〈青すぎる奇蹟〉って歌うことによってすごくエモくなるんですよ。逆に「So Young」は最初暗めなんですけど、最終的に一周まわってポジティブに落ち着くんです。それぞれ刺さる人が違うんじゃないかなって思っていて、だからどっちも一回聴いてほしいって思います。
綾瀬:「タキサイキア」は、本当は過去の自分に聴かせてあげたかったなって思っています。いまはCYNHNの流れとして応援ソングなんですよ。全部背中を押されるような曲なので、いろんな人に届けばいいなと思っています。CYNHNの曲って「わ、何これ!? すごい! 何このカード!?」みたいな感じの曲が多いので、CDを買って聴いてくれた人がそう感じとってくれたらいいなと思いますね! まとまった!(自分で拍手)
ーー今後はどんな楽曲を歌っていきたいでしょうか?
桜坂:ジャンルに縛られずに幅広く歌っていきたいです。どんな歌でも歌えるような人間に成長していきたいなと思っています。
百瀬:どんな曲を歌いたいとかないんですよね、「何でも頑張ります」っていう感じなんですけど。自分の欠点が日々山積みになっていくけど、CYNHNは幸い歌がうまいメンバーばかりなので、メンバーにアドバイスをもらいつつ、自分の歌を伸ばしていけたらいいなって思っています。
崎乃:私は求められてるものに応えたいっていう気持ちが強いんです。一番求められてるもの、聴きたいと思われていることに対して全力で応えられるような歌を歌えるように自分も成長していきたいですね。もっと自分にしかできないことを身につけて、それに応えられるようにしたいです。
月雲:ジャンルっていろいろあるじゃないですか。「これだけをやります」っていうユニットもあるけど、R&Bとか、幅広くやっていきたいです。いろんなジャンルの曲も歌って、それを好きな人にCYNHNを知ってもらえたらいいなって思います。
青柳:たとえばカラオケに行ってCYNHNの曲が歌えちゃうのが悔しくて、CYNHNにしか歌えない曲を歌いたいんです。「歌おうとしてもめっちゃむずいやん!」みたいな。一人ひとりの個性が活きていて、1曲に詰まっている歌を歌いたいって思います。
綾瀬:世の中って、アイドルとかのジャンルに縛られるとほかのものが見えなくなると思っているので、そういう壁を越えたいです。誰かから見たら私たちはアイドルなのかもしれないけど、そういう人から見てもCYNHNと向きあえるような曲を歌いたいって思いますし、「タキサイキア」みたいに私にしか歌えない曲を歌っていきたいです。それがみんなに伝わったらいいな、優しい世界にしようね、っていう感じです!
(取材・文=宗像明将)